イソトレチノインに好転反応はある?症状や注意点を解説

「イソトレチノインは好転反応が出ると聞いたけれど本当?」など、イソトレチノインを飲み始めて余計にニキビがひどくなったと聞き、不安になっていませんか?

イソトレチノインは、アメリカで難治性のニキビ治療に使われている薬です。しかし、飲み始めの段階で、一時的にニキビの悪化がみられることがあります。この一過性の症状が「好転反応」と呼ばれています。

好転反応を知らないと、ニキビが悪化したときに「イソトレチノインが自分に合わないのでは?」と不安になり、治療を中断してしまうかもしれません。その結果、十分な効果が得られなくなる可能性があります。

この記事では好転反応の症状やその期間、好転反応がみられたときの対処法について詳しく解説します。イソトレチノインでの治療について理解できているとニキビ治療をスムーズに進めることができ、効果も期待できるでしょう。

イソトレチノインの治療に関して気になっている方はぜひ最後までお読みくださいね。

イソトレチノインでみられる好転反応とは

好転反応とは一般的に、薬を飲み始めてから一時的に症状が悪化することです。イソトレチノインも飲み始めの時期にニキビの悪化がみられるため、好転反応が起きると言われるようになりました。

ここでは、イソトレチノインでみられる好転反応の症状や期間について具体的に紹介します。

イソトレチノインにおける好転反応の症状

イソトレチノインの好転反応の症状は、飲み始めの時期にニキビが一時的に増えることです。ただし、イソトレチノインに限らず、ほかのニキビ治療でも好転反応は起こる可能性があります。

また、一時的にニキビが悪化する好転反応の症状には個人差があります。好転反応はイソトレチノインを飲んだ人全員にみられる訳ではありません。[1]

好転反応の期間

好転反応は、治療開始1ヶ月程度であらわれ、その後1〜2ヶ月ほど続くと言われています。症状と同じように、好転反応がみられる期間も個人差が大きいです。

通常、症状が悪化してもそのまま治療を継続します。好転反応によるニキビの悪化は、治療を継続していると落ち着いてくる場合がほとんどです。[2]

イソトレチノインを飲み始めてから症状が悪化すると、不安で服用をやめてしまう方もいるかもしれません。ニキビの悪化が気になる場合は、早めに医師へ相談するのがよいでしょう。

イソトレチノインとは?

イソトレチノインはビタミンA誘導体「レチノイド」を主成分とした飲み薬です。皮脂の分泌や毛穴のつまり、炎症を抑える効果があることがわかっており、アメリカでは重度のニキビ治療に使われています。[3][4]

日本では保険診療の薬として承認されていないため、イソトレチノインを使った治療は自費診療です。

渋谷駅前おおしま皮膚科では、イソトレチノインとして「アクネトレント」を輸入しております。

治療効果はいつから?

イソトレチノインを飲み始めてから効果を感じるタイミングは、飲む量によってさまざまな報告があります。

ある研究ではプラセボ(偽薬)との比較試験を4ヶ月間行ったところ、イソトレチノインのニキビへの有効性が確認できました。[5]

また別の研究では、1ヶ月以内にニキビの改善がみられたとの報告があります。ただし、低用量では約2〜4ヶ月との報告があります。飲む量はもちろん、効果がみられる時期は個人差も大きいと言えるでしょう。[6]

イソトレチノイン使用時の注意点

ニキビに効果的な薬ですが、使用時に特に注意してほしい事項があります。主に以下の3つです。

  • 定期的な血液検査を受ける
  • 使用期間を守る
  • 妊娠中の使用はできない

それぞれ詳しく解説します。

定期的な血液検査を受ける

イソトレチノインでの治療を行う際は、定期的に医療機関で血液検査を受けましょう。副作用を早く発見するため、検査値に異常がないかを確認します。

血液検査を受けていれば、副作用に早めに気がつくこともできるため、悪化する前に対応が可能です。

服用を考えている場合は、血液検査を実施している医療機関を選びましょう。

当院では、イソトレチノイン服用前後と開始後3ヶ月に1度の血液検査を行っております。

使用期間を守る

イソトレチノインの治療では、医師から決められた期間を守って服用するようにしましょう。個人差はありますが、効果が感じられるようになる期間は約4〜6ヶ月と言われています。

治療後にニキビが再発しにくいと言われている期間も同様です。自分で調整していると、思うような効果が得られなくなる可能性もあるため、注意しましょう。[5][6]

ただし、飲む量や飲み方は皆同じではなく体重や症状によって変わります。当院では、診察時にその方にあわせて処方しています。副作用がみられる可能性もあるため、自分で飲む量を調整したり個人輸入で入手したものを長期間服用したりしないようにしましょう。

妊娠中は使用できない

イソトレチノインは妊娠中の服用は禁忌とされており、絶対に使ってはいけません。胎児の先天性異常や流産、早産、死産を引き起こすおそれがあるためです。服用をはじめてからの妊娠にも注意しましょう。服用中は男女ともに避妊が必要です。

また、イソトレチノイン服用中は授乳や献血も禁止されています。服用中とその前後1ヶ月間は授乳できません。献血は、妊婦への輸血により胎児にイソトレチノインの影響が生じるおそれがあります。[4]

イソトレチノインの副作用

イソトレチノインは、特に副作用に注意しながら服用する必要があります。

  • イソトレチノインでみられる主な副作用症状
  • 副作用はいつまで続く?
  • 副作用を減らすために注意すべき点

副作用に関する上記3つについて詳しく解説します。

イソトレチノインでみられる主な副作用症状

主な副作用の症状は以下のとおりです。

  • うつ、幻覚、幻聴
  • 自傷行為、自殺企図
  • ひどい頭痛、めまい
  • 目のかすみ、見えにくさ
  • 脳卒中
  • 筋力低下
  • 吐き気、おう吐
  • 下痢
  • 口唇炎、唇や鼻の乾燥
  • 日光過敏症 など

上記の症状のうち、よくみられる副作用は口唇炎や唇の乾燥です。イソトレチノインを使用している90%以上の方にみられ、飲む量が多くなるほど頻度が高くなる副作用です。基本的に継続しても問題はありません。保湿をしっかり行いましょう。

日光に当たることで起こるかゆみや赤み、発疹など(光線過敏症:こうせんかびんしょう)の副作用症状は、日焼け止めや日傘の使用によって軽減できます。

また、イソトレチノインはテトラサイクリン系とよばれる抗生剤と一緒に服用できません。頭蓋骨内の圧の異常が起こりやすくなるためです。[2][4]

ほかに薬を服用している方は、必ず事前に医師に確認してから服用しましょう。

副作用はいつまで続く?

イソトレチノインの副作用としてよくみられる乾燥は、服用をやめると治まります。授乳や献血などによって起こる胎児の催奇形性は、服用をやめても1ヶ月は影響すると言われているため注意しましょう。

夜間の視力低下(夜盲症:やもうしょう)や聴覚障害、は中止後もしばらく継続する可能性があります。[4]

副作用の症状がいつまで続くかは、症状によりさまざまです。気になる症状がある場合は早めに医療機関で相談しましょう。

副作用を減らすために注意すべき点

イソトレチノインでの治療ををはじめるときは、必ず事前に医療機関で診察を受けましょう。事前に血液検査での値がわかっていれば、イソトレチノイン服用後に検査値異常がみられたときに副作用かどうかの判断材料になります。

決して個人輸入などで購入して飲んではいけません。自分では気がつかないうちに副作用が出ていたり、思うような効果が得られなかったりする可能性があります。

イソトレチノインを使ったニキビの治療では、決められた量を決められた期間、正しく飲むことが大切です。

イソトレチノインの好転反応に関するよくある質問 

イソトレチノインの好転反応に関するよくある質問にお答えします。

イソトレチノインで好転反応は起こる?いつから?

イソトレチノインでは、飲み始めて数週間から1ヶ月程度で好転反応とみられる一時的なニキビの悪化がみられます。その後、治るまでに1〜2ヶ月ほどかかると言われています。

治療では初期に症状が悪化する?

イソトレチノインでニキビの治療を行うと、飲み始めの時期に症状の悪化がみられます。この一時的な症状の悪化が好転反応と呼ばれています。

イソトレチノインの価格

渋谷駅前おおしま皮膚科で扱っているイソトレチノイン製剤は「アクネトレント」です。価格は下記のとおりです。またイソトレチノインを使用した治療は保険適応となりません。(自由診療)

アクネトレント

10mg(30錠)7,500円(税込8,250円)
20mg(30錠)12,000円(税込13,200円)

イソトレチノイン治療が気になる方は渋谷駅前おおしま皮膚科へ相談を

イソトレチノインは、飲み始めて数週間で一時的にニキビの悪化がみられます。好転反応と呼ばれる治療初期の症状は、1〜2ヶ月継続すると治まると言われています。ニキビが一時的に悪化しても焦らず、治療を継続することが多いです。

ただし、副作用のリスクもあるため、気になる場合は早めに医師に相談しましょう。

イソトレチノインでの治療は、使用量や期間を守って服用し、副作用に注意しながら慎重に続けます。副作用は血液検査でわかるものも多いため、定期的に血液検査を受けられると良いですね。

決して個人で入手したり自分の判断で服用はせず、事前に専門の医師へ相談してご自身に合う用量や使用期間を見つけましょう。

繰り返すニキビが気になってイソトレチノイン治療を検討している方や不安な方は、ぜひ一度、渋谷駅前おおしま皮膚科へご相談ください。

<アクネトレントについて>

未承認医薬品等日本国内では未承認医薬品に該当
入手経路等当院医師の判断のもとPRSS社より購入しています。
国内の承認医薬品等の有無なし
諸外国における安全性等に係る情報服用期間中とその前後1か月間に性行為をする場合は、必ず避妊を行ってください。服用期間中とその後1か月間は妊娠、授乳、献血をしないでください。※妊娠女性への輸血により、胎児にイソトレチノインの影響が生じるおそれがあります。イソトレチノインを、他の人と共用しないでください。

参考

[1]The use of isotretinoin in acne – PMC

[2]Isotretinoin: The truth about side effects

[3]Guidelines of care for the management of acne vulgaris – Journal of the American Academy of Dermatology

[4]Label: ISOTRETINOIN capsule

[5]A Randomized-Controlled Trial of Oral Low-Dose Isotretinoin for Difficult-To-Treat Papulopustular Rosacea

[6]Updated Physician’s Guide to the Off-label Uses of Oral Isotretinoin – PMC