イソトレチノインはオンライン処方できる?治療の流れや注意点を解説
イソトレチノインは海外で重度のニキビ治療に使用される薬です。皮脂の分泌を抑え、繰り返しできるしつこいニキビの改善が期待できます。
日本では未承認薬であるため、処方を行う医療機関が限られています。そのため興味はあるものの、通院の難しさから治療を諦めている方もいるのではないでしょうか。
またイソトレチノインは副作用管理が重要な薬です。安全に使用するためには医師の診察を受けたうえでの処方が必要です。
この記事では、オンライン診療での処方が可能かどうかに加え、個人輸入のリスクについても解説します。さらに当院での治療の流れや副作用、服用時の注意点について詳しく紹介しています。イソトレチノインによるニキビ治療に興味がある方は、ぜひ最後までお読みください。
イソトレチノインのオンライン処方と個人輸入
イソトレチノインは医師による処方が必ず必要な医薬品です。
ここではオンライン上での処方や個人輸入のリスクについて、詳しく解説します。
イソトレチノインのオンライン処方はできる?
イソトレチノインは一部のクリニックでのみ、オンライン診療による処方が可能です。ただし症状に応じた服用量の調整や副作用管理が必要な薬であるため、医師による診察・処方が不可欠です。
診察なしで購入できる輸入サイトなどを利用する場合、違法となる可能性があります。オンラインでの購入を検討している方は注意しましょう。
当院では、イソトレチノインの後発品(ジェネリック)である「アクネトレント」の取り扱いを開始しました。
イソトレチノインの個人輸入はできる?
イソトレチノインの個人輸入は違法となる可能性があります。また健康被害のリスクがあるため推奨されません。
厚生労働省はイソトレチノインの無許可販売や個人輸入について「医師の指導のもとで使用しなければ健康被害の恐れがある」と注意喚起しています。加えてイソトレチノインを個人で輸入する場合、厚労省の確認が必要です。[1]
さらに個人輸入ではイソトレチノインに限らず、偽造品や異物混入のリスクが高く、実際の商品と異なる成分であるケースも報告されています。
医師の管理なしに使用すると、副作用のリスクも増大します。アメリカのFDA(米国食品医薬品局)でも、イソトレチノインの個人輸入に対して注意喚起を行っており、安全に使用するためには医療機関での診察と処方を受けることが重要です。
安心してオンライン処方をご利用いただくために
イソトレチノインは、服用量や服用する期間を慎重に管理すべき薬です。万が一副作用がみられたとしても、早期発見、早めの対処ができるよう定期的な診察や血液検査が必要です。
ここでは、安心してオンライン診療をご利用いただくための注意事項について解説します。
副作用の注意が必要
イソトレチノインは、催奇形性(妊娠中の胎児への影響)や肝機能障害、脂質異常などの副作用が報告されているため、慎重に服用状況を管理する必要があります。
安全に使用するためには、定期的な診察や、必要に応じて血液検査を受けながら治療を進めることが重要です。
当院のオンライン診療では、半年以内に健康診断等で採血をしていない場合、採血キットによる血液検査が必要となることがあります。血液検査の必要性は、診察時に医師や看護師と相談のうえ判断します。
副作用のリスクを最小限に抑え、治療を継続するためには、医師の指導のもと適切に服用しましょう。
郵送料がかかる
オンライン診療を利用する場合、処方された薬の郵送料が別途かかります。対面診療とは異なり、薬を直接受け取ることができないため、配送手数料が発生する点に注意しましょう。
当院のオンライン診療では肌の状態をオンラインで確認し、赤みやニキビの症状、体調などを詳しくお伺いします。そのうえで、一人ひとりに合った薬の量や服用方法を提案し、治療を進めていきます。
イソトレチノインの効果
イソトレチノインは日本では未承認ですが、アメリカでは重症ニキビ治療に使用されています。イソトレチノインの主な効果は以下のとおりです。
- 毛穴詰まりの改善
- 過剰な皮脂の分泌抑制
- 抗炎症作用でニキビの赤みを抑える
皮膚の角質が厚く硬くなる角化異常が起こると、毛穴が塞がれやすくなります。
その結果、毛穴に皮脂が詰まったりアクネ菌が増殖してニキビができやすくなったりします。イソトレチノインは角化異常を正常化し、毛穴の詰まりを防いでニキビの発生を抑える効果が期待できるでしょう。
さらにイソトレチノインは、皮脂腺を小さくする作用によって皮脂の過剰分泌を抑え、アクネ菌の繁殖を防ぎます。アクネ菌の増殖により免疫応答が過剰になり、炎症が悪化するとみられるのが肌の赤みです。イソトレチノインは炎症反応を調整し、ニキビによる赤みを和らげる作用を持ちます。
イソトレチノインは皮脂の分泌を抑えて毛穴の詰まりを防ぎ、炎症を抑えることで繰り返すニキビに対して効果が期待できる薬です。[2]
イソトレチノインの注意すべき副作用
イソトレチノインには、めったにないが注意すべき重篤な副作用と、知っていれば予防できる多くの方によくみられる副作用があります。
ここではイソトレチノインの副作用について、重篤な副作用と、よくみられる副作用に分けて紹介します。
重篤な副作用
めったにみられないですが、イソトレチノインで起こる可能性のある重篤な副作用は以下のとおりです。
妊婦への影響 | 胎児の奇形、流産、死産、早産 |
精神症状 | うつ、幻覚、幻聴、自傷行為、自殺企図など |
消化器症状 | 急性膵炎 |
皮膚症状 | スティーブンスジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症 |
妊娠の可能性がある人は服用期間中、前後1ヶ月は絶対に妊娠しないこと、とされています。短期間の服用や少量であっても危険性は変わらないため、服用期間中および服用終了後も一定期間は必ず避妊が必要です。
- 女性:服用期間中および最終服用日から6ヶ月間は絶対に妊娠しないこと
- 男性:服用期間中および最終服用日から1ヶ月間は避妊を徹底すること
また服用期間中および服用終了後6ヶ月間は献血も禁止されています。献血された血液が妊婦に使用された場合、胎児に影響が及ぶ恐れがあるためです。
急に起こる激しい腹痛や背中の痛みは「急性膵炎」の可能性もあります。ほかに、気分の落ち込みがひどい場合や皮膚にただれがみられる場合は、注意したい重篤な副作用症状の可能性があります。すぐに中止してすぐ医療機関を受診してください。
よくみられる副作用
イソトレチノインの副作用の中でも、特に唇の乾燥は多くの人にみられやすく、服用量が増えるほどその症状が強くなる傾向があります。また鼻の乾燥や日光過敏症もよく報告される副作用の一つです。
そのため、日頃からリップクリームや保湿剤を使用してしっかりと保湿を行い、紫外線対策として日焼け止めや日傘を活用しましょう。
おおしま皮膚科では、肝機能悪化などの副作用を早期に発見するため、オンライン診療の際に採血キットを使用した検査を行う場合があります。イソトレチノインは経過を確認しつつ、服用中の体調変化を慎重に確認しながら治療を進める必要がある薬です。
万が一、医師が継続のリスクが高いと判断した場合は、処方を中止する場合もあります。
イソトレチノインの副作用に関してはこちらの記事もご覧ください。
おおしま皮膚科のイソトレチノイン・オンライン診療の流れ
当院におけるオンラインでのイソトレチノイン治療の流れを紹介します。
治療の流れ
以下はおおしま皮膚科でのイソトレチノインのオンライン診療の流れです。
- お申込み
申し込みフォームに必要事項を入力してお申込みください。現在より2週間後までが予約可能です。
お申込みの方はこちらから
渋谷駅前おおしま皮膚科 – 特定の自費診療オンライン診療申し込みフォーム
- 当日
ご予約の日時になりましたら、お申し込みいただいた電話番号宛てにご連絡を差し上げます。
- オンライン診療
お電話口でオンライン診療を行います。現在の症状などについてお伺いいたします。
- 薬の郵送
お申し込みいただいた住所宛てに、最短で即日発送にて当院からお薬を発送します。
お支払い方法は、事前「クレジットカード払い」もしくは「商品受け取り時に現金払い」かお選びいただけます。
※システム使用料や専用アプリケーションのインストールは不要です。
※電話回線混雑を避けるため、当院の固定電話以外の携帯電話からお電話をすることもございます。
※イソトレチノインは自費診療となりますが、ご本人確認のため保険証画像等のご提示をお願いしております。
当院では、オンライン診療と直接のご来院どちらでもイソトレチノインの処方を行っております。
治療期間や飲み方について
期間 | 1クール:16~24 週間とし服用開始※個人差があります |
飲み方 | 1日1〜2回(毎日)必ず食後に飲むこと |
1日の服用量 | 10〜20mg(個人によって異なる) |
採血 | 服用開始前、開始1ヶ月後に実施し、副作用の有無を調べる |
注意点 | 飲み忘れた場合でも一度に2回分飲まない |
上記は一例です。症状が良くなれば、早めに治療が終了する場合もあります。
服用量や服用期間には個人差があるため、詳しくは診察時にご確認ください。
料金
アクネトレント
10mg(30錠) | 7,500円(税込8,250円) |
20mg(30錠) | 12,000円(税込13,200円) |
採血検査キット
採血検査キット | 4,400円(税込4,840円) |
イソトレチノインに関するよくある質問
イソトレチノインに関するよくある質問にお答えします。
イソトレチノインはどこで手に入りますか?
イソトレチノインは医師の処方が必要な医薬品です。日本では未承認のため、一部のクリニックで保険適用外(自由診療のため自費)として処方されています。
通院が難しくてもオンライン診療を行っているクリニックもあり、診察を受けたうえで処方が可能です。
イソトレチノインをやめた後、皮脂はどうなる?
通常、イソトレチノインを必要期間服用してやめた場合、3〜5年はニキビが作られにくくなることがわかっています。しかし途中でやめると、徐々に皮脂分泌が元の状態に戻り、ニキビが再発しやすくなる可能性があるでしょう。[3]
イソトレチノインは一般的に4〜6ヶ月の継続服用が推奨されており、決められた期間正しく服用した場合、ニキビの改善効果をより実感しやすくなります。
副作用の影響で治療の継続が難しい場合は無理に続けず、医師に相談しましょう。
イソトレチノインの個人輸入は合法ですか?
イソトレチノインの個人輸入は違法になる可能性が高いでしょう。厚生労働省は、イソトレチノインの個人輸入について「医師の適切な指導のもとに使用されなければ健康被害の恐れがある」と注意喚起しています。[1]
またイソトレチノインに限らず、個人輸入した医薬品には偽物である可能性や異物混入のリスクがあります。
イソトレチノインは医師による処方が必要な医薬品です。副作用や安心して使用するためには、医療機関で処方を受けることが推奨されています。
イソトレチノインはなぜ日本では未承認なのでしょうか?
イソトレチノインは海外ではニキビ治療薬として広く使用されていますが、日本では厚生労働省の承認を受けていないため、未承認薬となっています。
なぜ日本では未承認であるか、現時点では明確に提言されていません。しかし厚生労働省は個人輸入に関する注意喚起において、重篤な副作用(催奇形性や肝機能障害など)のリスクがあることを示しており、服用にあたっては厳格な管理が必要としています。[1]
またアメリカでは、FDAの定める「iPLEDGEプログラム」に基づき、処方や服薬が厳しく管理されています。[4]
イソトレチノインに関する疑問や不安がある方は、医師の診察を受けた上で服用を検討しましょう。
イソトレチノインのオンライン診療を考えている方は渋谷駅前おおしま皮膚科へ相談を
イソトレチノインはニキビの治療や毛穴詰まりの改善に期待できる薬ですが、副作用管理が重要な薬です。
オンライン診療でも処方可能なクリニックはありますが、必ず医師の診察を受け、必要に応じて血液検査を行いながら適切に服用することが求められます。
個人輸入は違法性のリスクや健康被害の可能性が高く、おすすめできません。必ず医療機関にて診察を受けてから、処方してもらいましょう。
渋谷駅前おおしま皮膚科では対面による診察、あるいはオンライン診療を通じてイソトレチノインの処方を行っています。肌の状態や副作用のリスクを慎重に判断し、必要に応じて血液検査を実施しながら安心して治療を継続いただけるようサポートします。
さまざまなケアを試したけれどニキビ肌が良くならない……とお悩みの方は、ぜひ一度渋谷駅前おおしま皮膚科までご相談ください。
イソトレチノインについて
未承認医薬品等 | 日本国内では未承認医薬品に該当 |
入手経路等 | 当院医師の判断のもとPRSS社より購入しています。個人輸入された医薬品等の使用リスクに関する情報はリスクが潜む個人輸入をご確認ください。イソトレチノインの個人輸入についての厚生労働省の注意喚起はこちらのページをご確認ください。 |
国内の承認医薬品等の有無 | なし |
諸外国における安全性等に係る情報 | 服用期間中とその前後1か月間に性行為をする場合は、必ず避妊を行ってください。服用期間中とその後1か月間は妊娠、授乳、献血をしないでください。※妊娠女性への輸血により、胎児にイソトレチノインの影響が生じるおそれがあります。イソトレチノインを、他の人と共用しないでください。 |
参考
[1]アキュテイン(ACCUTANE)(わが国で未承認の難治性ニキビ治療薬)に関する注意喚起について |厚生労働省
[2]Label: ISOTRETINOIN capsule
[3]Face to Face with Oral Isotretinoin – PMC
[4]iPLEDGE/FDA