次世代ボトックス製剤「コアトックス」の効果とは?他製剤との違いまで徹底解説
近年、韓国発の新しいボツリヌス毒素製剤「コアトックス」が美容医療の現場で注目を集めています。従来のボトックス製剤に比べ、高純度で抗体ができにくいとされており「次世代ボトックス」とも呼ばれています。
しかし「コアトックスとは具体的にどのような効果があるのか?」「従来のボトックスと何が違うのか?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事ではコアトックスで期待できる具体的な効果から、効果の持続時間、そして他のボトックス製剤との違いまでを解説します。
コアトックスでの治療を検討中の方や、従来のボトックスで効果が弱まってきたと感じている方は、ぜひ最後までお読みください。
韓国発のボトックス製剤「コアトックス」で期待できる効果とは

コアトックスは他のボツリヌス毒素製剤と同様に、筋肉の過剰な働きを抑えることで以下のような美容効果が期待できます。
- 額・眉間・目尻などのしわ改善効果
- エラ張りの改善による小顔効果
- ガミースマイルの改善効果
- 肩こり改善やふくらはぎ痩身などの効果
それぞれ詳しく解説します。
額・眉間・目尻などのしわ改善効果
コアトックスは、表情筋の過剰な動きによって生じる表情じわをやわらげる目的で使用される製剤です。
韓国では「20〜65歳の成人における、眉間のしわ(皺眉筋・鼻根筋の活動に関連する中等度〜重度のしわ)の一時的な改善」として承認されています。[1]
眉間の深いしわや、笑ったときに目尻から鼻の付け根にかけてできるバニーラインなどの改善に用いられることが多く、自然な表情を保ちながらしわを目立たなくすることが期待できます。
また、コアトックスをはじめとするボツリヌス毒素製剤は、額や目尻などの顔全体の表情じわに幅広く応用されています。[2]
エラ張りの改善による小顔効果
エラ張りの原因の多くは、咬筋(こうきん)と呼ばれる筋肉の発達によるものです。コアトックスを咬筋に注入すると、筋肉の過度な収縮が抑えることでエラ張りが改善します。さらに、エラ張りが改善することでフェイスラインがすっきり見えるため、小顔効果も期待できるでしょう。
コアトックスと同じオナボツリヌス毒素A製剤を用いた臨床試験では、主にアジア人を対象に咬筋の体積および張り具合がプラセボ(偽薬)に比べて有意に減少したと報告されています。
さらに、2回の治療後には、その効果が最大6カ月程度持続したという結果も出ています。[3]
ガミースマイルの改善効果
笑ったときに歯ぐきが大きく見えてしまう「ガミースマイル」は、上唇を引き上げる筋肉の働きが強いことが原因の一つです。
コアトックスをはじめとするボツリヌス毒素製剤をこの筋肉に注入することで、上唇の過剰な引き上げを抑え、歯ぐきの露出を少なくすることが期待できます。
ボツリヌス毒素を用いた研究では、笑った際の歯ぐきの露出が平均3mm程度減少することが確認されました。さらに投与からおよそ2週間で効果があらわれ、最大3カ月程度持続したと報告されています。[4]
コアトックスに限定した臨床試験ではないものの、同様の作用機序から近い効果が見込まれるでしょう。
肩こり改善やふくらはぎ痩身などの効果
コアトックスの効果が期待できる部位は、顔だけではありません。筋肉の緊張をゆるめたり過剰な働きを抑えたりすることで、肩こりの改善やふくらはぎのボリュームダウンなどに役立つとされています。
肩こり改善
慢性的な肩の痛みやこりに対する研究では、ボツリヌス毒素製剤の注射により、対照治療と比べて1〜3カ月間は症状の軽減がみられたとの報告があります。[5]
ふくらはぎ痩身
ふくらはぎの筋肉(腓腹筋)に注射することで筋肉のボリュームを抑え、脚のラインをすっきり見せる効果が期待されます。
コアトックスと同じ有効成分であるオナボツリヌス毒素Aを用いた比較試験では、治療後2週間でふくらはぎの周囲径が有意に減少し、その効果は最大6カ月程度持続したと報告されています。
また注射による筋力の低下はみられず、患者満足度も高い結果が得られました。[6]
コアトックスの効果はいつから?効果が出るまでの期間と持続時間

一般的なA型ボツリヌス毒素製剤は注射後2〜3日ほどで効果があらわれ始め、2〜3週間で最大となります。また持続時間に関して個人差はありますが、おおよそ4〜5カ月ほど効果が続き、時間の経過とともにゆるやかに薄れていきます。[2]
マウスを対象とした研究ではありますが、コアトックスは他の製剤と比べて、繰り返し投与後に効果の持続がより長くなる傾向が示されました。
このことから、ヒトにおいても通常のボツリヌス毒素製剤と同様に数日で効果があらわれ、4〜5カ月、あるいはそれ以上続く可能性があると考えられるでしょう。[7]
コアトックスとは何か?治療における特徴とは

コアトックスは、次世代ボトックス製剤とも言われています。高純度で抗体ができにくく、繰り返し治療でも安定した効果が期待できるためです。
ここでは、コアトックスの基本と次世代ボトックス製剤と言われる理由、治療における特徴について詳しく解説します。
コアトックスとは?次世代ボトックス製剤と言われる理由
通常「ボトックス」という名称は、本来アメリカ・アラガン社のボツリヌス毒素製剤を指します。一方、コアトックスは同じA型ボツリヌス毒素を有効成分とする韓国製のボツリヌス毒素製剤の一つです。
コアトックスの特徴は、従来の製剤に含まれていた複合タンパク質やヒト血清アルブミンを含まない、高純度な構造にあります。A型ボツリヌス毒素の活性部分(150kDa)のみを利用し、動物由来成分を排除して製造されている点が特徴です。[8]
そのため、コアトックスは「次世代ボトックス」と呼ばれ、アレルギーリスクや免疫反応の発生を抑えつつ、より安定した効果が期待できるとされています。
なお、日本ではまだ未承認の製剤ですが、韓国ではMFDS(食品医薬品安全処)によって承認されています。
コアトックスは抗体ができにくく効果が落ちにくい
ボツリヌス毒素製剤を繰り返し使用すると、体内で抗体がつくられ、薬剤が効きにくくなる耐性化が起こることがあります。この抗体形成の一因とされているのが、従来の製剤に含まれる複合タンパク質です。
コアトックスは、この複合タンパク質を含まない純粋なA型ボツリヌス毒素製剤であるため、抗体ができにくいと考えられています。
実際に、同じく複合タンパク質を含まない製剤であるゼオミン(Xeomin)では、10年以上の臨床データにおいて抗体形成の報告がほとんどなく、安全性が確認されています。[9]
これらのことからコアトックスも効果が落ちにくく、長期的な治療に向いている製剤であると考えられるでしょう。
他のボトックス製剤との違い

コアトックスと世界的に使用実績のあるアラガン社の「ボトックス」、同じく複合タンパク質を含まない「ゼオミン」、そして韓国発の「ニューロノクス」との主な違いをまとめました。
成分構成や製造方法の違いによって、抗体形成リスクや安全性の考え方にも差が見られます。
コアトックスと他のボトックス製剤との違い[1][8]
| 製品名 | 製造国・会社 | アルブミン | 複合タンパク質 | 特徴 |
| コアトックス (Coretox) | 韓国(Medytox) | 含まない(ヒト血清アルブミンなし) | 含まない | ヒト血清アルブミン・動物由来成分不使用高純度150kDa毒素のみ耐性が付きにくい |
| ボトックス (Botox) | 米国(Allergan/AbbVie) | 含む(安定化にヒト血清アルブミン使用) | 含む | 世界中で実績が豊富 |
| ゼオミン (Xeomin) | ドイツ(Merz社) | 含む(安定化にヒト血清アルブミン使用) | 含まない | ニューロトキシン150kDaのみ精製度が高く抗体形成リスクが低い |
| ニューロノクス (Neuronox) | 韓国(MediTox/Daewoong社) | 含む(安定化にヒト血清アルブミン使用) | 含む | 韓国発のボツリヌス毒素製剤 |
コアトックスが向いている人

ボツリヌス毒素製剤にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。その中でもコアトックスは耐性がつきにくく、純度が高い構造を持つ点が特長です。こうした性質から、次のような方に向いていると考えられます。
- ボトックスの効果が落ちてきたと感じる方
- 長期的に継続治療を検討している方
- 韓国製の高純度ボトックス製剤に関心がある方
過去にボトックス治療を繰り返すうちに効果が弱まった場合、抗体による耐性化が起きている可能性があります。コアトックスやゼオミンのような無複合タンパク製剤は抗体ができにくく、繰り返し治療を行っても効果が持続しやすいとされています。
長期的に治療を継続したい方にも向いている製剤といえるでしょう。さらにヒト血清アルブミンや動物由来成分を含まない高純度製剤であるため、安全性の高い新しいボツリヌス毒素製剤を試したい方におすすめです。
ただし、施術の可否や用量は医師の判断によります。また、効果のあらわれ方や持続期間には個人差があります。
副作用・リスクと注意点

コアトックスの主な副作用は以下のとおりです。
- 注射部位の赤み
- 腫れ
- 内出血
これらは一時的なもので、通常は数日で自然に改善します。また、施術後しばらくは注入部位に軽い突っ張り感や違和感を覚えることもありますが、ほとんどの場合、次第に落ち着きます。
実際に行われた試験では、コアトックスと従来のA型ボツリヌス毒素製剤(インコボツリヌムトキシンA)との間で、14日・30日・90日時点の効果や安全性に有意差は認められませんでした。このことから、コアトックスは既存製剤と同等の安全性と有効性を持つと考えられます。[8]
ただし、妊娠中・授乳中の方は施術を控える必要があります。また、持病や服用中の薬によっては施術を避けたほうが良い場合もあるため、持病や併用薬がある方は必ず事前に医師へ相談しましょう。
当院におけるコアトックス治療の特徴と治療の流れ
当院におけるコアトックス治療の特徴と、治療の流れについて紹介します。
当院のコアトックス治療の特徴
当院では、症例経験豊富な日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医・指導医が、責任を持って治療を行っています。また、極細針の使用やクーリングを併用することで、ボトックス注射時の痛みをできるだけ抑える工夫をしています。コアトックスやアラガンは、施術後すぐにメイクが可能です。
当院は渋谷駅から徒歩1分とアクセスも良好で、お昼休みや仕事帰りといったお忙しい時間にも、お気軽に立ち寄りやすい環境です。利便性の高さだけでなく、患者さま一人ひとりの症状やご要望を丁寧にヒアリングし、個人に合った治療プランをご提案しています。
治療の流れ
当院では、コアトックスをはじめとするボトックス注射を以下の流れで行っています。
- ヒアリング・診察:診察室にて医師が気になる部位のヒアリングをします。しわや筋肉の状態を診察し、製剤や注入部位を決定します。
- 施術:極細針の使用・クーリングを併用し、注入角度や深さを考慮のうえ丁寧に行います。
- 施術後:止血を確認後、化粧が可能です。
- アフターケアの説明:副作用や注意点、今後の経過についてご案内します。
実際の施術時間は5〜10分程度で終了し、後日通院する必要はありません。
コアトックスの費用について
コアトックス治療は保険適用のない自由診療です。部位別の費用は以下のとおりです。
| 部位 | 価格 |
| 眉間 | ¥11,800(税込¥12,980) |
| 目尻 | ¥11,800(税込¥12,980) |
| 額 | ¥14,800(税込¥16,280) |
| 鼻根部(バニーライン) | ¥6,800(税込¥7,480) |
| 人中短縮 | ¥8,800(税込¥9,680) |
| 小顔・歯ぎしり(50U) | ¥23,800(税込¥26,180) |
| ガミースマイル修正 | ¥6,800(税込¥7,480) |
| 口角上げ | ¥6,800(税込¥7,480) |
| 梅干し | ¥5,800(税込¥6,380) |
| 多汗症ボトックス(ワキ) | ¥24,000(税込¥26,400) |
| 多汗症ボトックス(両手) | ¥53,800(税込¥59,180) |
| ふくらはぎやせボトックス | ¥23,800(税込¥26,180) |
| 肩こりボトックス(両側) | ¥29,800(税込¥32,780) |
コアトックスに関するよくある質問

コアトックス治療をご検討中の方から多く寄せられる質問をまとめました。
効果が出るまでどのくらいかかりますか?
一般的なA型ボツリヌス毒素製剤は注射後2〜3日ほどで効果があらわれ始め、2〜3週間で最大となります。コアトックスも同様に数日で効果が感じられるようになると考えられます。[2][7]
コアトックスとボトックスの違いは何ですか?
どちらもA型ボツリヌス毒素製剤ですが、コアトックスは複合タンパク質やヒト血清アルブミンを含まない高純度製剤であることが特徴です。抗体ができにくく、効果が落ちにくいと考えられています。[8]
コアトックスとアラガンの違いは何ですか?
アラガンとは、世界的に使用実績のあるボツリヌス毒素製剤「ボトックス」を販売している会社です。一方で、コアトックスは韓国で承認され、メディトックス社が販売している製剤です。どちらもA型ボツリヌス毒素製剤ですが、構成成分や精製方法に違いがあります。
コアトックスは何カ月おきに打ちますか?
効果は4〜5カ月ほど持続しますが、部位や体質によって個人差があります。継続して治療を希望される場合は、医師と相談のうえ再治療のタイミングを決めるとよいでしょう。[2][7]
ボトックス治療が気になる方は渋谷駅前おおしま皮膚科まで相談を
コアトックスは目元のしわだけでなく、エラ張りやガミースマイル、ふくらはぎや肩こりなどに幅広く対応できる韓国製の次世代ボトックス製剤と言われています。
従来のボツリヌス毒素製剤に含まれていた複合タンパク質やヒト血清アルブミンを含まず、高純度であることが特徴です。抗体ができにくく、繰り返し治療を行っても効果が持続しやすいとされています。
当院では症例経験豊富な日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医・指導医が、責任を持って治療を行っています。「表情じわをやわらげたい」「すっきりとしたフェイスラインを目指したい」など、ボトックス治療に興味ある方、次世代のボトックス製剤が気になるという方は、ぜひ一度渋谷駅前おおしま皮膚科へお気軽にご相談ください。
未承認医薬品の表示
| 未承認医薬品等の使用について | 本施術に使用するコアトックスは、日本国内で医薬品医療機器等法に基づく承認を受けていない未承認医薬品です。 |
| 入手経路の明示 | 当院では、韓国のMedytox社で製造された製剤を医師が個人輸入により取り寄せています。 |
| 国内承認医薬品の有無 | 同一の成分・性能を有する、他の国内承認医薬品等はありません。 |
| 海外における安全性等の情報 | コアトックスは韓国の医薬品規制機関であるMFDSにより認可されており、その有効性および安全性が認められています。 |
参考
[8]Efficacy and Safety of a New Botulinum Toxin Type A Free of Complexing Proteins

