【皮膚科医監修】正しいニキビの治し方とおすすめ治療法を解説
「ニキビが治らなくて気が滅入る…」
「本当に悩んでいてストレスを感じている…」
実は、間違ったケアがニキビをさらに悪化させることもあります。
正しいセルフケアと皮膚科医による治療が、ニキビのお悩みを解決するポイントです。
ここでは、ニキビの治し方とおすすめの治療法を詳しく解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
ニキビの治し方
ニキビの治し方には、主にセルフケアとクリニックでの治療の2つがあります。
セルフケアでは肌を清潔に保ち、保湿を十分に行うことが重要です。
一方、セルフケアだけでは改善が見られない場合や重症のニキビには、皮膚科専門医による治療が必要です。
クリニックでは保険適用の外用薬や内服薬による治療に加え、ケミカルピーリングやレーザー治療などの選択肢もあります。
自分に合った方法を見つけるためにまずは皮膚科を受診し、医師と相談してみてください。
ニキビを悪化させる4つの間違ったセルフケア 1)
ここでは、ニキビを悪化させる間違ったセルフケアについて解説します。
1.ニキビを潰す・膿を出す
ニキビを潰したり、膿を無理に出そうとしたりするのは避けましょう。
炎症が悪化し、ニキビ跡や色素沈着のリスクが高まります。
細菌が周囲に広がることで炎症がさらに悪化し、肌を傷つけることでニキビ跡が残りやすくなります。
ニキビができても決して潰さないことが重要です。
2.ニキビを放置する
ニキビが治るまで放置するのは、得策ではありません。
放置することでアクネ菌や皮脂の蓄積を招き、ニキビの悪化やニキビ跡が残りやすくなる原因になる場合もあります。
また、ニキビの炎症が深部に及ぶと治療が難しくなることもあります。
ニキビができたら早めに皮膚科を受診し、医師の指示に従って適切にケアすることが大切です。
3.肌に摩擦を与えるケア
ふき取りが必要な化粧品やスクラブ入りの洗顔料は、肌に摩擦を与えニキビを悪化させる可能性があります。
肌を擦ることで角質層が傷つきバリア機能が低下し、細菌が侵入しやすくなるため、炎症が悪化する恐れも。
泡立ちのよい肌に優しい洗浄料を使い、指の腹で優しく洗うようにしましょう。
4.過剰に洗顔する
ニキビができると皮脂が原因だと考え、頻繁に洗顔する人もいます。
しかし、過剰な洗顔は皮脂を取り過ぎてしまうため、肌の乾燥を引き起こします。
肌が乾燥するとバリア機能が低下し、外的刺激から肌を守れなくなります。
結果的に炎症を起こしやすくなりニキビが悪化するため、注意が必要です。
洗顔は1日2回が推奨されています。
ニキビを治す4つの正しいセルフケア 2)
ここでは、ニキビを効果的に治すための正しいセルフケア方法を紹介します。
1.肌を清潔に保つ
ニキビケアの基本は、肌を清潔に保つことです。
1日2回適切に洗顔し、清潔なタオルを使用しましょう。
洗顔料は、低刺激性のものを選ぶことがポイントです。
また、寝具を定期的に交換したり、メイク道具を清潔に管理したりすることも大切です。
肌への雑菌の付着を防ぎ、ニキビの改善につながります。
2.保湿する
ニキビができている肌でも、しっかりと保湿することが大切です。
肌の表面は油っぽく見えても、内部は水分不足になっていることがあります。
肌の乾燥によりさらに皮脂分泌が促進され、ニキビが悪化する悪循環に陥りやすくなります。
肌のバリア機能を維持し刺激から肌を守るためには、低刺激性の保湿剤を選んで肌の水分量を保持することが重要です。
3.生活習慣を見直す
健康的な生活習慣も、ニキビを治すために欠かせません。
不規則な生活習慣やストレスはホルモンバランスを乱し、ニキビを悪化させる要因になります。
規則正しい生活リズムを心がけ、十分な睡眠をとりましょう。
米や小麦などの炭水化物、肉や魚、卵や大豆製品などのたんぱく質、野菜や海藻類などを取り入れたバランスの良い食事を心がけることや、ウォーキングや軽いランニングや筋トレなどの適度な運動を取り入れることも大切です。
内側から健康的な体を作ることが、ニキビの改善をサポートします。
4.市販の治療薬を使う
ニキビの治療薬には、薬局などで購入できる以下のような市販薬もあります。
- サリチル酸:角質を柔らかくし、角質を剥がし毛穴の詰まりを取り除く
- イブプロフェンピコノ―ル:炎症や赤みを抑える
- ベンゼトニウム塩化物:アクネ菌を殺菌する
ただし、使用する際は説明書をよく読み、正しい方法で使用することが大切です。
正しいセルフケアを実践してもなかなか治らないニキビは、放置すると悪化する場合もあります。
悪化する前に専門医による診察を受けましょう。
ニキビの状態に合わせた適切なケアが、健康的な肌を取り戻すポイントといえます。
おおしま皮膚科クリニックで行っているニキビ治療
おおしま皮膚科クリニックでは、セルフケアだけでは改善が見られない重症のニキビや、美しい肌を目指す方への治療を行っています。
来院時に現在の症状や治療への希望を問診表に記載していただき、診察で経緯をヒアリングいたします。
公的保険が適用される治療と自費診療があるため、それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.保険適用の治療
一般皮膚科ではおもに外用薬を用いて治療します。外用薬の種類は、以下のとおりです。
- アダパレン(ディフェリンゲル、エピデュオゲル):毛穴のつまりを改善する
- 過酸化ベンゾイル(ベピオゲル、デュアック配合ゲル、エピデュオゲル):毛穴のつまりを改善し皮脂の分泌を抑えアクネ菌の増殖を抑える
- 抗菌薬(ダラシン、アクアチム、デュアック配合ゲル、ゼビアックスローション):ニキビ菌を減少させ炎症を抑える
- 内服薬(抗生物質、漢方薬、ビタミン剤):アクネ菌や黄色ブドウ球菌を抑制、ニキビができにくいように体質を改善
薬剤 | 効能・効果 |
アダパレン(ディフェリンゲル、エピデュオゲル) | 毛穴のつまりを改善する |
過酸化ベンゾイル(ベピオゲル、デュアック配合ゲル、エピデュオゲル) | 毛穴のつまりを改善し、皮脂の分泌を抑え、アクネ菌の増殖を抑える |
抗菌薬(ダラシン、アクアチム、デュアック配合ゲル、ゼビアックスローション) | ニキビ菌を減少させ、炎症を抑える |
内服薬(抗生物質、漢方薬、ビタミン剤) | アクネ菌や黄色ブドウ球菌を抑制、ニキビができにくいよう体質を改善 |
当院ではニキビに応じて以下のように薬剤を使い分けます。
外用薬は、正しい使い方と量が重要です。
使用法によって効果が大きく変わることがあります。
当院では、ニキビの状態を確認し患者さんに合った薬の処方と使い方・量の説明を行っています。
2.自費診療の治療
当院では保険診療を主体としていますが、保険診療で効果が感じられない場合や、ニキビを治してより美しい肌を目指したいという場合は、自費診療の併用もおすすめしています。
ケミカルピーリング
ケミカルピーリングは酸などの薬剤を用いて角質や表皮を化学的に溶かし、ニキビの改善 を図る治療法です。
以下のような種類があります。
- サリチル酸マクロゴールピーリング
- グリコール酸ピーリング
- 乳酸ピーリング
肌の状態や症状に合わせ、適切に選択することが重要です。
<回数・期間>
効果を実感できる目安は、3〜5回程度です。
1回でも効果を実感できる場合もありますが、肌の状態によって個人差があります。
<費用>
ケミカルピーリングは、公的保険が適用されない自由診療です。
1回あたりの費用は、約5,000〜7,000円が目安となります。
<副作用・リスク>
・赤み、乾燥、肌荒れ、ヒリヒリ感、かさぶた、水泡、皮剥けなど
<未承認医薬品等>
ケミカルピーリングは医薬品医療機器等法上において未承認医薬機器または医薬品です。
内服薬
イソトレチノインは、難治性のニキビや繰り返しできるニキビに使用されます。
ビタミンA誘導体であるレチノイドが主成分です。
皮脂分泌を抑制する働きや抗炎症作用、ニキビの赤みをやわらげる効果が期待できます。
ただし、副作用もあるため、内服を希望する場合は医師とよく相談しましょう。
おおしま皮膚科では、副作用の兆候を早期発見し予防するために、定期的な採血を行っています。
採血の実施はイソトレチノイン服用前後と、その後3ヶ月に1回です。
個人輸入ではこの採血が難しいため、病院による処方が安全です。
イソトレチノインは医師や薬剤師など専門家による厳密な指導の下でのみ使用される必要があるため、厚生労働省はインターネットや個人輸入により入手しないよう、注意喚起を行っています。3)
<回数・期間>
効果が実感できる目安は1日1回で服用した場合、4〜6ヶ月です。
ただし、効果を実感するタイミングには個人差があります。
<費用>
イソトレチノインは、公的医療保険が適用されない自由診療です。
イソトレチノイン(アクネトレント)10mg (30日分) | 8,250円(税込) |
イソトレチノイン(アクネトレント)20mg (30日分) | 13,400円(税込) |
<副作用・リスク>
- 妊婦への影響:胎児の先天異常、奇形、流産、早産、死産
- 皮膚症状:治療初期にニキビの一過性増悪(かゆみ、赤みなど)、唇や口の乾燥、鼻の粘 膜への影響(鼻血など)、眼や皮膚の乾燥、脱毛
- 精神神経系:うつ病、精神病(幻覚、幻聴)、自傷行為などの重大な精神疾患
- 器官障害:肝疾患、腸疾患、筋骨格症状、聴覚障害(聞こえにくさ、耳鳴りなど)、視覚 障害(角膜混濁、夜間視力低下など)
- その他:めまい、頭痛、嘔気、嘔吐、倦怠感、疲労感など
<禁忌>
- 妊娠中の方、妊娠の予定がある方、妊娠の可能性がある方
- 授乳中の方
- 女性は15歳未満の方、男性は18歳未満の方
- 成長期で身長が伸びている方
- テトラサイクリン系の抗生物質を服用している方
- うつ病の方
- 肝障害がある方
- 中性脂肪やコレステロール値が高い方
- ビタミンA過剰症の方
- 過去にイソトレチノインで激しいアレルギー症状を起こした方
<未承認医薬品等>
・イソトレチノインは医薬品医療機器等法上において未承認医薬機器または医薬品です。
レーザー治療
レーザーを照射することでニキビの炎症を抑え、赤みや色素沈着の改善が期待できます。
また、肌のターンオーバーを促進し、ニキビの改善をサポートします。
おおしま皮膚科クリニックで行っているレーザー治療は、以下のとおりです。
- Vビームプリマレーザー
- レーザーフェイシャル
- ピコウェイレーザー
- フラクショナルレーザー
- オムニラックス
<回数・期間>
赤ニキビやニキビ跡の赤みの場合、5回以上が目安です。
<費用>
ここでは、Vビームレーザーの費用詳細を紹介します。
Vビームレーザーは、公的保険が適用されない自由診療です。
ただし、毛細血管拡張症(あから顔)など一部保険適用になる場合もあります。
Vビームフェイシャル250ショット 全顔(看護師打ち)※頬部のみ250ショットも可 | 9,900円(税込) |
全顔(医師打ち) | 33,000円(税込) |
頬(医師打ち) | 13,200円(税込) |
<副作用・リスク>
・腫れ、赤み・痛み、内出血(紫斑)、水疱・かさぶた、炎症後色素沈着など
ニキビを治すなら渋谷駅前おおしま皮膚科へ
渋谷駅前おおしま皮膚科は、ニキビ治療の経験豊富な皮膚科専門医が一人ひとりのお肌の状態に合わせた治療プランを提案いたします。
当院のニキビ治療は外用薬や内服薬による保険診療を基本とし、必要に応じ自費診療を組 み合わせニキビを改善へと導きます。
ニキビがなかなか治らず悩んでいる方は、ぜひお気軽にご相談ください。
1)https://www.ibmd.jp/zasou/qa.html
2)https://www.jstage.jst.go.jp/article/koshohin/40/1/40_12/_pdf/-char/ja
3)https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kojinyunyu/050609-1b.html