フォシーガとはどんな薬?ダイエット効果と痩せる理由について解説

「フォシーガってどんな薬?」「痩せると聞いたけれど、本当に効果がある?」と気になっている方もいるかもしれません。

フォシーガは糖尿病の治療に使用されている薬です。体重減少効果があるため、ダイエットにも使用されています。

しかし、フォシーガの副作用や注意点について理解していないと、思うような効果が得られない可能性もあるでしょう。

この記事では、フォシーガのダイエット効果と痩せる理由だけでなく、ダイエットに使用される他の薬との違いについても解説しています。

記事を読めば、フォシーガによって痩せるメカニズムや、使用するときの注意点がわかり、ダイエットへの不安が軽減できるでしょう。フォシーガダイエットについて気になっている方はぜひ最後まで読み、参考にしてくださいね。

フォシーガとは?

フォシーガ(成分名:ダパグリフロジン)とは、糖尿病の治療に使われる薬の一つです。

複数ある糖尿病治療薬の中でも「SGLT2(エス・ジー・エル・ティー・ツー)阻害薬」に分類されています。

SGLT2阻害薬は、尿と一緒に体の中の余分な糖を排出して血糖値を下げる薬です。糖尿病だけでなく、心臓や腎臓にも良い効果があることがわかっており、慢性心不全や慢性腎臓病にも使われています。[1]

フォシーガのダイエット効果

フォシーガには血糖値の改善だけでなく、体重減少効果があることがわかっています。

余分な糖(ブドウ糖)を尿と一緒に体の外に出すため、糖質制限ダイエットに近い働きをしていると考えられます。

メーカーの試験では、24週間で偽薬と比べて体重が約2〜3kg減少したという報告もあります。[1][2]    

フォシーガで痩せる理由

フォシーガで痩せる理由は以下の2つです。

  • 尿に余分な糖を出してカロリー消費
  • 脂肪の利用亢進

それぞれ詳しく解説します。

尿に余分な糖を出してカロリー消失

フォシーガを飲むと1日約85gのブドウ糖(約340キロカロリー)を尿と一緒に体の外へ排出してくれます。これは、白米だとご飯茶碗1〜2膳分のカロリーです。[1][2]

フォシーガを飲むことでカロリーが消失するため、糖質制限に近いダイエットとして効果が期待されています。

脂肪の利用亢進

フォシーガには、体にためている脂肪の利用を亢進する作用があります。尿に余分な糖を出すことで、エネルギー源として脂肪を利用しやすくします。[1]

フォシーガは体重減少だけでなく、脂肪をため込みにくくする効果が期待できるでしょう。

フォシーガと他のダイエット薬との違い

フォシーガは糖を尿と一緒に排出してカロリーを抑えることで体重が減りますが、他のダイエット薬ではメカニズムが違います。

フォシーガと他のダイエット薬との違いについて解説します。

GLP-1との違い

オゼンピックやリベルサスなどのGLP-1製剤は、GLP-1というホルモンを利用した薬です。

飲み薬もありますが、ほとんどが注射製剤です。

GLP-1は食欲を抑えたり満腹感を長く保ったりする効果があるため体重が落ちやすく、ダイエットに使用されています。

メトホルミンとの違い

メトホルミンは、肝臓で糖が作られるのを抑えたり筋肉での糖利用を促したりして効果を発揮する薬です。[3]

小腸で糖の吸収を抑える作用や、GLP-1の分泌を促す効果も報告されています。そのため食欲抑制や満腹感の持続など、GLP-1製剤と同じような効果も期待できるでしょう。[4]

他のSGLT2阻害薬との違い

SGLT2阻害薬は、糖尿病治療薬としてフォシーガの他に5種類が発売されています。それぞれの違いは、効果が持続する時間や副作用の出方です。

ダイエットに使用するときは、特に血糖値が下がりすぎてしまう低血糖症状に注意が必要です。

当院では、SGLT2阻害薬の中でも低血糖の副作用が比較的少ないと言われる、フォシーガを採用しています。

薬名メカニズム形態主な副作用
フォシーガ糖を尿と一緒に排出してカロリーを抑える飲み薬低血糖の副作用が比較的少ない
GLP-1製剤 (オゼンピック, リベルサス)GLP-1ホルモンを利用して食欲を抑えたり満腹感を長く保ったりする主に注射製剤、一部飲み薬注射部位の反応、胃腸症状
メトホルミン肝臓での糖生成を抑え、筋肉での糖利用を促す。小腸での糖吸収抑制とGLP-1の分泌促進もある飲み薬胃腸症状
他のSGLT2阻害薬糖尿病治療薬として使用。効果の持続時間や副作用の出方が異なる飲み薬低血糖症状に注意が必要

フォシーガの効果はいつから?

フォシーガによる糖の排出作用は、飲んだその日から効果があると言えるでしょう。個人差はありますが、飲んでから8〜12時間で血液中の濃度が低くなっていき、効果が落ち始めます。また持続的に余分な糖は排出されますが、約24時間で効果が消えていきます。[1]

メーカーが行った試験によると、フォシーガを飲んだ場合と偽薬(プラセボ)を飲んだ場合では24週間後に約2〜3kgの体重が有意に減少しました。[2]

フォシーガの料金

5mg 30錠      ¥7,800(税込¥8,580)

オンラインでご購入の場合

診察料 ¥1,000(税込¥1,100)
郵送料(フォシーガのみご購入)¥1,000(税込¥1,100)

直接ご来院の場合

診察料        ¥1,000(税込¥1,100)

フォシーガの副作用や注意点

フォシーガを飲む際に注意したい副作用は以下のとおりです。

フォシーガのおもな副作用 [1] [5]

おもな副作用補足症状など
低血糖症状フォシーガでは比較的起きにくいが、他の薬と併用するなら特に注意が必要手足のふるえ、冷や汗、 顔が蒼白い、動悸 、疲れやすい、不安感など
脱水、頻尿、口渇、便秘、血圧低下尿量が増えて体の中の水分が減ることで起こるのどが渇く、めまいがする、疲れやすい、食事がとれないなど
膀胱炎などの尿路感染症、膣カンジダ症などの性器感染症糖が尿に出るため、感染しやすい排尿時の痛み、 陰部のかゆみ・痛み 、トイレが近い など

ケトアシドーシス
過度な糖質制限、飲酒、過度な運動、熱がある、下痢・おう吐などがあるときは特に注意悪心・おう吐、食欲減退、腹痛、過度な口渇、倦怠感、呼吸困難、意識障害など

フォシーガでは、腟カンジダ症や膀胱炎などの感染症が比較的多く報告されています。尿中の糖が多くなると、病原菌が繁殖しやすくなるためです。トイレは我慢せず、排尿・排便の後は清潔を保つようにしましょう。

表にあるような、低血糖の症状があらわれた場合は、糖質を含む食品や砂糖をすぐにとりましょう。ラムネや糖分の多いジュースなどがおすすめです。

体調がいつもと違うと感じたり、気になる症状があったりするときは必ず医師に相談するようにしてください。

フォシーガに関するよくある質問

フォシーガに関するよくある質問にお答えします。

Q. フォシーガで痩せますか?

フォシーガでは体重が減少するため、痩せる薬としてダイエットに使用されています。

Q. フォシーガの飲み方は?

フォシーガは1日1回朝に飲みましょう

食事に関係なくお飲みいただけます。飲み忘れた場合は、一度に2回分を飲まないようにしてください。

Q. 他のダイエット薬と一緒に飲んでもいいですか?

フォシーガとメトホルミンの併用は推奨しておりません。

オゼンピックなどのGLP-1製剤は一緒に飲めますが、低血糖症状には十分注意が必要です。

フォシーガでのダイエットが気になる方はおおしま皮膚科へ相談を

フォシーガは、余分な糖を尿と一緒に体の外へ排出する薬です。

糖質制限ダイエットと同じような効果が期待でき、カロリーに換算すると、1日約340キロカロリーを排出していることになります。また、体にためている脂肪の利用も促すため、脂肪をためこみにくくなります。

比較的副作用が起きにくいと言われているフォシーガですが、感染症や低血糖には注意が必要です。尿量が増えるため、夏場は特に脱水症状にも注意しましょう。

フォシーガは薬であるため、副作用やリスクについて理解していないと十分な効果が得られない可能性もあります。医療機関で診察を受け、医師と相談しながら利用しましょう。

「フォシーガダイエットを試してみたい」「始めたいけど悩んでいる」など、フォシーガが気になっている方は、渋谷駅前おおしま皮膚科へぜひお気軽にご相談ください。

「フォシーガについて」

未承認医薬品等

フォシーガは医薬品医療機器等法において、1型・2型糖尿病、慢性腎臓病、慢性心不全の効能・効果で承認されています。
しかし当院で行っている肥満治療目的の使用については国内で承認されていません。

入手経路等

国内の医薬品卸業者より仕入れています。
個人輸入された医薬品等の使用リスクに関する情報はリスクが潜む個人輸入をご確認ください。
個人輸入についての厚生労働省の注意喚起はこちらのページをご確認ください。

国内の承認医薬品等の有無

ダパグリフロジンを一般名とする医薬品は国内では糖尿病、慢性腎臓病、慢性心不全の効能・効果で承認されておりますが、承認されている効能・効果及び用法・用量と当院での使用目的・方法は異なります。

諸外国における安全性等に係る情報

なし

参考

[1]フォシーガ錠5mg/10mg インタビューフォーム  
[2]ご飯のカロリーはどのくらいありますか。:農林水産省
[3]日本薬局方 メトホルミン塩酸塩錠/添付文書
[4]Metformin: Mechanisms in Human Obesity and Weight Loss – PMC
[5]フォシーガを服用される方・ご家族の方へ/RMP資