【GLP-1ダイエット】マンジャロの効果はいつ頃から出る?どんな人におすすめか解説

ダイエットに苦戦し、さまざまな方法を試しても結果が出ないという方は少なくありません。そんな中、注目を集めているのがマンジャロというGLP-1受容体作動薬です。

特に、食事制限や運動療法だけでは効果が不十分な方にとって、理想的な選択肢となる可能性があります。

ここでは、マンジャロと他の薬との違いや効果が現れるタイミング、どのような人におすすめなのか、主な効果や副作用などについて詳しく解説します。

マンジャロとは?他の薬との違いも解説

まずは、マンジャロとは何か、他の薬との違いについて見ていきましょう。

1.マンジャロとは?

マンジャロは、2型糖尿病治療薬として2023年4月に発売された新薬です。GIP/GLP-1受容体作動薬というGIP(糖依存性インスリン分泌ポリペプチド)とGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)の受容体を同時に刺激します。

週1回の皮下注射として使用し、2つのホルモン作用を模倣して血糖値を下げます。

2.他の薬との違い

マンジャロは、従来のGLP-1受容体作動薬と比較して、より強力な血糖降下作用と体重減少効果があることが特徴です。欧米人を対象とした臨床試験では、既存のGLP-1受容体作動薬であるオゼンピックよりも優れた体重減少効果が示されました。[1]

また、他の糖尿病治療薬と比べて低血糖のリスクが比較的低いとされています。ただし、スルホニルウレア剤やインスリン製剤との併用は低血糖のリスクが増加するため、マンジャロとの併用は推奨しておりません。医師の指導のもと適切に使用することが重要です。

マンジャロの効果が出るタイミング

マンジャロの効果は個人差がありますが、一般的に以下のようなタイミングで現れる傾向があります。

1.初期の変化

初期の変化としては、投与開始後数週間以内に食欲の減少や満腹感の増加を感じ始める方が多いです。たとえば、昼食後に間食したくなる衝動が減ってくるなど食欲が自然に減少し、初期段階で体重減少の兆候が見られることがあります。[2] 

血糖値の改善も比較的早く、1〜2週間程度で効果が現れ始める可能性があります。

2.長期的な変化

体重減少効果は通常3〜6ヶ月かけて徐々に現れます。臨床試験では、6ヶ月後に平均7〜11kg程度の減量が報告されています。[3]

血糖コントロールの改善も継続的に進み、過去2〜3か月間の平均血糖値を示す指標であるHbA1c値の顕著な低下が3〜6ヶ月後に確認されることが多いです。

ただし、効果の現れ方には個人差があり、バランスのとれた食事など生活習慣の改善と併せて継続的に服用することが重要です。医師の指示に従い定期的な経過観察を受けることで、より効果的な治療が期待できます。

マンジャロはこんな人におすすめ

マンジャロは、以下のような方に適している可能性があります。

1.食事制限や運動療法だけでは効果が不十分な人

生活習慣の改善だけでは十分な効果が得られない方に適していると考えられています。マンジャロには強い食欲抑制効果があり、満腹感が増加することで食事量を自然に減少させることが可能だからです。

持続的な体重管理が期待できるため、食事や運動だけでは体重が減らない方や、ダイエットに挫折した経験がある方におすすめです。

2.糖尿病と肥満を同時に抱えている人

マンジャロは血糖値の改善と体重減少の両方に効果があります。たとえば、HbA1c値が高い状態が続いている2型糖尿病の方や、インスリン治療で体重が増加している方に適しています。

ただし、糖尿病の方は必ず主治医の指示に従ってください。自己判断で治療を始めたり、他の薬と併用することは避けましょう。マンジャロに限らず、GLP-1の使用にあたっては、必ず主治医に相談し、適切な処方を受けるようにしてください。

3.より強力な血糖コントロールを必要とする人

他のGLP-1受容体作動薬と比較して、マンジャロはより強力な血糖降下作用があります。特に、HbA1cの改善が不十分な方にも効果が期待できます。

ただし、低血糖のリスクがあるため、マンジャロの使用にあたっては必ず主治医に相談してください。医師の指示と指導のもとで、適切に使用することが不可欠です。

マンジャロの主な効果

1.体重が減少する

マンジャロの顕著な効果のひとつが、体重減少です。体重減少の程度は、マンジャロが高用量ほど効果が大きくなる傾向があります。たとえば、5mgで平均7.6kg、10mgで9.3kg、15mgで11.2kgの減量効果が確認されています。[4]

2. 食欲が抑えられる

マンジャロの体重減少効果は、主に強力な食欲抑制作用によるものです。マンジャロは食事後に満腹感を長時間維持する効果があるため、食事量が減少し総カロリー摂取量を減らせる可能性があります。

間食や過食の頻度が自然に減るため、ダイエットが容易になるでしょう。また、胃の内容物の排出を遅らせる作用があるため満腹感が持続し、食欲を抑える効果があります。

3.代謝が改善する

マンジャロは、体全体の代謝を改善する効果があります。脂肪細胞にはエネルギーを貯蔵する働きと、エネルギーを使用し熱を作り出す働きがあります。マンジャロは熱を作り出す働きを促進し、基礎代謝を向上させるため、結果的に太りにくい体質に近づけるのです。

ただし、効果の現れ方には個人差があり、生活習慣の改善と併せて継続的に使用することが重要です。また、医師の診断と指導のもとで適切に使用することが不可欠です。

マンジャロの使用における注意点・副作用・リスク

マンジャロの使用には、気をつけたい注意点や副作用・リスクがあります。

1.注意点

当院では、マンジャロはBMI23以上の患者さまにのみ処方しています。減量目的で使用する場合、ピル(経口避妊薬)ワーファリンとの併用は推奨しません。(禁忌ではありませんが、併用することでピル・ワーファリンの効果が下がります)

特に、糖尿病治療薬との併用時は低血糖のリスクがあるため、必ず医師の指示に従って使用してください。

2.副作用・リスク

最も一般的な副作用は、以下のような消化器症状です。通常は時間とともに改善しますが、症状が持続する場合は医師に相談してください。

  • 吐き気や嘔吐
  • 下痢・便秘
  • 腹痛など

他に、可能性がある副作用としては、以下のとおりです。

  • 急性膵炎
  • 食欲減退
  • 浮動性めまい
  • 糖尿病網膜症
  • 味覚異常など

また、重度の胃腸障害 (胃潰瘍、炎症性腸疾患など)、膵炎や甲状腺疾患の既往、低血糖を起こす可能性が高い方、糖尿病、妊娠中または 2か月以内に妊娠を予定している方、授乳中の方は服用できません。

マンジャロの正しい使い方

マンジャロは、週1回の皮下注射として使用します。使い捨てのため、自分で薬液の量を調節したり、針をつけたりする必要はありません。ただし、清潔操作や注射部位の選択など重要なポイントがあるため、スタッフが丁寧に説明します。

皮下注射を行う際には、注射部位の清潔を保つことが非常に重要です。手洗いとアルコール綿での消毒を徹底し、感染リスクを抑えましょう。

注射部位は腹部・太もも、または上腕の外側が推奨されます。注射部位は毎回異なる場所に変えることで、皮膚の損傷や硬結を防ぎます。初回は2.5mg を週に1 回、4週間使用します。4週間後に維持量の5.0mg を継続してください。

マンジャロの価格

マンジャロは、公的保険が適用されない自由診療です。直接来院される場合は、診察料が別途1,100円(税込)かかります。

マンジャロ 2.5mg(1ヶ月分:週1回注射)23,100円(税込)
マンジャロ 5mg(1ヶ月分:週1回注射)41,800円(税込)

マンジャロについてのよくあるQ&A

Q.マンジャロに内服薬はありますか?

A.

現時点でマンジャロの内服薬はありません。皮下注射として使用される薬剤です。看護師が丁寧に説明した後、使用を開始していただきます。

Q.マンジャロの使用中に避けるべき食べ物や飲み物はありますか?

A.

特定の食べ物や飲み物を完全に避ける必要はありません。ただし、健康的な食事を心掛けることが大切です。特に高糖質、高脂肪の食品やアルコールの摂取は控えるようにしてください。

Q.マンジャロを使い始めても、すぐに効果が現れない場合どうすればよいですか?

A.

効果の現れ方には個人差があります。初期の変化が見られるまでに数週間かかる場合もあるため、医師の指示に従って継続して使用してください。効果が感じられない場合や副作用が気になる場合は、医師に相談して適切なアドバイスを受けることが重要です。

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渋谷駅前おおしま皮膚科|大島昇 監修】

「マンジャロ」について

・未承認医薬品等(異なる目的での使用)

マンジャロは医薬品医療機器等法において、2型糖尿病の効能・効果で承認されています。

しかし当院で行っている肥満治療目的の使用については国内で承認されていません。

・入手経路等

国内の医薬品卸業者より国内の承認薬を仕入れています。

・国内の承認医薬品の有無

国内で肥満治療の効能・効果で製造販売承認されているGLP-1製剤に「ウゴービ」があります。
またマンジャロを一般名とする医薬品は国内では2型糖尿病の効能・効果で承認されておりますが、承認されている効能・効果及び用法・用量と当院での使用目的・方法は異なります。

・諸外国における安全性などに係る情報

GLP-1受容体作動薬の注射製剤が米国FDAで肥満治療薬として承認されています。


【参考文献】

  1. Sinha, R., Papamargaritis, D., Sargeant, J., & Davies, M. (2023). Efficacy and Safety of Tirzepatide in Type 2 Diabetes and Obesity Management. Journal of Obesity & Metabolic Syndrome.

   https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36750526/

  1. Fanshier, A. V., Crews, B. K., Garrett, M. C., & Johnson, J. L. (2023). Tirzepatide: A Novel Glucose-Dependent Insulinotropic Polypeptide/Glucagon-Like Peptide 1 Receptor Agonist for the Treatment of Type 2 Diabetes: The First Twincretin. Clinical Diabetes.       
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37456095/
  2. Aronne, L., Sattar, N., Horn, D. B., Bays, H. E., Wharton, S., Lin, W. Y., … & Murphy, M. A. (2023). Continued Treatment With Tirzepatide for Maintenance of Weight Reduction in Adults With Obesity: The SURMOUNT-4 Randomized Clinical Trial. JAMA.
    https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2812936
  3. Jastreboff, A., Aronne, L., Ahmad, N., Wharton, S., Connery, L. E., Alves, B., … & Stefański, A. (2022). Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity. The New England Journal of Medicine.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35658024/