【医師監修】コアトックスの持続時間はどのくらい?効果を長持ちさせるためにできること
「コアトックスの効果はどのくらい持続する?」「何回も打たなければいけない?」ボツリヌス毒素製剤の治療は繰り返し通院するからこそ、効果の持続期間をあらかじめ把握しておきたいですよね。
コアトックスは韓国で承認されているA型ボツリヌス毒素製剤で、表情じわやエラ張りの改善に用いられています。とくに美容領域では、製剤ごとの特性を理解して選ぶことが治療満足度につながります。事前にコアトックスの持続性について知っておきましょう。
この記事ではコアトックスの効果が出るまでの期間や持続時間、効果を長持ちさせるポイントについて解説しています。コアトックス治療が気になっている方は、ぜひ最後までお読みください。
コアトックスの持続時間はどのくらい?

コアトックスの効果がどのくらい続くのかは、治療を検討する上で重要な判断材料になります。ここでは、効果の出始めから持続する期間までを解説します。
コアトックスの効果が出始めるまでの期間と持続時間
A型ボツリヌス毒素製剤は通常、注射後2〜3日ほどで効果があらわれ、2〜3週間で効果が最大になるとされています。一般的なA型ボツリヌス毒素製剤の持続期間は4〜5カ月前後です。時間の経過とともに徐々に作用が弱まります。[1]
コアトックス単体の美容領域での持続期間データはまだ限られていますが、動物実験ではほかの製剤と比較したところ、繰り返し投与後の効果の持続がより長く、強まったことが報告されました。[2]
ヒトにおいても痙縮治療を対象とした臨床試験では、単回投与後も12週間以上効果が持続していたという結果が示されています。美容目的の治療とは異なるものの、いずれも筋肉の過剰な働きを抑制するという作用機序は共通です。[3]
これらのことから、コアトックスも通常のボトックス製剤と同様に数日で効果が現れ、4〜5カ月、あるいはそれ以上の期間持続する可能性があると考えられます。
効果が切れるとどうなる?
コアトックス単体で効果が切れたあとの変化を評価した研究はまだ十分ではありませんが、A型ボツリヌス毒素製剤全般では、時間の経過とともに筋肉の働きが徐々に元の状態へ戻ることが確認されています。急に効果がなくなるわけではなく、筋活動が少しずつ回復していくのが一般的な経過です。
咬筋(エラ)への注射を対象とした比較試験では、すべてのA型ボツリヌス製剤において、低下していた噛む力は注射後約4カ月でほぼ元の水準に戻ったと報告されています。一方で、顔のしわ改善は16週(約4カ月)を過ぎても半数以上の参加者で維持されていました。[4]
この結果により、A型ボツリヌス毒素製剤では筋力が回復したあとも、外見上の改善は一定期間持続すると言えるでしょう。
持続時間や効果を長持ちさせるためのポイント

同じコアトックス製剤を使っていても、持続期間には個人差が生じます。ここでは、効果をできるだけ長く保つために意識しておきたいポイントを解説します。
適切な治療間隔で打つ
A型ボツリヌス毒素製剤は、一般的に4〜5カ月ほどで効果が弱まっていくため、持続を目的とする場合は効果が切れる前のタイミングで再度治療を行うことが望ましいとされています。
実際に重度の多汗症患者を対象とした研究では、ボツリヌス製剤を継続的に投与した群で、初回に比べ、繰り返し打った後期の注射のほうが持続期間が延びていたことがわかりました。[5]
一方で、ボツリヌス製剤を繰り返し使用すると、まれに抗体が産生されて効果が出にくくなる例もあります。コアトックスと同様に、複合タンパク質を含まない製剤であるゼオミンでは、10年以上の臨床データから抗体ができにくいことが確認されています。[6]
まだ美容領域での長期的なデータは十分に蓄積されていませんが、コアトックスもゼオミンと同様に抗体ができにくい製剤であると考えられるでしょう。
日常生活でもシワの原因を予防する
コアトックスの効果を直接長くすることはできませんが、日常のスキンケアによってしわが深くなるのを防ぐことは可能です。特に紫外線と乾燥はしわの進行に大きく影響するため、以下のポイントを意識するとよいでしょう。
紫外線対策
紫外線は光老化の原因となり、しわを悪化させます。日焼け止めや帽子、日傘などで紫外線から肌を守りましょう。[7]
保湿ケア
乾燥した肌は弾力が低下し、しわが目立ちやすくなります。十分な保湿でバリア機能を保つことがポイントです。[8]
コアトックスとは?

コアトックスの特徴を理解するためには、まず製剤そのものの特徴や、どのような悩みに効果を発揮するのかを押さえておきましょう。ここからは、基本的な仕組みと代表的な効果について解説します。
韓国発のボツリヌス製剤「コアトックス」
コアトックスは韓国で承認されているA型ボツリヌス毒素製剤です。本来「ボトックス」という名称はアラガン社製品を指しますが、美容医療ではA型ボツリヌス毒素製剤全般を指して用いられることがあります。
コアトックスは毒素本体である150kDaの成分のみを使用し、複合タンパク質やヒト血清アルブミンを含まない「無複合タンパク製剤」です。そのため理論上は抗体ができにくく、長期的に効果が落ちにくい可能性があるとされています。[9]
なお、コアトックスは韓国MFDS(食品医薬品安全処)では承認されていますが、日本国内では未承認医薬品です。
コアトックスの効果とは
コアトックスは、表情じわの改善だけでなく、咬筋縮小やガミースマイルなど、目的に応じて幅広く応用されます。代表的な効果は以下のとおりです。
表情じわ(額・眉間・目尻)
コアトックスは、韓国では眉間・鼻根部の中等度から重度のしわ改善で承認されています。日本でもコアトックスに限らず、A型ボツリヌス毒素は顔面のしわ治療に広く用いられています。[1][10]
エラ(咬筋)による小顔効果
アジア人を対象にした研究では、オナボツリヌスA投与で咬筋の体積が有意に減少。2回の治療で最大6カ月効果が持続したと報告されています。[11]
ガミースマイルの改善
ボツリヌス毒素注射により歯ぐきの露出量が平均3.22mm低下。治療の2週間後に効果があらわれ、約3カ月持続したという報告があります。[12]
肩こりの緩和
慢性肩痛に対して短期的に有効で、1〜3カ月の間、対照治療より優れた改善がみられたとされています。[13]
ふくらはぎ痩身
治療後2週間でふくらはぎ周りのサイズが減少。安全性を保ちながら最大6カ月程度効果が持続したと報告されています。[14]
コアトックスのメリット・向いている人とは?

コアトックスは、ほかのボツリヌス毒素製剤と比較して「抗体ができにくい可能性がある」ことが特徴です。ここでは、その特徴を踏まえたメリットと、治療が向いている人・向いていない人について解説します。
メリットと向いている人
コアトックスは以下のような方に向いています。
- ボトックスの効果が落ちてきた経験がある人
- 長期的に継続治療を考えている人
- 韓国製のボツリヌス製剤に関心がある人
ボツリヌス製剤を繰り返し使用すると、まれに抗体が産生され効果が出にくくなることがあります。コアトックスは無複合タンパク製剤であり、理論上は抗体ができにくいとされているため、耐性化が疑われる場合の選択肢となるでしょう。
また、抗体ができにくい製剤は長期の治療に適しており、継続的に受ける予定がある方にも向いています。さらにマウス試験の段階ではありますが、コアトックスは他製剤より持続性が高い可能性が報告されています。美容大国韓国で承認されている次世代型ボツリヌス毒素製剤を試したい方にもコアトックスは向いているでしょう。
ただし、施術の可否は医師による診察にて判断されます。治療を検討する場合は事前に悩みを医療機関にて相談し、自分にあった治療を受けるようにしましょう。
デメリットと向いていない人
コアトックスを含むボツリヌス毒素製剤は、誰でも受けられる治療ではありません。安全性の観点から、以下に該当する場合は施術が受けられない、または慎重な判断が必要となります。コアトックス治療ができない人は以下のとおりです。
- 妊娠中・授乳中の方
- 重症筋無力症などの神経・筋疾患がある方
- 既に他のボツリヌス製剤を注射している方
また、以下の薬を使用している方はコアトックスとの相互作用が考えられるため注意が必要です。
- 筋弛緩薬を使用中の方
- アミノグリコシド系抗生剤を服用している方
コアトックスに限らず、ボツリヌス毒素製剤の治療と神経・筋疾患を持つ方では症状が悪化する可能性があります。また、複数製剤を併用すると筋力低下が強く出るおそれがあるため注意が必要です。一部の薬剤とは相互作用が起こることが知られているため、治療前に必ず申告するようにしましょう。[15]
副作用・リスクと注意点

コアトックスを含むボツリヌス毒素製剤では、以下のような副作用がみられることがあります。
- 注射部位の赤み・腫れ・内出血(通常は数日で改善)
- 一時的な突っ張り感や違和感
- まれに左右差(表情や筋活動の回復時)
これらは一時的なもので通常は数日で自然に改善し、落ち着いてくると言われています。
実際に行われた試験では、コアトックスと従来のA型ボツリヌス毒素製剤(インコボツリヌムトキシンA)との間で、14日・30日・90日時点の効果や安全性に有意差は認められませんでした。このことから、コアトックスは既存製剤と同等の安全性と有効性を持つと考えられます。[8]
ただし、妊娠中・授乳中の方は施術を控える必要があります。また、持病や服用中の薬によっては施術を避けたほうが良い場合もあるため、持病や併用薬がある方は必ず事前に医師へ相談しましょう。
当院におけるコアトックス治療の特徴と治療の流れ
当院におけるコアトックス治療の特徴と、治療の流れについて紹介します。
当院のコアトックス治療の特徴
当院では、症例経験豊富な日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医・指導医が、責任を持って治療を行っています。また、極細針の使用やクーリングを併用することで、ボトックス注射時の痛みをできるだけ抑える工夫をしています。
また、施術後すぐにメイクが可能です。
当院は渋谷駅から徒歩1分とアクセスも良好で、お昼休みや仕事帰りといったお忙しい時間にも、お気軽に立ち寄りやすい環境です。利便性の高さだけでなく、患者さま一人ひとりの症状やご要望を丁寧にヒアリングし、個人に合った治療プランをご提案しています。
治療の流れ
当院では、コアトックスをはじめとするボトックス注射を以下の流れで行っています。
- ヒアリング・診察:診察室にて医師が気になる部位のヒアリングをします。しわや筋肉の状態を診察し、製剤や注入部位を決定します。
- 施術:極細針の使用・クーリングを併用し、注入角度や深さを考慮のうえ丁寧に行います。
- 施術後:止血を確認後、化粧が可能です。
- アフターケアの説明:副作用や注意点、今後の経過についてご案内します。
実際の施術時間は5〜10分程度で終了し、後日通院する必要はありません。
コアトックスの費用について
コアトックス治療は保険適用のない自由診療です。部位別の費用は以下のとおりです。
| 部位 | 価格 |
| 眉間 | ¥11,800(税込¥12,980) |
| 目尻 | ¥11,800(税込¥12,980) |
| 額 | ¥14,800(税込¥16,280) |
| 鼻根部(バニーライン) | ¥6,800(税込¥7,480) |
| 人中短縮 | ¥8,800(税込¥9,680) |
| 小顔・歯ぎしり(50U) | ¥23,800(税込¥26,180) |
| ガミースマイル修正 | ¥6,800(税込¥7,480) |
| 口角上げ | ¥6,800(税込¥7,480) |
| 梅干し | ¥5,800(税込¥6,380) |
| 多汗症ボトックス(ワキ) | ¥24,000(税込¥26,400) |
| 多汗症ボトックス(両手) | ¥53,800(税込¥59,180) |
| ふくらはぎやせボトックス | ¥23,800(税込¥26,180) |
| 肩こりボトックス(両側) | ¥29,800(税込¥32,780) |
コアトックスに関するよくある質問

コアトックスに関するよくある質問にお答えします。
効果が出るまでどのくらいかかりますか?
一般的なA型ボツリヌス毒素製剤は、注射後2〜3日ほどで効果があらわれ始め、2〜3週間で最大となります。コアトックスも同様の作用経過をたどると考えられており、数日以内に変化を実感できるケースが多いでしょう。[1]
コアトックスとボトックスの違いは何ですか?
「ボトックス」はアラガン社(米国)が製造するA型ボツリヌス毒素製剤の商標です。いずれも同じA型毒素を用いますが、コアトックスは複合タンパク質やヒト血清アルブミンを含まない、無複合タンパク製剤である点が異なります。
この構造上の違いからコアトックスは従来の製剤と比較して抗体ができにくく、長期治療でも効果が落ちにくい可能性があるとされています。[6]
コアトックスは何カ月おきに打ちますか?
効果は一般的に4〜5カ月程度持続するとされていますが、部位や筋肉の強さなどにより変わってきます。継続治療を希望する場合は、効果が切れる前のタイミングで再注射を行うことでより自然な仕上がりを保つことができます。
適切な治療間隔は個人により異なるため、診察時に医師と相談しながら決めましょう。
コアトックス治療が気になる方は渋谷駅前おおしま皮膚科まで相談を
コアトックスは効果があらわれるまでの経過や作用機序は従来のA型ボツリヌス毒素製剤と同様です。しかし無複合タンパク製剤であるため、従来の製剤と比べて抗体ができにくく、長期的に治療効果が落ちにくい可能性がある製剤です。
持続時間は一般的に4〜5カ月程度とされており、部位や筋肉の強さにより前後します。継続して治療を行う場合は効果が切れる前に再注射を行うことで、より自然な仕上がりを維持しやすくなるでしょう。
当院では、患者さま一人ひとりの筋肉の動きやご希望、お悩みに合わせて最適な治療間隔をご提案しています。渋谷駅より徒歩1分と通いやすく、忙しい方でも無理なく継続いただけます。
コアトックスやボトックス治療をご検討の方は、ぜひお気軽に渋谷駅前おおしま皮膚科までご相談ください。
未承認医薬品の表示
| 未承認医薬品等の使用について | 本施術に使用するコアトックスは、日本国内で医薬品医療機器等法に基づく承認を受けていない未承認医薬品です。 |
| 入手経路の明示 | 当院では、韓国のMedytox社で製造された製剤を医師が個人輸入により取り寄せています。 |
| 国内承認医薬品の有無 | 同一の成分・性能を有する、他の国内承認医薬品等はありません。 |
| 海外における安全性等の情報 | コアトックスは韓国の医薬品規制機関であるMFDSにより認可されており、その有効性および安全性が認められています。 |
参考
[9]Efficacy and Safety of a New Botulinum Toxin Type A Free of Complexing Proteins

