マンジャロに副作用はある?注意すべき点についても紹介!
繰り返しダイエットに挑戦しても、思うように結果が出せず悩んでいる方は少なくありません。
マンジャロは糖尿病治療薬として開発された薬で、強力な食欲抑制作用から肥満治療にも用いられています。しかし、特に消化器系の不調や低血糖など、体にどのような影響があるのか副作用を心配している方が多いのも事実です。
この記事では、マンジャロの副作用を減らすために注意すべきポイントなどについて詳しく解説します。
マンジャロの副作用とは
マンジャロは、GLP-1受容体作動薬とGIP受容体作動薬の両方の作用を持つ薬剤です。他の医薬品と同様、マンジャロにも副作用があることを理解しておくことが重要です。
マンジャロの一般的な副作用
マンジャロの副作用として、主に消化器系に関連するものが報告されています。初めて使用する際や、投与量を増やした時に起こりやすい傾向があります。
- 消化器系の症状:嘔気、嘔吐、下痢、便秘、腹痛、食欲減退、消化不良
- 注射部位の反応:赤み、腫れ、痛み
- その他の可能性がある副作用:浮動性めまい、味覚障害
マンジャロのまれだが重大な副作用
マンジャロには、まれではありますが重大な副作用も報告されています。
<低血糖症>
特に、他の血糖降下薬と併用する場合、以下のような低血糖症が発生するリスクがあります。(当院では安全のため、他の血糖降下薬との併用処方は行っておりません)
- 冷汗
- めまい
- 震え
- 意識の低下など
症状が現れた場合は、速やかに糖分を補給し、医師の指示を仰いでください。
<急性膵炎(きゅうせいすいえん)>
膵炎は腹部の激しい痛みや吐き気を伴うことがあります。症状が現れた場合は投与を中止し、直ちに医療機関を受診しましょう。
<胆嚢炎(たんのうえん)>
胆嚢炎の主な症状は、右上腹部の痛みや発熱などです。症状が現れた場合、早急に医療機関での診断と治療を受けてください。
<アナフィラキシー、血管性浮腫(けっかんせいふしゅ)>
アナフィラキシーは非常にまれですが、血圧低下や呼吸困難などの症状が急速に進行する場合があります。
また、血管性浮腫は皮膚や粘膜に浮腫が生じる状態であり、特に顔や喉に現れると危険です。症状が現れた場合は、直ちに医療機関を受診してください。
マンジャロの副作用はいつまで続く?
マンジャロの主な副作用である胃腸障害は、治療開始から2〜4週間程度でピークを迎え、徐々に軽減していく傾向があります。[1] しかし、副作用の持続期間には個人差があり、体質や生活習慣、投与量によっても異なります。
特定の症状が長引く場合、医師が適切に評価し、必要に応じて投与量の調節を検討することもあります。症状が軽減しない場合や新たな副作用が出現した場合は、速やかに医師に相談しましょう。
マンジャロの副作用を減らすために注意すべき4つのポイント
マンジャロの副作用をできるだけ抑えるため、以下の点に注意しましょう。
段階的に用量を増やす
マンジャロは、身体が薬に順応するまで徐々に用量を増やすことが推奨されています。週1回2.5㎎投与から始め、目標用量に達するまで4週間ごとに2.5㎎ずつ増量し、最大10mgまで投与可能です。
特に胃腸の不快感や吐き気を防ぐため、急激に用量を増やさないことが重要です。医師の指示に従い、段階的に薬を増量しましょう。
食事を工夫する
食事のタイミングや内容を工夫することで、副作用を抑えることが可能です。
マンジャロ使用中は脂肪分が多すぎる食事を避け、バランスの取れた食事を心がけることで胃腸の負担を軽減できます。たとえば、小分けにして食事を摂ると、吐き気を和らげる効果が期待できます。
また、下痢などの胃腸障害が発生した場合は、脱水症状を防ぐために水分をこまめに摂取することが重要です。ただし、一度に大量の水分を摂ると胃腸に負担がかかるため、少量ずつを意識しましょう。
生活習慣を改善する
日常の生活習慣を見直すことも、副作用を抑えるためのポイントです。適度な運動は代謝を促進し、薬の効果をサポートします。
また、十分な睡眠やストレス対処も大切です。生活習慣全体を見直すことで身体がマンジャロに順応しやすくなり、副作用が発生するリスクを軽減できる可能性があります。[2]
定期的に通院する
マンジャロ使用中は、定期的に医師の診察を受けましょう。副作用が現れた場合、早期に対処することで深刻な問題を回避できます。
おおしま皮膚科では、詳細なカウンセリングや経過観察を行っています。お一人お一人の状況に合わせた細やかな対応が、副作用の軽減につながります。
マンジャロの特徴・効果
ここでは、マンジャロの特徴と効果について詳しく見ていきましょう。
強力な食欲抑制と体重減少効果をもたらす
マンジャロは脳の視床下部(満腹中枢)に働きかけ、食欲を抑制します。また、胃の排出速度を遅らせることで満腹感が持続するため、結果として食事摂取量の減少と体重減少が促進されます。
臨床試験では、72週間の治療期間中にマンジャロを5㎎投与した結果、平均15%もの体重減少が確認されました。[3]
代謝の改善が期待できる
マンジャロは、代謝全般の改善にも効果があります。GLP-1とGIPの相乗作用により、血糖値を安定させるだけでなく、脂質代謝やエネルギー消費の促進が期待できます。具体的には、以下のような効果です。
- 内臓脂肪の減少
- インスリン感受性の向上
- メタボリックシンドロームの改善
代謝が改善されることで体重管理がしやすくなり、肥満に関連するさまざまな健康リスクを軽減する可能性があります。
長期的な体重管理をサポートする
マンジャロは長期間使用することで体重のリバウンドを防ぎ、安定した体重管理が可能です。定期的な使用と適切な生活習慣を組み合わせることで、目標体重の達成と維持が現実的になるでしょう。
マンジャロを処方できない方
マンジャロは以下のような条件に該当する方には処方できないため、注意が必要です。
BMI22以下の方
マンジャロは、体重管理が難しい方に特に有効な薬です。当院ではBMI23以上の患者さまにのみ処方しています。
ピルやワーファリンを服用している方
減量目的でマンジャロを使用する場合、ピル(経口避妊薬)やワーファリンとの併用は推奨していません。禁忌ではありませんが、これらの薬の効果が低下する可能性があるため、併用には注意が必要です。
糖尿病治療薬を服用している方
特に、糖尿病治療薬との併用は低血糖のリスクが高まります。低血糖はめまいや冷汗、意識低下などの症状を引き起こす可能性があります。
糖尿病の方は必ず主治医の指示に従い、自己判断で治療を始めたり他の薬と併用したりすることは避けてください。マンジャロに限らず、GLP-1の使用にあたっては必ず主治医に相談し、適切な処方を受けることが重要です。
アレルギー歴がある方
GLP-1受容体作動薬やその他の成分に対してアレルギー反応を示したことがある場合、マンジャロの使用には注意が必要です。アナフィラキシーなどの重篤なアレルギー反応が発生する可能性があるため、過去のアレルギー歴を医師に伝え、必ず相談するようにしましょう。
重度の胃腸障害や膵炎・甲状腺疾患の既往がある方
マンジャロは消化器系に影響を与える可能性があるため、重度の胃腸障害を持つ方には処方できない場合があります。
また、膵炎や甲状腺疾患の既往がある方は、マンジャロの使用により症状が悪化するリスクがあるため、必ず医師と相談してください。
マンジャロの副作用についてのよくある質問
Q:マンジャロの副作用が現われた場合、すぐ使用を中止した方がいいですか?
A:
副作用が現れても自己判断ですぐに中止せず、まず医師に相談しましょう。多くの副作用は一時的で、体が薬に慣れるにつれて軽減し、安全に治療を継続できる場合がほとんどです。
ただし、重篤な症状が出た場合には直ちに医師の指示を仰ぎ、必要であれば使用を中止してください。
Q:マンジャロの副作用は他のダイエット治療薬に比べてどうですか?
A:
マンジャロの副作用は、他のGLP-1受容体作動薬と同様で主に胃腸に関連するものです。消化器系の副作用が多いですが、ほとんどの場合は時間とともに軽減します。
従来の中枢神経系に作用するダイエット薬と比べ、依存性や精神面への影響が少ないのが特徴です。
Q:マンジャロはクリニックや病院以外でも購入できますか?
A:
安全性と有効性を確保するため、必ず医療機関で診察を受けることがおすすめです。インターネットや海外からの個人輸入は、品質や安全性が保証されていません。
マンジャロの価格
マンジャロは、公的保険が適用されない自由診療です。当院ではオンラインでの処方が可能です。直接来院される場合は、診察料が別途1,100円(税込)かかります。
2.5mg(4本) | 23,100円(税込) |
5.0mg(4本) | 41,800円(税込) |
マンジャロが気になる方は渋谷駅前おおしま皮膚科へ
マンジャロは効果的な体重減少を促進する薬剤として注目されていますが、副作用について十分に理解することが大切です。特に消化器系の不調や低血糖、アレルギー反応などが考えられるため、使用中は定期的に医師と相談しながら治療を進めることが重要です。
おおしま皮膚科では、患者様お一人お一人に合わせた丁寧なカウンセリングと経過観察を通じて、副作用のリスクを抑えながら治療を提供しています。マンジャロを使ったダイエットに興味はあるけれども副作用が心配という方は、まずはお気軽にご相談ください。
「マンジャロについて」
未承認医薬品等
マンジャロは医薬品医療機器等法において、2型糖尿病の効能・効果で承認されています。
しかし当院で行っている肥満治療目的の使用については国内で承認されていません。
入手経路等
国内の医薬品卸業者より仕入れています。
国内の承認医薬品等の有無
チルゼパチドを一般名とする医薬品は国内では2型糖尿病の効能・効果で承認されておりますが、承認されている効能・効果及び用法・用量と当院での使用目的・方法は異なります。
諸外国における安全性等に係る情報
米国FDAにおいて肥満治療薬として承認されています。
【参考文献】
[1]Patel, H., Khunti, K., Rodbard, H., Bajaj, H., Bray, R., Kindracki, Z., & Rodríguez, Á. (2023). Gastrointestinal adverse events and weight reduction in people with type 2 diabetes treated with tirzepatide in the SURPASS clinical trials. Diabetes, Obesity & Metabolism.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37853960/
[2]Nowak, K., & Mazur, G. (2023). Tirzepatide – a dual GIP/GLP-1 receptor agonist – a new antidiabetic drug with potential metabolic activity in the treatment of type 2 diabetes. Metabolism: Clinical and Experimental.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35593668/
[3]Jastreboff, A. M., Aronne, L., Ahmad, N. N., Wharton, S., Connery, L. E., Alves, B., Kiyosue, A., Zhang, S., Liu, B., Bunck, M., & Stefański, A. (2022). Tirzepatide once weekly for the treatment of obesity. The New England Journal of Medicine.