メディカルダイエットとは?使用される薬の効果や注意点を解説
「メディカルダイエットってどんなダイエット?」「どんな薬を使う?」などメディカルダイエットに興味はあっても、そもそもどんなダイエットかよく知らなかったり、薬を使うことに不安であったりしていませんか?
メディカルダイエット(医療ダイエット)は、従来の食事制限や運動中心のダイエットとは異なり、薬や医療機器を用いるダイエット方法です。そのため、受ける側もリスクや注意すべきポイントを理解しておくべきです。
この記事ではメディカルダイエットで使われる薬やその効果、注意点を詳しく解説します。記事を読むことでリスクや効果などを理解して不安が払拭され、前向きにダイエットに臨めるでしょう。
副作用が怖くてメディカルダイエットに踏み出せない方や、どんな薬を選べば良いかわからいと悩んでいる方は、ぜひ最後までお読みください。
メディカルダイエット(医療ダイエット)とは?
メディカルダイエットは、医療ダイエットとも言われ、医師の管理下で行われるダイエットのことです。
体重や脂肪を減らすため、医療機関で薬や医療機器を使用します。メディカルダイエットの種類は主に以下の2つに大別されます。
体重減少を目的とした方法 | 飲み薬自己注射漢方 |
局所的な脂肪減少を目的とした方法 | 医療機器(HIFU*など)医療機関での注射治療(脂肪溶解など) |
体重を減らすための薬は、ほとんどが食欲減退や満腹感の持続作用を持つ糖尿病治療薬です。自宅で使用できるため試しやすく、近年話題になっているダイエットです。
*HIFU:高密度焦点式超音波。脂肪溶解を目的として行われる。
メディカルダイエットで使われる薬の効果と注意点
体重の減少効果のある飲み薬、自己注射はいくつか種類があります。ここでは当院で採用している以下の薬について解説します。
- リベルサス
- オゼンピック
- ビクトーザ
- サクセンダ
- マンジャロ
- メトホルミン
- フォシーガ
リベルサス(GLP-1製剤)
リベルサスはセマグルチドを成分とするGLP-1製剤*です。食欲抑制による体重減少効果が期待できます。使用法には特徴があり、以下の点に注意が必要です。
- 起床時の空腹時に服用
- 少量の水(120ml以下)で飲む
- 服用後30分は飲食禁止
複数あるGLP-1製剤の中でも唯一の飲み薬であるため、注射が苦手な方に向いているでしょう。[1]
GLP-1製剤*:食事後にインスリンの分泌を促し、血糖値を下げる役割を持つホルモンGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)をもとに開発された製剤
オゼンピック(GLP-1製剤)
オゼンピックは、リベルサスと同じセマグルチドを成分とする注射製剤です。週1回、自分自身でお腹などに注射します。食欲抑制効果があり、体重減少が期待できる薬です。
自分で注射針をセットする必要があるため、慣れるまでは操作が難しく感じるかもしれません。また未使用の場合、冷蔵庫での保管が必要です。使用中のものは冷蔵庫でなくても問題ありませんが、30℃以下で保管してください。[2]
ビクトーザ(GLP-1製剤)
ビクトーザは毎日自分で注射するタイプのGLP-1製剤です。日本で初めて発売されたGLP-1製剤であり、食欲抑制効果があります。
オゼンピックと同様に自分で注射針をセットして使用します。未使用のものは冷蔵庫での保管が必要ですが、開封後は30℃以下であれば室内保管も可能です。[3]
サクセンダ(GLP-1製剤)
サクセンダは、ビクトーザと同じ成分の注射製剤です。欧米では肥満薬として承認されていますが、日本では発売されていません。
ビクトーザと同様に未使用のものは冷蔵庫で保管します。使用中であれば、30℃以下の涼しい場所で保管しましょう。[4]
マンジャロ(GLP-1製剤)
マンジャロは週1回注射するタイプのGLP-1製剤です。針のセットが不要で難しい操作がなく、使いやすいのが特徴です。
マンジャロはBMI23以上の方が対象となります。ほかの注射製剤と同様に、未使用の場合は冷蔵庫で保管、使用中であれば30℃以下の涼しい場所であれば室内保管もできます。[5]
メトホルミン(ビグアナイド系製剤)
メトホルミンのメカニズムは以下のとおりです。
- メトホルミンは肝臓で糖が新しく作られるのを抑える
- 筋肉での糖利用を促す
- 小腸で糖の吸収を抑制する
上記の作用に加え、GLP-1の分泌を促す作用を持つことが分かっているため、GLP-1製剤と同様に食欲抑制や満腹感の持続作用も持つ薬です。
基本的に毎日決まった時間に服用します。下痢や悪心など、胃腸の副作用が比較的出やすいと言われています。脱水には特に注意が必要です。[6][7]
当院では副作用防止の観点から、フォシーガとの併用は推奨しておりません。
フォシーガ(SGLT2阻害剤)
フォシーガは、余分な糖を尿と一緒に排出してカロリーを抑える効果があります。使用時は脱水や尿路・性器感染症に注意が必要です。
フォシーガには尿を通常より多く出す利尿作用があるため、特に夏や激しいスポーツをしたときは脱水に注意が必要です。のどが渇く前からこまめに水分補給を行いましょう。
当院では副作用防止の観点から、メトホルミンとの併用は推奨しておりません。また、フォシーガは低血糖(急激に血糖値が下がる状態)になりにくい薬ですが、他のダイエット薬と併用する場合は注意しましょう。[8]
薬を併用した場合のダイエット効果
メディカルダイエットでは、薬の併用によって体重減少効果が高まる可能性があります。ある2型糖尿病をもつ肥満患者を対象とした研究では、GLP-1製剤とメトホルミンを併用した場合、体重や脂肪の減少効果はメトホルミン単独よりも良かったという結果が報告されています。[9]
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)患者を対象とした研究では、体重減少だけでなく脂肪減少やウエスト周囲径の減少、BMIの改善などの効果も報告されています。[10]
複数の薬を併用することで体重の減少効果が高まる可能性はありますが、副作用もリスクも高くなります。併用しても良いかの判断は難しいため、医師に相談しながら薬は適切に使用しましょう。
メディカルダイエットのメリット・デメリット
メディカルダイエットのメリット・デメリットは、以下の表のとおりです。
メリット | デメリット |
継続しやすい | 薬剤使用による副作用の可能性 |
過度な食事制限が不要 | 費用がかかる |
激しい運動が不要 | 注射製剤など操作が煩雑なものもある |
薬を使用したメディカルダイエットでは、食事制限や運動よりも手軽で続けやすいと感じる方が多いでしょう。薬を使用しながら、過度な食事制限や激しい運動を行うと副作用である低血糖のリスクが高まるため注意が必要です。
しかし、薬の服用と一緒に運動を行った方がリバウンドしにくいとも言われているため、無理のない範囲で運動も取り入れると良いでしょう。[11]
関連記事:GLP-1ダイエットはリバウンドする?その理由と成功のポイントも紹介
デメリットとしては、薬であるため副作用のリスクがあげられます。医療機関を受診せずメディカルダイエットを続けていると、副作用に気がつかないまま体調を崩してしまう可能性があります。
また、継続のためには費用もかかりますが、安いからといって個人輸入やインターネット通販での購入は非常に危険です。薬を使用するときは必ず医療機関で診察を受け、医師と相談しながら治療を進めましょう。
GLP-1ダイエットの料金
GLP-1の治療は、公的保険が適用されない自由診療です。
【リベルサス】
リベルサス 3㎎ 30錠 | ¥4,100(税込¥4,510) |
リベルサス 7㎎ 30錠 | ¥12,800(税込¥14,080 |
リベルサス 14㎎ 30錠 | ¥16,500(税込¥18,150) |
【オゼンピック】
オゼンピック皮下注射2.0mg 1本 3本目まで | ¥18,500(税込¥20,350) |
オゼンピック皮下注射2.0mg 1本 4本目以降 ※4本以上同時購入の場合、3本目までは1本あたり¥18,500、4本目以降は1本あたり¥15,500 例7本ご購入いただいた場合には、¥18,500×3本+¥15,500×4本=合計【¥124,500】になります。 | ¥15,500(税込¥17,050) |
針・消毒綿(8回分) | ¥500(税込¥550) |
【ビクトーザ】
ビクトーザ 18mg 1本(針・消毒綿1か月分付き) | ¥15,800(税込¥17,380) |
【サクセンダ】
サクセンダ 18mg 1本(針・消毒綿1か月分付き) | ¥13,800(税込¥15,180) |
【マンジャロ】
マンジャロ 2.5mg(直接当院にお越しの方のみ) | ¥21,000(税込¥23,100) |
マンジャロ 5mg(直接当院にお越しの方のみ) | ¥38,000(税込¥41,800) |
【メトホルミン】
250mg 60錠 (1日2錠内服した場合30日分) | ¥1,800(税込¥1,980) |
500mg 60錠 (1日2錠内服した場合30日分) | ¥2,800(税込¥3,080) |
【フォシーガ】
フォシーガ5mg 30錠 ¥7,800(税込¥8,580)
オンライン診療でご購入の場合
診察料 | ¥1,000(税込¥1,100) |
郵送料(飲み薬) | ¥1,000(税込¥1,100) |
クール宅配便郵送料(注射薬の品質保持のため) | ¥2,000(税込¥2,200) |
直接ご来院の場合
診察料 | ¥1,000(税込¥1,100) |
メディカルダイエット(医療ダイエット)に関するよくある質問
メディカルダイエット(医療ダイエット)に関するよくある質問にお答えします。
メディカルダイエットとは何ですか?なぜ痩せるのですか?
メディカルダイエットとは、医療機関において医師の指導のもとで行われるダイエット療法です。薬を使ったメディカルダイエットで食欲を抑えたり糖を排出したりして体重を減少させます。
メディカルダイエットは保険適用ですか?
基本的にすべて保険適用外です。ただし高度肥満症など、特定の疾患と診断された場合は一部の薬剤が保険適用となる可能性があります。詳しくは医師にご相談ください。
メディカルダイエットで何キロ痩せる?
薬の種類や個人差が大きいため、何キロ痩せるかは一概には言えません。適切に実施した場合、数ヶ月で2〜3kg程度との報告から、体重の5〜20%程度の減量が可能など結果はさまざまです。[12][13]
運動と組み合わせることでさらに効果が高まるとの報告もあります。[11]
メディカルダイエットが気になる方は渋谷駅前おおしま皮膚科へ相談を
メディカルダイエットは、医療機関にて医師の指導のもとで行うダイエットで、薬や医療機器を使用したものがあります。近年では体重の減少効果が期待できる、糖尿病治療薬を使ったメディカルダイエットが話題です。
手軽に始められる反面、薬を使用したダイエットには副作用のリスクもあります。副作用は早期に発見できれば問題ない場合も多いです。個人の判断で薬を使用せず、ダイエットは必ず医師の指導のもとで行いましょう。
自己流のダイエットに行き詰まりを感じている方や、メディカルダイエットが気になっているけれど不安な方は、ぜひ一度渋谷駅前おおしま皮膚科までお気軽にご相談ください。
参考
[1]リベルサス錠/添付文書
[4]Label: SAXENDA- liraglutide injection, solution
[7]Metformin: Mechanisms in Human Obesity and Weight Loss – PMC
[8]フォシーガ錠/添付文書
[11]Healthy Weight Loss Maintenance with Exercise, Liraglutide, or Both Combined
「リベルサス・オゼンピック」について
・未承認医薬品等(異なる目的での使用)
リベルサス・オゼンピックは医薬品医療機器等法において、2型糖尿病の効能・効果で承認されています。
しかし当院で行っている肥満治療目的の使用については国内で承認されていません。
・入手経路等
国内の医薬品卸業者より仕入れています。
・国内の承認医薬品の有無
リベルサス・オゼンピックは、国内で肥満症に承認されている「ウゴービ皮下注」と同成分です。
セマグルチドを一般名とする医薬品は国内では2型糖尿病の効能・効果で承認されておりますが、承認されている効能・効果及び用法・用量と当院での使用目的・方法は異なります。
・諸外国における安全性などに係る情報
GLP-1受容体作動薬の注射製剤が米国FDAで肥満治療薬として承認されています。
「ビクトーザ」について
・未承認医薬品等(異なる目的での使用)
ビクトーザは医薬品医療機器等法において、2型糖尿病の効能・効果で承認されています。
しかし当院で行っている肥満治療目的の使用については国内で承認されていません。
・入手経路等
国内の医薬品卸業者より仕入れています。
・国内の承認医薬品の有無
リラグルチドを一般名とする医薬品は国内では2型糖尿病の効能・効果で承認されておりますが、承認されている効能・効果及び用法・用量と当院での使用目的・方法は異なります。。
・諸外国における安全性などに係る情報
同成分が米国FDAやEMA (欧州医薬品庁)において肥満治療薬として承認されています。
「サクセンダ」について
・未承認医薬品等(異なる目的での使用)
サクセンダは、医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医薬品です。
・入手経路等
当院で使用しているサクセンダはノボノルディスクファーマ社で製造されたものを当院で個人輸入しています。
・国内の承認医薬品の有無
リラグルチドを一般名とする医薬品は、国内では2型糖尿病の効能・効果で承認されておりますが、承認されている効能・効果及び用法・用量と当院での使用目的・方法は異なります。
・諸外国における安全性などに係る情報
米国FDAやEMA (欧州医薬品庁)において肥満治療薬として承認されています。
「マンジャロ」について
・未承認医薬品等(異なる目的での使用)
マンジャロは医薬品医療機器等法において、2型糖尿病の効能・効果で承認されています。
しかし当院で行っている肥満治療目的の使用については国内で承認されていません。
・入手経路等
国内の医薬品卸業者より仕入れています。
・国内の承認医薬品の有無
チルゼパチドを一般名とする医薬品は国内では2型糖尿病の効能・効果で承認されておりますが、承認されている効能・効果及び用法・用量と当院での使用目的・方法は異なります。
・諸外国における安全性などに係る情報
米国FDAにおいて肥満治療薬として承認されています。
「メトホルミン」について
・未承認医薬品等(異なる目的での使用)
メトホルミンは医薬品医療機器等法において、2型糖尿病、多嚢胞性卵巣症候群における排卵誘発、多嚢胞性卵巣症候 群の生殖補助医療における調節卵巣刺激の効能・効果で承認されています。
しかし当院で行っている肥満治療目的の使用については国内で承認されていません。
・入手経路等
国内の医薬品卸業者より仕入れています。
・国内の承認医薬品の有無
メトホルミンを一般名とする医薬品は国内では2型糖尿病、多嚢胞性卵巣症候群における排卵誘発、多嚢胞性卵巣症候 群の生殖補助医療における調節卵巣刺激の効能・効果で承認されておりますが、承認されている効能・効果及び用法・用量と当院での使用目的・方法は異なります。
・諸外国における安全性などに係る情報
なし
「フォシーガについて」
・未承認医薬品等(異なる目的での使用)
フォシーガは医薬品医療機器等法において、1型・2型糖尿病、慢性腎臓病、慢性心不全の効能・効果で承認されています。
しかし当院で行っている肥満治療目的の使用については国内で承認されていません。
・入手経路等
国内の医薬品卸業者より仕入れています。
・国内の承認医薬品の有無
ダパグリフロジンを一般名とする医薬品は国内では糖尿病、慢性腎臓病、慢性心不全の効能・効果で承認されておりますが、承認されている効能・効果及び用法・用量と当院での使用目的・方法は異なります。
・諸外国における安全性などに係る情報
なし