イソトレチノイン治療の期間はどのくらい?効果が出る時期と再発リスク

イソトレチノインは、重症ニキビに有効とされる飲み薬です。しかし「どのくらいの期間飲めばいいの?」「効果はいつから?」と気になる方も多いでしょう。

本記事では、イソトレチノインによる治療期間の目安や効果が現れる時期、再発リスクについて詳しく解説します。

渋谷駅前おおしま皮膚科が選ばれる3つの理由
①保険診療主体で医療連携機関が多数あり安心

最新の医療を学び、最善の医療を提供できるよう、努めています。また、疾患によっては、大学病院・総合病院と連携して治療します(東大病院をはじめ多数の大学病院の医療連携機関に登録されています)。

②平日は11時~19時30分、土日は9時~17時30分まで診療

渋谷駅前にあるため、アクセスがとても便利。お仕事や学校帰りに受診できるよう、夕方や土日も診察しています。

③年間23万人以上の来院実績

2024年度来院者数は、23万7,764人でした(注:2024年1月4日~2024年12月28日まで)。

イソトレチノインとは?

イソトレチノインは、ビタミンAの誘導体で皮脂分泌を抑え、炎症を鎮める飲み薬です。とくに、炎症が強い赤ニキビや膿をもつ重症ニキビ、抗生物質や外用薬で改善しない難治性ニキビに有効とされています。

臨床研究でも再発を抑える効果が報告されており、海外では重症ニキビの標準治療として広く用いられています。日本では公的医療保険の適用がなく、自費診療として使用されています。

イソトレチノイン服用期間の目安

服用期間は、通常4〜6カ月程度です。治療終了の目安として、体重1kgあたり120〜150mgの総累積用量が推奨されています。[1]

ただし、これは欧米での指標です。日本人は体格や副作用の出やすさが異なるため、実際には医師が症状や体調に応じて柔軟に調整しています。

たとえば、体重60kgの人であれば、合計7,200〜9,000mgが目安ですが、少ない量から始め、様子を見ながら増減することが多いです。

服用期間の目安については「ニキビやニキビ跡の救世主イソトレチノイン。目安の治療期間は?」でも詳しく解説しています。こちらもぜひ参考にご覧ください。

イソトレチノインの効果が現れる時期

イソトレチノインは、服用開始から早ければ2〜4週間ほどで効果が見え始めます。ただし、ニキビの種類や重症度、体質によって、効果の現れ方には個人差があります。

初期には一時的にニキビが増える初期悪化が見られることもありますが、その後は徐々に改善するケースが多いです。ある研究では、4カ月の治療でニキビの重症度スコアが約75%減少し、患者の満足度も高かったと報告されました。[2]

自己判断で中止せず、医師と相談しながら継続することが大切です。

イソトレチノインの長期服用をする場合はある?

標準的な治療期間は4〜6カ月ですが、重症ニキビや再発を繰り返す場合は、1年を超える長期服用が検討されることもあります。

ただし、口や目の乾燥、関節痛、肝機能や脂質への影響など副作用のリスクも高まるため、医師の厳重な管理が必要です。これまでの研究では、長期服用による重篤な副作用はまれで、多くは軽度にとどまると報告されています。[3]

近年は副作用を抑えるため、低用量を長めに続ける治療も検討されています。服用期間は、必ず専門医と相談しながら決めてください。

イソトレチノイン治療終了後の経過

イソトレチノインは、治療効果が長く続く薬として知られています。アメリカの研究では、治療終了後、約2年で82.5%が再治療を必要としなかったと報告されました。[4]

一方、別の研究では再発率が約37%と報告されています。[5]この差は、累積投与量や治療終了時にニキビが残っているかどうか、年齢などが影響すると考えられます。

再発しても再度治療を行えば改善するケースは多いため、自己判断せず医師に相談することが大切です。

イソトレチノイン以外の治療と期間の比較

ニキビ治療には、抗生物質の内服や外用薬など、イソトレチノイン以外にもさまざまな方法があります。

抗生物質は数カ月の使用で炎症を抑えますが、長期的に続けると耐性菌が生じるリスクがあります。外用薬は軽症から中等症に有効ですが、効果を出すには毎日の継続が基本です。

また、ケミカルピーリングやレーザー治療はニキビ跡の改善にも効果がありますが、複数回の通院が必要となります。

イソトレチノインは比較的短期間で改善が期待でき、通院の負担を軽減できる点も特徴です。他のニキビ治療との違いについては「イソトレチノインと他のニキビ治療薬(内服・保険)との違い」でも詳しく解説しています。こちらもぜひ参考にご覧ください。

イソトレチノインのオンライン診療について

当院では、オンラインでのイソトレチノイン治療を行っています。

初回は医師の診察が必要ですが、2回目以降はオンラインで症状を確認し、継続処方を受けることが可能です。半年以内に健康診断等で採血をされていない方は、採血キットによる検査が必要となる場合があります。

イソトレチノインのオンライン診療について、さらに詳しく知りたい方は「イソトレチノインはオンライン処方できる?治療の流れや注意点を解説」もご覧ください。

副作用・リスク

重篤な副作用

イソトレチノインでみられる重篤な副作用は以下の表のとおりです。

妊婦への影響胎児の奇形、流産、死産、早産
精神症状うつ、幻覚、幻聴、自傷行為、自殺企図など
消化器症状急性膵炎、肝機能障害、炎症性腸疾患など
内分泌・代謝脂質異常、血糖値の異常など
皮膚症状スティーブンスジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症

おおしま皮膚科では、イソトレチノインを服用する前、服用後1ヶ月に必ず血液検査を実施し、肝機能や脂質異常などの副作用を早期発見ができるようにしています。

イソトレチノインの影響により、体調悪化の危険性が高いと医師が判断した場合には処方を中止することもあります。[3][8][9]

よくみられる副作用

イソトレチノインでよくみられる副作用は、唇の乾燥です。これは一般的な症状であり、服用量が多いほど起こりやすくなると言われています。

そのほか、鼻の粘膜の乾燥や日光過敏症(紫外線に敏感になる症状)がみられることもあります。これらの副作用の多くは軽度であり、一時的なものです。服用を中止すると改善する、可逆的な副作用とされています。

乾燥対策としてこまめに保湿剤を使うと良いでしょう。特に唇や鼻の周りは乾燥しやすいため、リップクリームや保湿クリームを活用してください。

また日光過敏症への対策として、日焼け止めの使用や帽子・日傘の活用など、紫外線対策をしっかり行うことが大

渋谷駅前おおしま皮膚科の特徴

渋谷駅前おおしま皮膚科では、ニキビ治療の豊富な経験を持つ皮膚科専門医が、一人ひとりの症状に合わせた治療を提案しています。とくにイソトレチノイン治療の場合は副作用のリスクに配慮し、服用前後と3カ月後に採血を実施しています。

当院では、個人輸入では難しい管理体制のもと、万が一副作用が起きても迅速に診察できるよう体制を整えています。個人輸入のリスクについては「イソトレチノインの個人輸入は危険?安全かつ安い入手方法について解説」で詳しく解説していますので、参考にご覧ください。

また、当院ではオンライン診療にて、イソトレチノインの後発品 「アクネトレント」 の取り扱いを開始しています。おおしま皮膚科のイソトレチノイン治療について、さらに詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。

イソトレチノイン治療の費用

イソトレチノインは、公的医療保険が適用されない自由診療です。当院のイソトレチノインの料金は、以下のとおりです。

イソトレチノイン(アクネトレント)10mg 30錠7,500円(税込8,250円)
イソトレチノイン(アクネトレント)20mg 30錠12,000円(税込13,200円)


オンライン診療にて、イソトレチノインの後発品 「アクネトレント」 の取り扱いを開始しています。通院不要で、医師の診察のもと処方が可能です。

オンライン診療を申し込みたい方は「イソトレチノインオンライン診療ご利用にあたって」から詳細をご覧ください。  

イソトレチノインに関するよくある質問

ここではイソトレチノインに関してよく寄せられる質問に回答しました。

Q:イソトレチノインを辞めた後、皮脂は戻りますか?

服用中は皮脂分泌が大きく減少しますが、終了後は徐々に回復します。

ただし、多くの場合は以前より分泌は少なくなり、長期的にニキビができにくい状態が続きやすいです。体質や生活習慣によっても個人差があるため、経過観察が大切です。

Q:イソトレチノインによる乾燥はいつまで続きますか?

服用中は口や目の乾燥がよく見られますが、ほとんどは治療終了後、数週間〜数カ月で回復します。

まれに、軽度の乾燥が長く残る場合もありますが、多くは一時的な症状です。十分な保湿ケアと紫外線対策を続ければ、肌の状態は安定しやすくなります。

イソトレチノイン治療をお考えの方は渋谷駅前おおしま皮膚科へご相談ください

イソトレチノインは通常4〜6カ月の服用で効果が現れ、十分な累積用量に達すると再発リスクを抑えられる治療です。ただし、副作用や個人差もあるため、必ず医師と相談しながら継続することが大切です。

渋谷駅前おおしま皮膚科では、副作用のリスクに配慮した体制で治療を行っています。イソトレチノイン治療をお考えの方は、当院までお気軽にご相談ください。

渋谷駅前おおしま皮膚科|大島昇 監修】

渋谷駅前おおしま皮膚科が選ばれる3つの理由
①保険診療主体で医療連携機関が多数あり安心

最新の医療を学び、最善の医療を提供できるよう、努めています。また、疾患によっては、大学病院・総合病院と連携して治療します(東大病院をはじめ多数の大学病院の医療連携機関に登録されています)。

②平日は11時~19時30分、土日は9時~17時30分まで診療

渋谷駅前にあるため、アクセスがとても便利。お仕事や学校帰りに受診できるよう、夕方や土日も診察しています。

③年間23万人以上の来院実績

2024年度来院者数は、23万7,764人でした(注:2024年1月4日~2024年12月28日まで)。

アクネトレントについて

未承認医薬品等日本国内では未承認医薬品に該当
入手経路等当院医師の判断のもとPRSS社より購入しています。個人輸入された医薬品等の使用リスクに関する情報はリスクが潜む個人輸入をご確認ください。イソトレチノインの個人輸入についての厚生労働省の注意喚起はこちらのページをご確認ください。
国内の承認医薬品等の有無なし
諸外国における安全性等に係る情報服用期間中とその前後1か月間に性行為をする場合は、必ず避妊を行ってください。服用期間中とその後1か月間は妊娠、授乳、献血をしないでください。※妊娠女性への輸血により、胎児にイソトレチノインの影響が生じるおそれがあります。イソトレチノインを、他の人と共用しないでください。

【参考文献】

[1] Tan, J. K. L., et al. (2016). Evaluation of evidence for acne remission in patients treated with oral isotretinoin. Journal of Cutaneous Medicine and Surgery, 20(1), 49–56.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26187395

[2] Ko, J. et al. (2009). The efficacy of oral isotretinoin (Roaccutane(R)) in the treatment of acne by using the Korean Acne Grading System. Journal of Clinical Dermatology, 47, 287–294.

https://www.researchgate.net/publication/288812319_The_efficacy_of_oral_isotretinoin_Roaccutanenreg_in_the_treatment_of_acne_by_using_the_Korean_acne_grading_system

[3] Goulden V, Layton AM, Cunliffe WJ. (1994). Long-term safety of isotretinoin as a treatment for acne vulgaris. British Journal of Dermatology.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7918010

[4] Del Rosso, J. D., et al. (2019). An Open-label, Phase IV Study Evaluating Lidose-isotretinoin Administered without Food in Patients with Severe Recalcitrant Nodular Acne: Low Relapse Rates Observed Over the 104-week Post-treatment Period. J Clin Aesthet Dermatol, 12(11), 13–18.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32038751

[5] Demirci Saadet, E. (2021). Investigation of relapse rate and factors affecting relapse after oral isotretinoin treatment in patients with acne vulgaris. Dermatologic Therapy, e15109.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34431590