GLP-1ダイエットはどれが良い?選び方や使い方・副作用を紹介

GLP-1ダイエットとは、食欲をおさえることで食事量を減らし、自然な減量へと導いてくれる肥満治療です。
ここではGLP-1薬の選び方や使い方、副作用、よくある質問などを紹介します。
GLP-1ダイエットに興味はあるけれどどれがいいかわからないときにはぜひ参考にしてください。

GLP-1ダイエットとは

ここでは2型糖尿病の治療薬として使われているGLP-1受容体作動薬(以下GLP-1薬)について、代表的なダイエット効果について紹介します。

食欲を抑える

胃で消化された食べ物の影響で血糖値が高くなると、満腹中枢が働いて「満腹になった」と感じます。
GLP-1薬は、満腹中枢に直接働きかけることで食欲を抑えます。

満腹感が持続する

胃で消化された食べ物は小腸へと送り出されます。GLP-1薬は小腸に食べ物が送り出される動きを遅くして、胃にとどまっている時間を長くします。
そのため満腹感が持続して、食事量の減少につながるのです。

基礎代謝を高める

GLP-1薬は脂肪細胞に働きかけて、熱を産生しやすくして基礎代謝を上げます。
そのため体にたまった脂肪を分解しやすくなります。

GLP-1薬はこれらの働きにより、いつもよりも少ない食事量でも満足しやすくなり、減量しやすい体質へと導いてくれるのです。

(※GLP-1薬は、日本において2型糖尿病の目的に使うときには保険適用です。
しかし肥満治療の目的で使うときには公的医療保険が適用されない自由診療です。)

GLP-1薬の種類と選び方

当院で対応できるGLP-1薬は「リベルサス」、「オゼンピック」、「サクセンダ」、「ビクトーザ」、「マンジャロ」です。ここではGLP-1薬の特徴にあわせた選び方のポイントを紹介します。

※医師の診察結果によっては、ご希望の薬が処方できない場合もあります。あらかじめご了承ください。

<注射薬に抵抗がある方、飲み薬がいい方>

リベルサス(成分名:セマグルチド)

2023年現在、GLP-1薬の中で経口薬はリベルサスしか販売されていません。
注射薬に抵抗があり、飲み薬を希望している方に向いた薬といえるでしょう。

<ダイエット効果を実感したい方>

マンジャロ(成分名:チルゼパチド)

GLP-1以外にもGIPという部分に働きかけるマンジャロは、他のGLP-1薬に比べて減量効果が高い薬と言われています。

詳しくは「マンジャロのダイエット効果は?」をご覧ください。

<注射の手間を減らしたい方>

  • オゼンピック(成分名:セマグルチド)
  • マンジャロ(成分名:チルゼパチド)

どちらも週に1回投与するタイプの薬で、投与回数が少ないために注射の手間が減ります。

ただしオゼンピックは針の交換を自分でしなければなりません。
マンジャロは1回使い切りタイプのため針はすでにセットされており、交換の手間はありません。

<用量を細かく調整したい方>

  • ビクトーザ(成分名:リラグルチド)
  • サクセンダ(成分名:リラグルチド)

1日1回注射するタイプの薬で、どちらも同じ成分です。
ビクトーザは0.3mgずつ調節でき、最大1.8mgまで投与できます。
サクセンダは0.6mgずつ調整でき、最大3.0mgまで投与できます。
投与量を細かく調整したい方はビクトーザ、投与量の上限が気になる方はサクセンダを選ぶのもよいでしょう。

<GLP-1薬の選び方に困ったときには>

GLP-1薬にはさまざまな種類があり、それぞれで特徴が異なります。
当院では医師の診察後に一人ひとりにあわせた治療計画を提案しています。
GLP-1薬の選び方に悩んだときには、まずはお気軽にご相談ください。

GLP-1薬の飲み方・使い方

ここでは当院で対応しているGLP-1薬について、飲み薬の服用方法と注射薬の使い方を紹介します。

<飲み薬>

リベルサス

1日1回1錠を起床時など最初の飲食前に空腹時の状態で服用してください。

約120mLの水で服用し、服用後の飲食は30分経過してからにしましょう。

さらに詳しい服用方法については「リベルサスの効果的な飲み方」をご覧ください。

<注射薬>

注射薬の使い方についてそれぞれ紹介します。GLP-1の注射薬は種類ごとに使い方が異なるため、リンク先を参照してください。

オゼンピック

1週間に1回、同じ曜日に投与してください。投与時間に指定はありません。

0.25mgから開始して、4週間投与した後に0.5mgへ増量します。

0.5mgを継続しても期待した効果を実感しにくいときには、医師までご相談ください。

オゼンピックの使い方について

サクセンダ

1日1回、朝または夕に皮下注射します。
できるだけ同じ時間に投与してください。

0.6mgから開始して、1週間以上の間隔をあけて0.6mgずつ増量します。
維持量については医師の指示を守ってください。

サクセンダの使い方について

ビクトーザ

1日1回、朝または夕に皮下注射します。
できるだけ同じ時間に投与してください。

0.3mgから開始して、1週間以上の間隔をあけて0.3mgずつ増量します。
維持量については医師の指示を守ってください。

ビクトーザの使い方について

マンジャロ

1週間に1回、皮下注射します。
2.5mgから開始して4週間投与を続けてから、5mgに増量します。
5mgを継続しても期待した効果を実感しにくいときには、医師までご相談ください。

マンジャロの使い方について

GLP-1ダイエットのよくある質問

ここでは代表的な質問について回答しています。
ここで紹介されている以外にも気になることがあるときにはいつでもご相談ください。

Q.痩せたいときにだけ薬を使っても痩せますか?

A.

GLP-1の薬は1日1回、1週間に1回などそれぞれの薬ごとに決められた用法用量で使ってください。
たとえば食べ過ぎた日にだけ使うという方法は、期待した減量効果を実感しにくくなるために避けましょう。
空腹感がありツライときや、決められたタイミングで使うのが難しい時には医師までご相談ください。

Q.GLP-1薬で本当に痩せる?痩せないときはどうすればいいですか?

A.

GLP-1薬の効果を実感するタイミングには個人差があります。
期待した効果を実感する目安は服用をはじめてから2~3か月後です。

短期間だけ使用して痩せないと思ったときでも、使用を続けることで効果があらわれやすくなります。
自分の判断で使用を中止しないでください。どうしても痩せないと感じたときには、薬の使用方法を再度確認しましょう。

他の注意点については「GLP-1ダイエットで痩せない理由と注意点」をご覧ください。

Q.GLP-1薬を開始してから気になる症状が続いています。これは副作用ですか?

A.

GLP-1薬の代表的な副作用と対処法を紹介しますので参考にしてください。

胃腸障害(便秘、下痢、お腹のハリ、胃のムカつきなど)

使用開始後すぐにあらわれやすい副作用です。
ほとんどの場合は、使用を継続するうちに数日~数週間で落ち着くことがほとんどです。
維持用量へ変更してもこれらの症状が長く続いているときや、症状が強くあらわれているときには当院までご相談ください。

膵炎(激しい腹痛、激しい背中の痛み、吐き気、嘔吐など)

症状があらわれることはまれですが、これらの症状があらわれたときにはすぐに使用を中止して医師の診察を受けてください。

低血糖症状(空腹感、冷や汗、ふるえ、動悸、だるさなど)

GLP-1薬は、他の糖尿病薬に比べると低血糖症状が起こりにくい薬です。
しかし低血糖症状が起こったときには、ジュースや飴などブドウ糖の入った飲食物をとって安静に過ごしてください。

15分以上経過しても症状がおさまらないときには、同じ飲食物をとってください。
また車を運転しているときはすぐに安全な場所に車を止めましょう。

これらの対処をしても症状が急激に悪化しているときや、症状が繰り返し起こるときには、すぐに病院を受診してください。

Q.リベルサスを飲み忘れたのですが、どうすればいいですか?

A.

内服薬の飲み忘れに気がついたときには、以下のように対処してください。
何度も忘れてしまうときには、当院までご相談ください。

リベルサス

飲み忘れに気がついたときには、その日の分は服用しないでください。
次の日の空腹時(起床時など、1日の最初の飲食前)に服用しましょう。
また服用前に飲食をしてしまったときにも、同じように対応してください。

Q.オゼンピックを使い忘れたのですが、どうすればいいですか?

A.

注射薬を使い忘れたときには、以下のように対処してください。
何度も忘れてしまうときには、当院までご相談ください。

オゼンピック

オゼンピックは1週間に1回注射するタイプの薬です。
使い忘れに気がついたときから、次に投与するまでの時間によって対処方法が異なりますのでご注意ください。
またどちらの方法であっても、2回分をまとめて一度に注射するのは止めてください。

<次に注射するまでの時間が48時間(2日)未満のとき>

注射をせずに次回の予定日に注射してください。

<次に注射するまでの時間が48時間(2日)以上のとき>

すぐに注射をしてください。次の注射は、もともとの予定日にあわせて注射してください。


Q.サクセンダを使い忘れたのですが、どうすればいいですか?

注射薬を使い忘れたときには、以下のように対処してください。
何度も忘れてしまうときには、当院までご相談ください。

サクセンダ

サクセンダは1日に1回注射するタイプの薬です。
使い忘れに気がついたときから、次に投与するまでの時間によって対処方法が異なりますのでご注意ください。
またどちらの方法であっても、2回分をまとめて一度に注射するのは止めてください。

<次に注射するまでの時間が12時間未満のとき>

すぐに注射をしてください。次の注射は、もともとの予定時間にあわせて注射してください。

<次に注射するまでの時間が12時間以上のとき>

その日は注射をせずに、次回の予定日に注射してください。

<2~3日以上投与しなかったとき>

サクセンダは副作用である胃腸障害を予防するために0.6mgから開始する薬です。
3日以上投与しなかったときには、再度開始用量の0.6mgからはじめてください。
その後は1週間以上の間隔を空けて0.6mgずつ増量し、もともとの維持量を目指してください。

Q.ビクトーザを使い忘れたのですが、どうすればいいですか?

注射薬を使い忘れたときには、以下のように対処してください。
何度も忘れてしまうときには、当院までご相談ください。

ビクトーザ

ビクトーザは1日に1回注射するタイプの薬です。
使い忘れに気がついたときから、次に投与するまでの時間によって対処方法が異なりますのでご注意ください。
またどちらの方法であっても、2回分をまとめて一度に注射するのは止めてください。

<次に注射するまでの時間が12時間未満のとき>

すぐに注射をしてください。次の注射は、もともとの予定時間にあわせて注射してください。

<次に注射するまでの時間が12時間以上のとき>

その日は注射をせずに、次回の予定日に注射してください。

<2~3日以上投与しなかったとき>

ビクトーザは副作用である胃腸障害を予防するために0.3mgから開始する薬です。
2~3日以上投与しなかったときには、再度開始用量の0.3mgからはじめてください。
その後は1週間以上の間隔で0.3mgずつ増量してもともとの維持量を目指してください。

Q.マンジャロを使い忘れたのですが、どうすればいいですか?

注射薬を使い忘れたときには、以下のように対処してください。
何度も忘れてしまうときには、当院までご相談ください。

マンジャロ

マンジャロは1週間に1回注射するタイプの薬です。
使い忘れに気がついたときから、次に投与するまでの時間によって対処方法が異なりますのでご注意ください。
またどちらの方法であっても、2回分をまとめて一度に注射するのは止めてください。

<次に注射するまでの時間が72時間(3日)未満のとき>

忘れた分は注射をせずに、次回の予定日に注射してください。

<次に注射するまでの時間が72時間(3日)以上のとき>

すぐに注射をしてください。次の注射は、もともとの予定時間にあわせて注射してください。

Q.使っているGLP-1薬から、他のGLP-1薬に切り替えたいのですが?

A.

まずは現在の症状や体調、使用状況などを確認しますので、医師の診察を受けてください。
その後ご希望の薬へ変更できると医師が判断したときにのみ処方いたします。
診察の結果によってはご希望の薬へ変更できないこともあるためご了承ください。

渋谷駅前おおしま皮膚科院長|大島 昇 監修

使用上の注意

リスク、副作用

  • GLP-1受容体作動薬の適用は、あらかじめ肥満治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮すること。
  • 急性膵炎、下痢、悪心・嘔吐、嘔吐を伴う激しい腹痛、腹痛、食欲減退、浮動性めまい、糖尿病網膜症、味覚異常、低血糖症状などの副作用が起こる可能性があります。
  • 重度の胃腸障害 (胃潰瘍、炎症性腸疾患など)、膵炎や甲状腺疾患の既往、低血糖を起こす可能性が高い方(糖尿病、妊娠中または 2か月以内に妊娠を予定している、授乳中)は服用できません。

「オゼンピック、ビクトーザ、マンジャロ、リベルサスについて」

  • 未承認医薬品等(異なる目的での使用)

オゼンピック、ビクトーザ、マンジャロ、リベルサスは医薬品医療機器等法において、2型糖尿病の効能・効果で承認されています。
しかし当院で行っている肥満治療目的の使用については国内で承認されていません。

  • 入手経路等

国内の医薬品卸業者より国内の承認薬を仕入れています。

  • 国内の承認医薬品の有無

国内で肥満治療の効能・効果で製造販売承認されているGLP-1製剤に「ウゴービ」があります。
オゼンピック、ビクトーザ、マンジャロ、リベルサスを一般名とする医薬品は国内では2型糖尿病の効能・効果で承認されておりますが、承認されている効能・効果及び用法・用量と当院での使用目的・方法は異なります。

  • 諸外国における安全性などに係る情報

GLP-1受容体作動薬の注射製剤が米国FDAで肥満治療薬として承認されています。

「サクセンダについて」

  • 未承認医薬品等

サクセンダは医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医薬品です。

  • 入手経路等

当院で使用しているサクセンダはノボノルディスクファーマ社で製造されたものを当院で個人輸入しています。

  • 国内の承認医薬品等の有無

国内において承認されている医薬品はありません。

  • 諸外国における安全性等に係る情報

FDA (米国食品医薬局)やEMA (欧州医薬品庁)において、肥満症の適応で承認を得た食欲抑制剤です。
※個人輸入された医薬品等の使用リスクに関する情報はこちらをご確認ください。

GLP-1ダイエットの料金

当院のGLP-1ダイエットは、公的医療保険が適用されない自由診療(自費)です。

<注射薬>

オゼンピック(成分名:セマグルチド)

(針・消毒綿は別途購入)

オゼンピック皮下注射2.0mg 1本 ¥19,500(税込¥21,450)
針・消毒綿(8回分)¥500(税込¥550)

ビクトーザ(成分名:リラグルチド)

(針・消毒綿1か月分付き)

ビクトーザ 18mg 1本(針・消毒綿1か月分付き) ¥15,800(税込¥17,380)

サクセンダ(成分名:リラグルチド)

(針・消毒綿1か月分付き)

サクセンダ 18mg 1本(針・消毒綿1か月分付き)¥14,800(税込¥16,280)

マンジャロ(成分名:チルゼパチド)

マンジャロ 2.5mg(直接当院にお越しの方のみ)¥21,000(税込¥23,100)
マンジャロ 5mg(直接当院にお越しの方のみ)¥38,000(税込¥41,800)

<飲み薬>

お薬代

リベルサス(成分名:セマグルチド)
リベルサス 3㎎ 30錠¥4,200(税込¥4,620)
リベルサス 7㎎ 30錠¥12,800(税込¥14,080)
リベルサス 14㎎ 30錠¥16,700(税込¥18,370)

注射薬、飲み薬はどちらもお薬代以外に下記の料金が必要です。

診察料

オンラインでご購入の場合¥1,000(税込¥1,100)
直接ご来院の場合¥1,000(税込¥1,100)

郵送料

注射薬の場合
クール宅配便(品質保持のため)¥2,000(税込¥2,200)
飲み薬の場合
郵送料¥1,000(税込¥1,100)