脂性肌の方必見!イソトレチノインで皮脂を抑えられる?ニキビや毛穴への効果も紹介
「いつも肌がベタベタしているのが気になる」「イソトレチノインで皮脂は抑えられる?」脂性肌に対してイソトレチノイン治療が良いと聞き、治療を迷っている方もいるのではないでしょうか。
イソトレチノインは、皮脂の抑制に効果が期待できる薬です。日本では承認されていない薬ですが、アメリカではニキビ治療にも使われています。
皮脂抑制効果があるため、オイリーですぐメイクが崩れてしまう方やニキビができやすい方に向いています。
この記事では、イソトレチノインでの皮脂を抑える効果についてだけでなく、ニキビや毛穴への効果についても紹介しています。イソトレチノイン治療を辞めた後や注意点についても解説しているため、オイリー肌でお悩みの方はぜひ最後までお読みください。
イソトレチノインの皮脂を抑える効果とは
イソトレチノインは、皮脂を分泌する器官である皮脂腺のアポトーシス(原因となる細胞に自死してもらう)を誘導します。それにより、皮脂腺を縮小させ、皮脂の分泌を抑える作用を持っています。
ニキビができる原因は、過剰な皮脂により毛穴が詰まってアクネ菌が増殖し、毛穴の中で炎症が起こるためです。皮脂の抑制効果を持つイソトレチノインを使用すると、ニキビもできにくくなるでしょう。
皮脂抑制作用を活かし、イソトレチノインは海外でニキビ治療薬として利用されています。過剰な皮脂を減らし、毛穴の炎症リスクを軽減する役割が期待されている薬です。[1][2]
ニキビや毛穴への効果
イソトレチノインの皮脂抑制以外の効果は以下のとおりです。
- 皮膚の角化を防ぐ
- アクネ菌の増殖を抑える
- 炎症を抑える・免疫を調整する
- 毛穴詰まりを解消する
それぞれについて詳しく紹介します。
皮膚の角化を防ぐ
イソトレチノインは皮膚の角化を抑える作用を持ちます。角化異常が起こると、皮膚のターンオーバーが上手くいかなくなるため、毛穴の出口が角質で塞がれてしまいます。[3]
結果的に毛穴に皮脂が溜まり、面皰(めんぽう:ニキビのもと)が形成されるようになります。
イソトレチノインは、毛穴での皮膚の角化を防ぐ作用を持つため、結果的にニキビができにくくなると言われています。
アクネ菌の増殖を抑える
イソトレチノインを使用すると、ニキビの原因となるアクネ菌の増殖を抑えられます。イソトレチノインが、アクネ菌のエサとなる皮脂の分泌を抑える作用を持つためです。
アクネ菌の増殖が抑えられるイソトレチノインは、ニキビの治療にも効果が期待できるでしょう。
炎症を抑える・免疫を調整する
イソトレチノインはニキビによる赤みや炎症を抑えると言われています。炎症を抑える作用のほかには、免疫を調整する作用を持つとの報告もあります。[4][5]
イソトレチノインを使用することにより、治りにくい赤いニキビへの効果が期待できるでしょう。
毛穴詰まりを解消する
イソトレチノインを使用すると、過剰な皮脂分泌が抑えられるため、毛穴内に皮脂が溜まりにくくなります。
毛穴詰まりが解消できるため、ニキビ予防だけでなく、毛穴の開きが目立ちにくくなるでしょう。[3]
イソトレチノインについてさらに詳細を知りたい方はこちらもご覧ください
イソトレチノイン 1ヵ月8,250円~ |ニキビの飲み薬に関するご相談なら渋谷駅前おおしま皮膚科へ
イソトレチノインがおすすめな方
イソトレチノインがおすすめな方は以下のとおりです。
- ニキビでお悩みの方
- 脂性肌の方
- 毛穴の開きが気になる方
それぞれ詳しく解説します。
ニキビでお悩みの方
イソトレチノインは、ほかの治療では治りにくい、頑固なニキビに悩む方に向いているでしょう。皮脂分泌を抑え、アクネ菌の増殖を防いでニキビができにくくなるためです。
イソトレチノインはアメリカでは重症ニキビの治療薬として実績があります。一方、日本では保険適用がありません。治療を検討する際は専門医とよく相談することが大切です。[6]
ほかの方法で効果がみられなかった方には、イソトレチノインが新たな選択肢になるでしょう。
脂性肌の方
ベタつきの気になる脂性肌の方には、イソトレチノイン治療が向いています。イソトレチノインには、皮脂の分泌される皮脂腺を縮小させ、分泌量を抑える働きがあるためです。
汗ばむ季節でも皮脂量が抑えられ、ベタつきを軽減することでサラサラ肌を保ちやすくなるでしょう。
イソトレチノインを使用した治療は、テカリや化粧崩れが気になる方にも向いている治療です。
毛穴の開きが気になる方
イソトレチノインは、毛穴の開きが気になる方にも効果が期待できます。皮脂の分泌を抑えることで毛穴の詰まりを防ぎ、開きが目立ちにくくなるためです。
過剰な皮脂は、毛穴の詰まりの原因となります。イソトレチノインによって皮脂が抑えられると肌の角化異常が解消され、毛穴の開きも目立ちにくくなるでしょう。
自宅でのケアに限界を感じたら、一度医療機関で相談してみると良いですよ。
皮脂分泌がおさまるまでにかかる期間
イソトレチノインは、服用開始から4週間ほどで皮脂抑制の効果が感じられ、さらに16週間ほど継続すると、75〜90%の皮脂が抑えられたと報告されています。[7]
ただし、治療の進み具合や感じ方には個人差があります。必ず医師の指示に従って服用し、自分で量を調整しないようにしましょう。
イソトレチノインを辞めた後はどうなる?
イソトレチノイン治療を続けて症状が良くなっても、辞めた後に悪化してしまったり元に戻ってしまったりしないか気になりますよね。ここでは、辞めると元に戻ってしまうのか、また戻らないようにするにはどうすれば良いのかについて解説します。
皮脂は元に戻るのか
イソトレチノインを中止すると、時間の経過とともに皮脂の産生は徐々に回復していきます。ある研究によると、約4ヶ月後には治療前の60〜95%まで戻ったという報告もあり、バラつきがあります。低用量では95%程度まで、高用量では60〜66%程度まで回復していたようです。[7]
再発のリスクがゼロではないため、治療終了後も肌の状態を見守る必要があるでしょう。
ただし、ニキビ治療の場合、通常イソトレチノインを約5ヶ月続けて辞めた後、約3年はニキビが作られにくくなることがわかっています。アメリカの皮膚科学会は、患者によってはイソトレチノインでの治療終了後、それ以降治療が必要ない患者もいるとしています。[6]
元に戻らせないために重要なこと
治療終了後に元の状態に戻らせないようにするためには、イソトレチノインをきちんと飲み切ることです。効果を得るうえでは欠かせません。途中で服用を止めたり、量を自己判断で調節したりすると体内でイソトレチノインの濃度が保たれず、再び症状が出るリスクが高まります。[7]
適正量や期間は、体重を基準に医師が算出します。自己判断はせず、医師の指示どおりに継続することで、イソトレチノインを辞めた後も良い状態を維持しやすくなるでしょう。
イソトレチノインを辞めた後はどうなる?再発の可能性についても解説(2024年更新) | 渋谷駅前おおしま皮膚科
イソトレチノインの注意すべき副作用
イソトレチノインには、服用するときに注意すべき副作用があります。ここでは、重篤な副作用とよくみられる副作用に分けて解説します。
重篤な副作用
めったにみられないですが、イソトレチノインでの重篤な副作用は以下のとおりです。
妊婦への影響 | 胎児の奇形、流産、死産、早産 |
精神症状 | うつ、幻覚、幻聴、自傷行為、自殺企図など |
消化器症状 | 急性膵炎 |
皮膚症状 | スティーブンスジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症 |
妊娠の可能性がある人は服用期間中、前後1ヶ月は絶対に妊娠しないこと、とされています。胎児の奇形や流産・死産の可能性があるためです。また授乳や献血もできません。[8]
よくみられる副作用
イソトレチノインによって起こる副作用の中でも、唇の乾燥はみられやすい副作用です。飲む量が多くなるほど起こりやすくなります。
鼻の乾燥や日光過敏症もよくみられます。日頃から保湿剤を塗って保湿を心がけましょう。日やけ止めや日傘で紫外線対策をすることも大切です。
おおしま皮膚科では、イソトレチノインを服用する前、服用後1ヶ月に必ず血液検査を実施し、肝機能や脂質異常などの副作用を早期発見ができるようにしています。
イソトレチノインの影響により、体調悪化の危険性が高いと医師が判断した場合には処方を中止することもあります。
イソトレチノインの副作用に関してはこちらの記事もご覧下さい。
おおしま皮膚科のイソトレチノイン治療の特徴
当院におけるイソトレチノイン治療の特徴や治療の流れ、料金について解説します。
当院の治療の特徴
当院では、治療開始前と開始1ヶ月後に血液検査を行い、副作用の有無や血液検査から体調の変化がないか確認します。
血液検査の結果からイソトレチノインの影響が疑われる場合は、医師が治療を中止する可能性があります。当院では、患者さまの体調を考慮し、血液検査の結果を確認しながら慎重に継続について判断しています。
治療の流れ
以下はおおしま皮膚科でのイソトレチノインを使用した治療の流れです。
- 医師による診察と事前の血液検査
イソトレチノインが使用できるかどうか、医師による診察にて確認します。副作用症状が出たときにすぐ対処できるよう、事前に血液検査を行います。 - 服用開始
患者さまの体重や肌の状態に応じて、その方に適切な量と期間を決定します。 - 開始1ヶ月後の血液検査・経過の確認
開始1ヶ月後にも血液検査を行い、服用前の結果と比較して副作用が出ていないかを確認します。イソトレチノインの影響が考えられる場合は、医師判断により、治療を中止することもあります。 - 症状の改善がみられたら終了
症状の改善がみられた場合、治療は終了します。
期間 | 1クール:約6ヶ月(個人によって異なる) |
飲み方 | 1日1〜2回(毎日)必ず食後に飲むこと |
1日の服用量 | 10〜20mg(個人によって異なる) |
採血 | 服用開始前、開始1ヶ月後に実施し、副作用の有無を調べる |
注意点 | 飲み忘れた場合でも一度に2回分飲まない |
上記は一例です。症状が良くなれば、早めに治療が終了する場合もあります。服用量や服用期間には個人差があるため、詳しくは診察時にご確認ください。
料金
イソトレチノインの費用と服用回数は以下のとおりです。イソトレチノインでの治療は、保険適用のない自由診療となります。通常1日1〜2回の服用ですが、適切な用量や飲む回数は人によって異なります。
アクネトレント
10mg(30錠) | 7,500円(税込8,250円) |
20mg(30錠) | 12,000円(税込13,200円) |
イソトレチノイン治療に関するよくある質問
イソトレチノインを用いた治療に関するよくある質問にお答えします。
イソトレチノインは皮脂を抑える作用がありますか?
イソトレチノインには皮脂が分泌される皮脂腺自体を縮小し、皮脂を抑える作用があります。
イソトレチノインをやめた後、皮脂はどうなる?
やめた後は徐々に元に戻るという報告があります。しかし、体重から算出された自分にあう量を決められた期間、指示通り続けることで再発の可能性は低くなります。アメリカの皮膚科学会では一定期間のみ切った患者は再度治療する必要はないとしています。[6][7]
イソトレチノインの皮脂抑制作用はいつから?
イソトレチノインは、服用開始から4週間ほどで皮脂抑制の効果を感じられると報告されています。ただし、効果を感じるまでの時間には個人差があります。治療をする上では、医師の指示に従って決められた量を継続することが大切です。[7]
脂性肌でお悩みなら渋谷駅前おおしま皮膚科へ相談を
イソトレチノインは皮脂が分泌される器官である皮脂腺を縮小させ、皮脂分泌を抑える作用を持っています。皮脂が抑えられることにより、毛穴の詰まりを解消したりニキビができにくくなったりする効果も期待できるでしょう。
さまざまな効果が期待できるイソトレチノインですが、副作用にはとくに注意しなければいけません。当院では、服用前と服用1ヶ月後に必ず血液検査を行います。検査結果や診察により、副作用の有無や治療継続が可能かどうかを医師が慎重に判断しています。
また、治療後に皮脂の状態が元に戻らないようにするためには、患者さま一人ひとりに合った量を飲むことが大切です。脂性肌でメイクが崩れやすい、皮脂が多くニキビや毛穴の開きに悩んでいる方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
<アクネトレントについて>
未承認医薬品等 | 日本国内では未承認医薬品に該当 |
入手経路等 | 当院医師の判断のもとPRSS社より購入しています。個人輸入された医薬品等の使用リスクに関する情報はリスクが潜む個人輸入をご確認ください。イソトレチノインの個人輸入についての厚生労働省の注意喚起はこちらのページをご確認ください。 |
国内の承認医薬品等の有無 | なし |
諸外国における安全性等に係る情報 | 服用期間中とその前後1か月間に性行為をする場合は、必ず避妊を行ってください。服用期間中とその後1か月間は妊娠、授乳、献血をしないでください。※妊娠女性への輸血により、胎児にイソトレチノインの影響が生じるおそれがあります。イソトレチノインを、他の人と共用しないでください。 |
参考文献
[1]13-cis Retinoic acid induces apoptosis and cell cycle arrest in human SEB-1 sebocytes – PubMed
[2]Label: ISOTRETINOIN capsule