イソトレチノインはいつ飲む?効果を得るために適切な時間帯と注意点を解説
イソトレチノインはニキビ治療に使われる飲み薬です。「いつ飲むと効果的なの?」「もし飲み忘れたら、まとめて飲んでいい?」など、飲み方に関する疑問をお持ちではないでしょうか。
間違った飲み方をしていると、せっかくの治療効果が十分に発揮されない可能性があります。また、イソトレチノインは副作用にも注意が必要な薬です。自己流で飲んでいると、副作用症状が出ていても気がつかないまま進行してしまうことも。
この記事では、イソトレチノインはいつ飲むのがベストなのか、効果を得るために適切な時間帯や飲み忘れたときの対処法、注意点まで解説しています。
長年ニキビにお悩みで、イソトレチノイン治療に興味がある方はぜひ最後までお読みください。
イソトレチノインはいつ飲むのか
イソトレチノインは日本では未承認の薬ですが、アメリカFDAでは承認されているニキビ治療薬です。ここでは、イソトレチノインをいつ飲むと効果が得られやすいのか、下記について詳しく解説します。
- 効果的なタイミング
- 食後服用が良い理由
効果的なタイミング
イソトレチノインは 1日1〜2回、食後の服用が基本です。毎日決まった時間に服用することで体内での薬物濃度が安定し、効果が持続します。[1]
朝食後や夕食後などライフスタイルに合わせて毎日同じ時間に服用することが大切です。
イソトレチノインの量や回数は、症状や体重などにあわせて医師が調整します。必ず医師の指示に従い、決められた用法用量を守って服用しましょう。
食後服用が良い理由
イソトレチノインは油に溶けやすい性質があるため、食後に飲むと食事の脂肪分と一緒に吸収されやすくなります。より効率よく吸収し、副作用を減らすためにも食後の服用を推奨されていることが多いです。
また、イソトレチノインは食道を刺激しやすく、飲むときはコップ1杯程度の水でしっかり流し込みましょう。食道への負担や違和感を軽減できると言われています。[2]
イソトレチノインについてさらに詳細を知りたい方はこちらもご覧ください。
イソトレチノイン 1ヵ月8,250円~ |ニキビの飲み薬に関するご相談なら渋谷駅前おおしま皮膚科へ
イソトレチノインを飲み忘れた場合の対処法
イソトレチノインを飲み忘れた場合、どうすれば良いのか迷いますよね。ここでは服用が不規則になると効果は減るのかや、飲み忘れたときの対処法について詳しく解説します。
不規則になると効果は減るのか?
イソトレチノインは、毎日同じ時間に服用することで体内の薬の濃度が安定しやすくなります。濃度が安定することによって、薬の効果も安定します。
イソトレチノインの消失半減期*は約18時間であるため、3日ほど続けると体内での濃度が安定し、効果が期待できるようになります。
飲み忘れが多いと、体内での濃度が安定せず、効果が十分に得られにくくなる可能性があるため注意しましょう。[1]
消失半減期*:薬が体内で半分に分解・排出されるまでの時間
飲み忘れたときの対処法
飲み忘れに気づいたら、その回の服用は飛ばしましょう。「2回分まとめて飲む」は絶対に避けてください。過剰な量を一度に飲むと副作用のリスクが高まります。次の服用時間になったら、いつも通り1回分を服用します。
飲み忘れた分をカバーしようとして勝手に量を増やしたり、決められたタイミング以外で飲んだりすることはやめましょう。
イソトレチノインの併用禁忌
当院では、下記の薬をイソトレチノインとの併用禁忌としています。
- ビタミンA
- テトラサイクリン
- ステロイド(飲み薬)
上記の薬は相互作用が起こりやすいため、イソトレチノインと一緒に服用できません。過去に重度のアレルギーを起こした場合も使用を避けた方がよいでしょう。
また、女性ホルモン剤(ノルエチンドロン、エチニルエストラジオール)とも相互作用をおこすことがわかっています。臨床的には問題ないと報告がありますが、併用の際は、事前に医師に相談しましょう。[1]
また、アルコール摂取は禁止されているわけではありません。ただし、過剰な摂取は肝臓に負担がかかり、副作用のリスクが上がるため注意しましょう。
イソトレチノインはどれくらいの期間飲む必要がある?
イソトレチノインは通常15〜20週間程度、毎日服用する必要があります。ただし、症状や体重によって個人差があります。[2]
たとえ症状がよくなっても、自己判断で途中でやめてはいけません。途中でやめてしまうと再発しやすいため、医師の指示どおりに最後まで継続することが大切です。体重に応じた目安の服用量や期間を守ることで、より再発を防ぎやすくなります。
詳細は下記の記事をご覧ください:
イソトレチノインを辞めた後はどうなる?再発の可能性についても解説(2024年更新) | 渋谷駅前おおしま皮膚科
服用中に注意すべき副作用
イソトレチノイン服用中に注意すべき副作用について、事前に知っておくことが大切です。ここでは、重篤な副作用とよくみられる副作用に分けて解説します。
重篤な副作用
主な副作用とリスクは以下の表の通りです。[1]
妊婦への影響 | 胎児の奇形、流産、死産、早産 |
精神症状 | うつ、幻覚、幻聴、自傷行為、自殺企図など |
消化器症状 | 急性膵炎 |
皮膚症状 | スティーブンスジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症 |
イソトレチノインを服用中、または服用前後1ヶ月間は必ず避妊を行ってください。妊娠、授乳、献血も服用期間中と服用後1ヶ月は控える必要があります。妊娠中の方に輸血された場合、胎児へ薬の影響が及ぶ可能性があるためです。[3]
心配な場合は、事前に医師へ相談しましょう。
よくみられる副作用
イソトレチノインのよくみられる副作用として下記の症状が特徴の口唇炎(こうしんえん)が起きやすいと言われています。
- 唇の乾燥
- 皮めくれ
- 唇の腫れ
上記の症状は、服用量が多いほど症状が出やすくなります。
また、鼻の乾燥や日光過敏症も頻繁によくみられる副作用です。予防のためには、保湿剤でしっかり保湿を行い、日焼け止めの使用や日傘などで紫外線を避けることが大切です。
イソトレチノインでは肝機能障害や脂質異常が生じる可能性も報告されています。当院では服用開始前と服用開始1ヶ月後に採血を行っています。定期的な血液検査を実施し、早めに副作用を発見できるようにするためです。
検査結果などから、体調悪化のリスクが高いと判断した場合には、医師の判断で処方を中止することもあります。
イソトレチノインの副作用について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
イソトレチノインの使用したおおしま皮膚科の治療の特徴
当院におけるイソトレチノイン治療の特徴や治療の流れ、料金について解説します。
治療の特徴
当院では、イソトレチノインを服用開始前と服用開始1ヶ月後に血液検査を行い、副作用が出ていないかを確認します。検査結果からイソトレチノインの影響があると判断された場合、医師が治療の中止を検討する場合もあります。
この点の判断が難しいため、イソトレチノインを個人輸入(通販)で入手することは推奨していません。
詳しいリスクや個人輸入の危険性について知りたい方は、当院の「イソトレチノインの個人輸入(通販)は怖い?どこで買えるの?」をお読みください。
当院のニキビ治療の流れ
おおしま皮膚科でのイソトレチノインを使用したニキビ治療の流れです。
期間 | 1クール:16~24 週間とし服用開始※個人差があります |
飲み方 | 1日1〜2回(毎日)必ず食後に飲むこと |
1日の服用量 | 開始時は体重1kgあたり0.5mgが目安40~50kg台:20〜25mg/日60~70kg台:30〜35mg/日 |
採血 | 開始1ヶ月後に実施し、副作用の有無を調べる |
注意点 | 2クール目を希望する場合は少なくとも2ヶ月間休薬飲み忘れた場合でも一度に2回分飲まない |
多くの方は2ヶ月程度で改善がみられるため、1クールで終了する場合が多いです。[4][5]
料金
イソトレチノインの費用と服用回数は以下のとおりです。保険適用のない自由診療となります。
]通常1日1〜2回の服用ですが、適切な用量や飲む回数は人によって異なります。
当院での販売は、10錠あるいは30錠単位です。
アクネトレント(1錠あたり)
10mg(10錠) | 2,500円(税込2,750円) |
10mg(30錠) | 7,500円(税込8,250円) |
20mg(10錠) | 4,000円(税込4,400円) |
20mg(30錠) | 12,000円(税込13,200円) |
イソトレチノインを飲むタイミングに関するよくある質問
イソトレチノインを飲むタイミングに関するよくある質問について回答します。
イソトレチノインはどの時間帯に飲むべき?
時間帯に決まりはありませんが、1日1〜2回、毎日同じ時間帯に服用します。
毎日決まった時間に服用することで、体内で薬の濃度が安定して効果が持続します。[1]
イソトレチノインは朝と夜どちらがいいですか?
時間帯に決まりはありません。1日2回であれば朝と夜に飲むのが一般的です。
飲むタイミングに迷う場合は医師や薬剤師に相談しましょう。
イソトレチノインはなぜ食後に飲むのですか?
イソトレチノインは油に溶けやすい性質を持ちます。
食後に飲むと食事の脂肪分と一緒に吸収されやすくなるため、食後の服用が推奨されています。
イソトレチノイン治療が気になる方は渋谷駅前おおしま皮膚科へ相談を
イソトレチノインは食後に服用すると吸収率がアップすると言われています。服用する時間帯に決まりはありません。ただし、毎日同じ時間帯に服用するようにしましょう。
飲み忘れた場合は、1回服用を飛ばすようにしてください。2回分まとめて服用したり自分で飲む量を調整したりしてはいけません。
渋谷おおしま皮膚科では、長年ニキビに悩まされてきた方のためにイソトレチノインを使用したニキビ治療を行っています。
今までいろいろなスキンケアや治療を試してみたけれど、よくならない……とお悩みの方は、ぜひ一度当院へお気軽にご相談してください。
<アクネトレントについて>
未承認医薬品等 | 日本国内では未承認医薬品に該当 |
入手経路等 | 当院医師の判断のもとPRSS社より購入しています。 |
国内の承認医薬品等の有無 | なし |
諸外国における安全性等に係る情報 | 服用期間中とその前後1か月間に性行為をする場合は、必ず避妊を行ってください。服用期間中とその後1か月間は妊娠、授乳、献血をしないでください。※妊娠女性への輸血により、胎児にイソトレチノインの影響が生じるおそれがあります。イソトレチノインを、他の人と共用しないでください。 |
<参考文献>
[1]Label: ISOTRETINOIN capsule
[2]Isotretinoin StatPearls Hannah D. Pile; Nazia M. Sadiq.
[3]アキュテイン(ACCUTANE)(わが国で未承認の難治性ニキビ治療薬)に関する注意喚起について |厚生労働省
[4]Isotretinoin