ニキビやニキビ跡の救世主イソトレチノイン。目安の治療期間は?
「どんな治療をしてもニキビがよくならない」「赤くなったニキビ跡が気になっている」とお悩みの方には、イソトレチノインの服用をおすすめします。
イソトレチノインは難治性ニキビに効果が期待でき、海外ではガイドラインで推奨され、広く認知されています。
今回は、イソトレチノインに期待できる効果や目安の服用期間、副作用などをご説明します。
イソトレチノインとは
イソトレチノインは、重症のニキビに対して効果が期待できます。
ビタミンA誘導体の一種で、皮脂分泌や細胞を正常化し、毛穴の開きや毛穴つまりにアプローチします。
また抗炎症作用によりニキビを改善して肌を健やかに保ち、ニキビが作られにくい肌状態に近づけます。
欧米ではロアキュタン、アクネトレント、アキュテインなどの商品名で販売されています。
日本では未承認となっていますが、海外では重症ニキビに対して有効とされ、30年以上前から使用され続けている歴史の長い内服薬です。
イソトレチノインが効果的な症状
皮脂腺の縮小
イソトレチノインは、皮脂腺を退縮させ、皮脂の分泌量を減少させる作用があります。
皮脂分泌の抑制はニキビの原因とされるアクネ菌の活動を静めて定着を予防し、ニキビの発生や炎症が進行することを防ぎます。
細胞の正常化
イソトレチノインは細胞にはたらきかけ、表皮細胞や皮脂腺細胞などの皮膚細胞を正常に整える作用があります。
細胞が正常にはたらくと、異常な角化や毛穴のつまりなどが生じにくくなると考えられます。
抗炎症作用
過剰に免疫反応がはたらくことで炎症が発生します。
イソトレチノインは、免疫反応を調整する作用があり、ニキビの赤みや炎症を静めます。
イソトレチノインの服用によって、ニキビ、ニキビ跡の他、毛穴の黒ずみや毛穴のつまり、赤ら顔など、さまざまなお悩みに対応できます。
イソトレチノインはどれくらいの期間内服が必要?
イソトレチノインを内服する期間は、通常は5ヵ月程度です。
ただし患者さまの状態によって異なります。当院では、次のような治療期間を設けています。
3ヵ月程度服用を続け、様子を見る
まずは3ヵ月程度服用を続け、症状の改善があるか、副作用の程度などを確認します。
患者さまの状態によりますが、その後は5ヵ月頃まで服用を続けます。
5ヵ月程度の服用で改善される患者さまが多いです。
体重当たりの積算量で計算し、目安期間を定める
イソトレチノインは、体重1kgあたりの積算量が120mg/kg以上になると再発予防につながると考えられています。
例として、体重60kgの人が1日30mg服用する場合、体重1kgあたりの1日の量は、30(mg)÷60(kg)=0.5(mg/kg)
体重1kgあたりの量が、120mg以上になる日数は、120(mg)÷0.5(mg/kg)=240(日)
体重50kgの人の場合、1日25mgの服用を240日間(約8ヵ月)続ければ、イソトレチノインの服用を中止しても再発が起こりにくくなる算出方法です。
1クール(16~24 週間)服用を続ける
1クールの治療期間は、4~6ヵ月(16~24 週間)です。
ほとんどの場合は1クールで効果が期待できますが、2クール目を希望される場合は、少なくとも2ヵ月間の休薬期間をあけてから、期間を延長することもあります。
2クール、3クールと服用期間を重ねることにより、ニキビの改善が見込まれます。
効果が出始めるタイミング、効果は持続する?
イソトレチノインを服用開始後、2~3ヵ月ほどでニキビの改善がみられる場合が多いです。
また個人差はありますが、イソトレチノインの効果は長く続きやすいと考えられています。
イソトレチノインの副作用とリスク
またイソトレチノインの効果や経過には個人差があります。
イソトレチノインの重大な副作用として、流産や胎児奇形、死産などが報告されています。
イソトレチノインの服用中、および服用が終了しても必ず避妊しましょう。
避妊期間は、女性の場合は6ヵ月間、男性の場合は2ヵ月間行ってください。
また他の主な副作用には、頭痛、鼻出血、視覚障害、発疹、悪心、嘔吐、皮膚の乾燥、関節の圧痛、うつ病などがあります。
イソトレチノイン服用の際は、次の点に注意してください。
- 妊娠中、妊娠の可能性がある方の内服は禁忌です。心配な方は月経開始後、2~3日経過してから服用を開始しましょう。
- 献血はイソトレチノインの服用期間中、最後の服用から6ヵ月間はお控えください。
- 服用を忘れた場合でも、1回の内服量を守りましょう。
- 日光の影響を受けやすいため、紫外線対策を十分に行ってください。
- 下記に該当する方は、イソトレチノインを処方できません。
- 妊娠中、授乳中の方、妊娠の可能性がある方
- 15歳未満の女性、18歳未満の男性
- 12歳未満の小児
下記に当てはまる方は、イソトレチノインを処方できない可能性があります。
- イソトレチノイン製剤、トレチノイン製剤でアレルギーの既往歴がある方
- 肝機能障害のある方
- ビタミンA過剰症の方
- うつ病などの精神疾患を抱えている方
- ステロイド薬を内服している方
- テトラサイクリン系の薬剤を内服している方
料金
当院では下記の料金でイソトレチノインを提供しています。
イソトレチノインでは、公的医療保険が適用されない自由診療(自費診療)となります。
ロアキュタン(イソトレチノイン) 10mg | 1錠 | ¥300(税込¥330) |
ロアキュタン(イソトレチノイン) 20mg | 1錠 | ¥500(税込¥550) |
アクネトレント(イソトレチノイン) 10mg | 1錠 | ¥250(税込¥275) |
アクネトレント(イソトレチノイン) 20mg | 1錠 | ¥400(税込¥440) |
ニキビやニキビ跡を治療したい方は、渋谷駅前おおしま皮膚科へ
イソトレチノインは皮脂腺を萎縮させ、過剰な皮脂分泌を抑制するはたらきがあります。
欧米ではニキビの標準治療のひとつとして知られている薬剤です。
なかなか治らないニキビで悩んでいる方は、当院へお気軽にご相談ください。
「イソトレチノインについて」
未承認医薬品等
イソトレチノインは医薬品医療機器等法上、未承認医療機器です。
入手経路等
当院医師の判断のもとPRSS社より購入しています。
個人輸入された医薬品等の使用リスクに関する情報は「リスクが潜む個人輸入」をご確認ください。
イソトレチノインの個人輸入については「厚生労働省の注意喚起」をご確認ください。
国内の承認医薬品等の有無
同程度の効能・効果で承認されている国内承認医薬品薬剤はありません。
諸外国における安全性等に係る情報
米国のFDA(食品医薬品局)など諸外国で承認されています。
鬱、精神病、胎児の催奇形性などの副作用も報告されています。