オゼンピックとは?ダイエット効果や副作用、使い方について解説

オゼンピックはダイエット効果が期待できるGLP-1薬です。
思い切ってダイエットをはじめたとしても「空腹感がつらくて続かない」、「リバウンドしやすい」などダイエットに挫折した経験はありませんか。

オゼンピックは、インスリンの分泌を促進して血糖値の上昇を抑えることにより、食後の満腹感を持続させて空腹感を穏やかにする注射薬です。
ここではダイエット効果が期待できるオゼンピックについて、効果や副作用、使い方について解説します。

GLP-1注射(オゼンピック・ビクトーザ・サクセンダ)の当院内での保管・配送方法について

当院ではGLP-1の成分の効力と安定性を保持するために、製薬メーカホームページにも記載の通り2~8℃にて保管する必要があり、これらの薬は品質維持のためにクリニック内では常時冷蔵保管および配送時にはクール宅急便にて郵送をさせていただいております。

ヤマト運輸のクール宅急便

他院にてご提供のGLP-1注射では、常温で保管および郵送しているように思われるケースが散見されますが、上記の通り製薬メーカ非推奨となり患者様の身体への安全性の懸念もありますので事前に十分確認されることを推奨いたします。

オゼンピックとは

オゼンピックは、2型糖尿病の治療に使われているGLP-1受容体作動薬(以下GLP-1薬)です。ここではGLP-1ホルモンの働きとGLP-1薬の効果について紹介します。

痩せるホルモンGLP-1とは?

膵臓からインスリンを分泌させて血糖値を下げる働きがあるホルモンです。
一般的には「痩せるホルモン」とも呼ばれています。

分泌されたインスリンは、筋肉などの細胞で糖分を消費させやすくして血糖値を低下させます。
血糖値が高くなるときにだけ小腸から分泌されるため、空腹時など血糖値が低いときには分泌されません。

インスリンを分泌させるGLP-1薬とは?

GLP-1ホルモンを分泌させて血糖値を下げる薬です。
主に2型糖尿病の治療薬として使われています。
血糖値が高いときにだけ働くため、他の糖尿病薬よりも副作用の低血糖症状が起こりにくい薬です。

もともと体にあるGLP-1ホルモンはインスリンを分泌させた後、すぐに分解されて働きがなくなります。
しかしGLP-1薬は分解されにくいように作られた薬のため、効果が長く続きます。

オゼンピックのダイエット効果

オゼンピックは「食べ過ぎを防ぐ」、「満腹感が持続する」、「脂肪を分解しやすくする」という働きによってダイエット効果が期待できます。

食べ過ぎを防ぐ

食欲は脳にある視床下部でコントロールされています。
胃に入った食べ物が消化されてブドウ糖濃度が高くなると、視床下部にある満腹中枢が働いてお腹がいっぱいだと感じるのです。

オゼンピックは、満腹中枢に働きかけて過剰な食欲を抑える働きにより、食欲を抑えて食べ過ぎを防いでくれます。

満腹感が持続する

胃で消化された食べ物は、小腸へと少しずつ送り出されます。
オゼンピックは胃の働きを緩やかにすることで、胃に食べ物が入っている時間を長くします。
いつもより少ない量の食事で満腹感が持続するため、間食したい気持ちを減らしてくれるのです。

脂肪を分解しやすくする

脂肪細胞は、エネルギーをためる働きと熱を産生する働きがあります。
オゼンピックは熱を産生しやすくして基礎代謝を上げ、脂肪を分解しやすくします。

オゼンピックを使うと自然に食べる量が減り、体質改善により痩せるというダイエット効果が期待できるのです。

(※オゼンピックは日本において2型糖尿病の目的に使うときは保険適用ですが、肥満治療の目的で使うときには公的医療保険が適用されない自由診療です。)

オゼンピックの効果はいつから?

オゼンピックを使うGLP-1ダイエットは、毎日の摂取カロリーを減らしながらエネルギーを消費しやすい体質へと導きます。

オゼンピックの効果を実感しやすいタイミングは、使用を開始してから2~3か月です。

オゼンピックの使用を続けることにより、体重減少の効果を実感しやすくなります。
短期間の使用で痩せないと思ったときでも、自己判断で使用を中止するのは避けましょう。
気になることがあれば医師までご相談ください。

オゼンピックによるダイエットの副作用

ここではオゼンピックの代表的な副作用について紹介します。

胃腸症状(下痢、便秘、胃のムカつき、お腹の張りなど)

使用を開始してから、はじめのころにあらわれやすい症状です。
ほとんどの場合、使用を続けることで症状が落ち着きます。

膵炎(嘔吐を伴う激しい腹痛)

この副作用があらわれることはまれですが、このような症状があらわれたときには、使用を中止してすぐに医師の診察を受けてください。

低血糖

オゼンピックは、空腹時など血糖値が低いときにはインスリンを分泌させる働きはありません。
そのため他の糖尿病薬と比べると、低血糖症状の危険性が少ない薬だと考えられています。

ただし他の糖尿病薬と併用したときには低血糖があらわれやすくなります。
現在使用している薬がある方は、事前に医師までご相談ください。

上記以外にも気になる症状があらわれたときには、いつでも当院までご相談ください。

オゼンピックの使い方

オゼンピックは注射タイプの薬です。
1週間に1回ご自身で注射してください。

当院のオゼンピックは、「オゼンピック皮下注2mg」という製品を使用しています。

<オゼンピック皮下注の特徴>

細い針で痛みを感じにくい

「注射をするのが怖い」、「痛いのが嫌だ」と思う方もいるかもしれませんが、オゼンピック皮下注の針は細く、注射時の痛みを感じにくい製品です。

本体は繰り返し使う

オゼンピック皮下注2mgは、1本につき2mgの薬が入っているタイプの製品です。
針先をご自身で交換しながら、必要量を投与します。
たとえば週に0.5mgを投与するときには、1本で4週間使います。
1回使い切りのタイプではないため注意してください。

空打ちが必要

初回投与時には、薬剤が針先から出るのを確認するために空打ちという操作が必要です。

オゼンピックの使い方について、さらに詳しい内容は「当院の治療ページ」をご覧ください。

オゼンピックと他のGLP-1薬の違い

GLP-1薬にはさまざまな種類が発売されています。
ここではオゼンピック以外のGLP-1薬について特徴を紹介します。

ビクトーザ:細かく調整できる1日1回注射タイプ

1日1回皮下に注射するタイプの薬で、サクセンダと同じ成分です。
症状に合わせて0.3mg~1.8mgを投与します。
0.3mgずつ調整できるため、症状に合わせた細かな調整が可能です。

サクセンダ:上限量が高く効果を実感しやすい1日1回注射タイプ

1日1回皮下に注射するタイプの薬で、ビクトーザと同じ成分です。
症状に合わせて0.6mg~3.0mgを投与します。

もともとは肥満症治療薬として開発された薬ですが、日本では未発売です。
0.6mgずつ投与量を調整でき、3.0mgまで投与できるため効果を実感しやすい薬といえるでしょう。

リベルサス:オゼンピックと同じ成分の飲み薬

1日1回の飲み薬で、オゼンピックと同じ成分の薬です。
注射薬の痛みが苦手な方にも続けやすい薬です。

近年、オゼンピックより体重減少効果の高い「マンジャロ」が発売されました。

マンジャロについての詳しい内容は「当院のコラム」をご覧ください。

オゼンピックの料金

当院のオゼンピックによるGLP-1ダイエットは、保険適用されない自由診療(自費)です。

お薬代

オゼンピック皮下注射2.0mg 1本 ¥19,500(税込¥21,450)
針・消毒綿(8回分)¥500(税込¥550)

オンラインでご購入の場合

郵送料クール宅配便(品質保持のため)¥2,000(税込¥2,200)
診察料¥1,000(税込¥1,100)

直接ご来院の場合

診察料¥1,000(税込¥1,100)

注意事項など

リスク、副作用

  • GLP-1受容体作動薬の適用は、あらかじめ肥満治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮すること。
  • 急性膵炎、下痢、悪心・嘔吐、嘔吐を伴う激しい腹痛、腹痛、食欲減退、浮動性めまい、糖尿病網膜症、味覚異常などの副作用が起こる可能性があります。
  • 重度の胃腸障害 (胃潰瘍、炎症性腸疾患など)、膵炎や甲状腺疾患の既往、低血糖を起こす可能性が高い方(糖尿病、妊娠中または 2か月以内に妊娠を予定している、授乳中)は服用できません。

「オゼンピックについて」

未承認医薬品等(異なる目的での使用)

オゼンピックは医薬品医療機器等法において2型糖尿病の効能効果で承認されていますが、肥満治療目的の使用については承認されていません。

入手経路等

国内の医薬品卸業者より国内承認薬を仕入れています。

国内の承認医薬品の有無

国内で肥満治療の効能・効果で製造販売承認されているGLP-1製剤に「ウゴービ」があります。

諸外国における安全性などに係る情報

GLP-1受容体作動薬の注射製剤が米国FDAで肥満治療薬として承認されています。