肥満症治療剤 持続性GLP-1受容体作動薬「ウゴービ」の期待できる効果
ウゴービは、2023年3月に肥満治療薬として厚生労働省から承認された注射剤です。
日本ではこれまで長期にわたって使用できる保険適用の肥満治療薬はありませんでしたが、ウゴービの発売によって保険適用の肥満治療が可能となり、注目を集めています。
今回は、ウゴービの使い方や副作用、同成分であるオゼンピックとの違いなどをご説明します。
※2023年9月現在、オゼンピックは出荷調整により処方が限られる場合があります。
当院での処方については「GLP-1に関するお知らせ」をご確認ください。
ウゴービとは
ウゴービは、セマグルチドを主成分としたGLP-1受容体作動薬に分類されています。
糖尿病治療薬である「リベルサス」「オゼンピック」と同成分で、0.25mg~2.4mgまでの5段階があり、週1回の皮下注射をします。
現時点において、ウゴービの保険適用の要件は、以下の通りです。
高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法や運動療法を行っても改善がみられず、以下に該当する場合
- BMI27以上で、肥満に関連した健康障害※の2つ以上を有する
- BMI35以上
※肥満に関連した健康障害は、高血圧、脂質異常症、脳梗塞、月経異常、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、慢性腎臓病などの11項目
GLP-1はインクレチンと呼ばれるホルモンの一種で、食後に小腸への刺激ですい臓からインスリンの分泌を促すはたらきがあります。
ウゴービなどのGLP-1受容体作動薬は、GLP-1の機能をもち、体内で分解されにくいように施した注射剤です。
また空腹時には作用しないため、単独の注射では低血糖症が起こりにくいことが知られています。
食欲抑制や代謝の向上により、太りにくい体質にする効果が期待できます。
ウゴービの効果
ウゴービは、主に以下のようなことに効果が見込まれます。
食べ過ぎの予防
食欲は脳の視床下部でコントロールされています。
血糖値が上昇すると、視床下部にある満腹中枢に伝えられ、食欲を抑える指令が出されます。
食欲抑制の指令が脳に伝えられることにより、満腹感が生じて食べ過ぎの予防につながります。
満腹感が得られる
ウゴービは、胃のはたらきを抑え、消化のスピードを緩やかにします。胃の中に入った食べ物が長い時間胃の中に留まることで、満腹感を得られる時間が長くなります。
少量の食事でも満腹感が得られやすく、自然に摂取カロリーを抑えることが可能と考えられます。
代謝を向上させる
体には余分なエネルギーを脂肪として蓄えている白色脂肪細胞と、余分なエネルギーを熱にかえて放出する褐色脂肪細胞があります。
ウゴービなどのGLP-1受容体作動薬は、白色脂肪細胞を褐色脂肪細胞に変え、基礎代謝を向上させて脂肪燃焼を促進する効果が期待できます。
ウゴービの使い方
ウゴービは週に1回、使い切りの注射剤です。
最初は0.25mgからはじめて、0.5mg、1.0mg、1.7mg、2.4mgと、少しずつ増量していきます。
その後は、2.4mgを週1回、皮下注射します。
もし打ち忘れた場合は、次回投与までの期間が48時間以上ある場合には投与可能です。
ウゴービとオゼンピックの違い
ウゴービとオゼンピックは、最大投与量が異なります。
オゼンピックの最大投与量が1.0mgに対し、ウゴービは最終的に2.4mgの投与が可能です。
オゼンピックの2.4倍となるため、高い効果が見込まれる一方で副作用もより強く出る可能性があり、注意が必要です。
ウゴービとオゼンピックは、同じセマグルチドを主成分としていることから、期待できる効果にほとんど違いはないと考えられます。
当院ではウゴービの取り扱い予定はありませんが、オゼンピックの処方を行っています。
ウゴービ、及びオゼンピックは、国内で2型糖尿病の治療薬として使用する場合に限り保険適用です。
肥満治療を目的とした場合には、自由診療となります。
オゼンピックについて、詳しくは「GLP-1ダイエット」をご覧ください。
副作用とリスク
ウゴービ、オゼンピックの効果や経過には個人差があります。
気になる症状がみられた場合には、医師へ相談してください。またウゴービ、オゼンピックはセマグルチドを主成分としているため、基本的には同じ副作用が現れます。
ウゴービ、オゼンピックは、肥満治療の基本となる食事療法、運動療法を十分に行ったうえ、効果が不十分な場合に考慮すること。
急性膵炎、激しい腹痛、悪心・嘔吐、食欲減退、糖尿病網膜症、めまいなどの副作用が起こることがあります。
以下に該当する方は、使用できない場合があります。
必ず事前にご相談ください。
- 小児の方
- 妊娠中、授乳中の方
- 重度の胃腸障害、膵炎、甲状腺疾患がある方
料金
当院では、ウゴービの取り扱い予定はありません。
またウゴービは、2023年8月現在、薬価は未定となっています。
当院で取り扱っているオゼンピックの料金は、以下の通りです。
オゼンピック皮下注射2.0mg 1本 3本目まで | ¥18,500(税込¥20,350) |
オゼンピック皮下注射2.0mg 1本 4本目以降 ※4本以上同時購入の場合、3本目までは1本あたり¥18,500、4本目以降は1本あたり¥15,500 例7本ご購入いただいた場合には、¥18,500×3本+¥15,500×4本=合計【¥124,500】になります。 | ¥15,500(税込¥17,050) |
針・消毒綿(8回分) | ¥500(税込¥550) |
※0.25mg単位で調整可能。
週に1回0.25mgを注射した場合で8週間、0.5mgを注射した場合で4週間、1.0mgを注射した場合で2週間使用可。
郵送料クール宅配便(品質保持のため) | ¥2,000(税込¥2,200) |
診察料 | ¥1,000(税込¥1,100) |
※代引き支払いもしくはクレジットカード支払いは患者様が選択できます。
GLP-1ダイエットに興味がある方は、渋谷駅前おおしま皮膚科へ
ウゴービは、セマグルチドを主成分としたGLP-1受容体作動薬です。
インスリン分泌の促進により、血糖値を下げ、食欲抑制などダイエット効果が期待できます。
当院で取り扱っているオゼンピックもウゴービと効果に差はないとされるため、GLP-1ダイエットに興味のある方は、当院へお気軽にご相談ください。
オゼンピックについて
・未承認医薬品等(異なる目的での使用)
オゼンピックは医薬品医療機器等法において2型糖尿病の効能効果で承認されていますが、肥満治療目的の使用については承認されていません。
・入手経路等
国内の医薬品卸業者より国内承認薬を仕入れています。
・国内の承認医薬品の有無
国内で肥満治療の効能・効果で製造販売承認されているGLP-1製剤に「ウゴービ」があります。
オゼンピックを一般名とする医薬品は国内では2型糖尿病の効能・効果で承認されておりますが、承認されている効能・効果及び用法・用量と当院での使用目的・方法は異なります。
・諸外国における安全性などに係る情報
GLP-1受容体作動薬の注射製剤が米国FDAで肥満治療薬として承認されています。