【ニキビ跡の種類別に紹介】効果的なレーザー治療について解説

ニキビ跡にレーザー治療が良いと聞いて治療を検討していても、たくさんの種類があってどのレーザーが良いのか迷っていませんか?また、本当に効果があるのだろうかと不安ではありませんか?

ニキビ跡をキレイにするためにはレーザー治療が有効です。しかし、よく理解しないまま間違った治療を選ぶと、思っているような効果がでなかったり副作用に悩んだりする可能性があります。

この記事ではニキビ跡の種類別に効果的なレーザー治療を紹介するとともに、当院で採用している医療機器の特徴や注意点を解説しています。記事を読むことで、自分のニキビ跡のタイプに合った適切なレーザー治療が選べるでしょう。

ニキビ跡の目立たない肌になりたいと悩んでいる方は、ぜひ最後までお読みください。

効果的なレーザー治療をニキビ跡の種類別に解説

ニキビ跡に効果的なレーザー治療について、以下のニキビ跡の種類別に解説します。

  • ニキビ跡の赤み
  • ニキビ跡の色素沈着
  • クレーター状のニキビ跡

ニキビ跡の赤み

ニキビ跡の赤みが気になる方にはVビームプリマレーザーやIPLのM22ステラの血管モードを使用します。ニキビ跡の赤みはニキビの炎症が落ち着いたあとに残るものです。これは、増えすぎた毛細血管が赤く見えるために起こります。

VビームプリマレーザーやIPLのM22ステラの血管モードは赤みの原因である毛細血管をターゲットにしているため、ニキビ跡による赤みが目立つ場合に効果が期待できます。[1][2]

※IPLのM22ステラはニキビ跡の赤みに効果的な治療法として紹介しましたが、レーザーではありません。

ニキビ跡の色素沈着

ニキビ跡の色素沈着には、ジェントルマックスプロプラス、ピコウェイレーザーという機器を使用します。ジェントルマックスプロプラスを仕様したレーザーフェイシャルは、レーザーをシャワーのように顔全体に照射する方法です。

ニキビ跡による色素沈着はニキビの炎症によってメラニンが生成されるため、茶色っぽい色をしています。色素沈着にはまずはトレチノインやハイドロキノン等の外用から治療をしますが、改善乏しい場合、ジェントルマックスプロプラスとピコウェイレーザーは、色素沈着のもととなるメラニンを破壊して色素沈着を改善します。

ジェントルマックスプロプラスやピコウェイレーザーは、薄いシミにも使用できる機器です。一方でピコウェイレーザーは、ピコ秒(1兆分の1)というとても短い時間でレーザーを照射するため、標的とならない周りの皮膚へのダメージが少ないです。また、標的となるメラニンを細かく破壊できます。

ニキビ跡による色素沈着には、まずはトレチノイン、ハイドロキノン等の外用、シナールやトラネキサム酸等の内服、改善が乏しい場合はメラニンを破壊するレーザーを検討してもよいでしょう。[3][4]

クレーター状のニキビ跡

クレーター状のニキビ跡に効くレーザー治療にはフラクショナルレーザーを使用します。当院ではフラクショナルレーザーにはモザイクリミテッドを使用しています。フラクショナルレーザーとは点状にレーザーを照射することです。

クレーター状となったニキビ跡は、ニキビの炎症が悪化して起こります。炎症が悪化すると肌の奥深くにある真皮層内のコラーゲンが破壊されるため、肌の表面がボコボコとしてしまいます。真皮層内のコラーゲン生成を促したり瘢痕を剥がしたりする治療が向いているでしょう。

レーザー治療ではありませんが、クレーター状のニキビ跡治療にはポテンツァ、ダーマペン、サブシジョンも効果的です。当院でサブシジョンにはトライフィルプロという機器を使用しています。

ニキビ跡治療に使うレーザー機器の種類と特徴

当院では、ニキビ跡の治療に使うレーザー機器は以下の4種を使用しています。

  • Vビームプリマレーザー
  • ジェントルマックスプロプラス
  • ピコウェイレーザー
  • モザイク リミテッド

それぞれの特徴を解説します。

Vビームプリマレーザー

Vビームプリマレーザーは赤みが残るニキビ跡に使用する医療機器です。ニキビ跡の赤みは、過剰に増えてしまった血管が原因です。Vビームプリマレーザーは、現時点ではVビームの中で最新機種となります。パルス色素レーザーという赤みの原因であるヘモグロビンに反応するレーザーを使います。そのため、赤みのあるニキビ跡の改善に期待できます。

レーザーの口径は最大15mmまで調整可能であるため、照射時間も短いです。また、従来のVビームより肌の奥深くまで照射できるため、肌表面のダメージも少なくてすむでしょう。

Vビームプリマレーザーはレーザー照射前に冷却ガスを噴射します。そのため、痛みは輪ゴムで弾かれた位の痛みであり、あとも残りません。[1][5]

治療期間・回数5回以上
費用(1回あたり)看護師打ち顔全体 9,900円(税込)
頬部のみ 9,900円(税込)
医師打ち全顔 33,000円(税込)
前額部 11,550円(税込)
頬 13,200円(税込)
鼻 9,900円(税込)
アゴ 11,550円(税込)
Vビームレーザー 3ショット 3,300円(税込)
以降1ショット追加するごとに 1,100円(税込)
副作用・リスク腫れ、赤み、痛み、内出血、色素沈着、水疱、かさぶたなど
国内の承認医薬品等の有無Vビームプリマは、皮膚良性血管病変治療について国内で承認されています。
その他の治療については承認されていません。(保険適用外・自由診療)
入手経路シネロン・キャンデラ社より入手しています。
諸外国における安全性等に係る情報米国FDAにて承認を受けています。

Vビームプリマレーザーについてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

ジェントルマックスプロプラス

20年以上にわたり世界中の皮膚科医に信頼され、厚生労働省の薬事承認を得ている機械です。あらゆる肌タイプの患者様の治療に成功してきた業界をリードするレーザー脱毛システムですが、茶色っぽい色素沈着をしているニキビ跡にも場合によっては効果的です。

ジェントルマックスプロプラスは茶色っぽい色素の原因であるメラニンによく反応します。様々な肌対応に合うため、日本人にも合うと考えられています。色素沈着に対応する場合は、レーザーフェイシャルのモードで施術を行います。

治療期間・回数5回以上
費用(1回あたり)フェイシャルモード
9,800円(税込10,780円)
副作用・リスク赤み、熱傷、痛み
国内の承認医薬品等の有無あり

ピコウェイレーザー

ピコウェイレーザーは、ニキビ跡の中でも色素沈着に使用する医療機器です。

高出力のレーザーで、標的となるメラニンを細かく破壊します。照射時間がピコ秒ととても短く、周りの皮膚への損傷が少ないと言われています。そのため、痛みや治療後の赤みがほとんどありません。

使用する際はピコトーニングという従来のレーザートーニングの進化版で治療を行います。低出力全体照射し、顔全体の色調をトーンアップし、高いブライトニング効果を発揮します。メラニン色素を少しずつ分解・排出するため、色素沈着にも効果的です。[4][6]

治療期間・回数5回以上
費用(1回あたり)看護師施術で行っております。
1,200ショット12,000円(税込13,200円)
追加200ショット毎に
1,500円(税込1,650円)
副作用・リスク赤み、色素沈着など
国内の承認医薬品等の有無体表面の深在性及び浅在性色素性病変の治療並びに刺青の除去を目的として国内で承認を得ています。その他の目的では承認されていません。(保険適用外・自由診療)
入手経路シネロン・キャンデラ社より入手しています。
諸外国における安全性等に係る情報米国FDAにおいて、色素性病変、ニキビ跡、しわ等に関する承認を受けています。

ピコウェイレーザーについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

モザイク リミテッド

モザイクリミテッドは、ボコボコとしたクレーター状のニキビ跡向けの機器です。美容医療の機器に強い、韓国ルートロニック社から販売されているアジア人向けの医療機器です。米国FDAや韓国MFDS(韓国食品医薬品安全省)、欧州CEマークを取得しています。

モザイクリミテッドは、エルビウムグラスという1550nmの波長を用いるフラクショナルレーザーです。

フラクショナルレーザーは点状にレーザーを照射し、皮膚に刺激を与える治療法です。それにより真皮のコラーゲンやエラスチンの再生を促します。

モザイクリミテッドでは表皮を温存でき、炭酸ガスレーザーのように表面を削りません。ダウンタイムが短いこともモザイクリミテッドの特徴です。

治療期間・回数1〜2ヶ月おきに6回以上
費用(1回あたり)全顔:21,780円(税込)
首:21,780(税込)
頬:14,080円(税込)
額:10,780円(税込)
顎:7,480円(税込)
鼻:4,620円(税込)
3shotまで:3,190円(税込)
5shotまで:4,620円(税込)
副作用・リスク発赤、痛み、腫脹、炎症後色素沈着、肝斑の悪化、皮膚炎
国内の承認医薬品等の有無なし(保険適用外・自由診療)
入手経路ルートロニック社から入手しています
諸外国における安全性等に係る情報米国FDA、韓国MFDS(韓国食品医薬品安全省)、欧州CEマークを取得しています。

モザイクリミテッドについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

ニキビ跡に対するレーザー治療の注意点

ニキビ跡に対するレーザー治療の注意点は主に2点あります。

  • レーザー治療後は紫外線対策が必要
  • 他のレーザー治療をしている場合は要相談

それぞれ詳しく解説します。

レーザー治療後は紫外線対策が必要

レーザー治療後は、紫外線対策を必ず行いましょう。肌が刺激に敏感になっており、炎症や乾燥等の合併症予防のためです。

レーザー治療後は日焼け止めや日傘等を利用するなどして、紫外線対策を行いましょう。また、紫外線は夏だけでなく季節関係なく降り注いでいます。1年中、紫外線対策が必要です。[1][6]

他のレーザー治療をしている場合は要相談

他のレーザー治療を受けている場合は、事前に相談していただく必要があります。万が一副作用が出たときに、どの治療が原因かがわからなくなるためです。また、適切な治療を受けられなくなる可能性があります。

ニキビ跡の状態によって、どのレーザー治療が適しているかは専門の医師でないと判断が難しいです。ニキビ跡が気になる方はぜひ当院へご相談ください。

ニキビ跡に効く、レーザー治療以外の施術

ここまではニキビ跡に効くレーザー治療を中心に紹介してきましたが、おおしま皮膚科ではレーザー治療以外のニキビ跡に効く施術も行っているため、治療の選択肢としてご紹介します。赤みのあるニキビ跡にはIPLのM22ステラの血管モード、クレーター状のニキビ跡には、ポテンツァ・ダーマペン・トライフィルプロが効果的です。

それぞれの特徴を解説します。

IPL(フォトフェイシャル)のM22ステラ

フォトフェイシャルとは、IPL(Intense Pulsed Light)と呼ばれる特殊な光を使用し、様々な肌トラブルを改善する光治療です。光を当てることで、シミ・そばかす・くすみ・しわ・赤ら顔・毛細血管拡張・にきび・にきび跡・毛穴などの改善に効果があるため、赤みのあるニキビ跡にもおすすめの施術です。

当院ではフォトフェイシャル最新機種ステラM22を使用しており、6種類のフィルタが用意されており、従来のフォトフェイシャルと比べ、光の波長の選択肢が増えたため出方をより細かく設定することができ、 患者様のお悩みに応じたオーダーメイドの治療が可能。

血管モードで治療を行うと、毛細血管を破壊できるのでニキビ跡の赤みも薄くする効果があります。フォトフェイシャルはカメラのフラッシュのようなやさしい光を照射するため、マイルドなやさしい治療です。

治療期間・回数5 回以上
費用(1回あたり)フォトフェイシャル ステラM22 全顔(1パス):16,280円(税込)
フォトフェイシャル ステラM22 全顔(2パス):24,420円(税込)
副作用・リスク軽度の赤み、ひりつきの可能性。反応部位のシミが一時的に濃くなり、
薄いかさぶたのような状態になる可能性(通常1~2週間で自然とはがれ落ちます。)
国内の承認医薬品等の有無なし(保険適用外・自由診療)
入手経路株式会社日本ルミナスから入手しています
諸外国における安全性等に係る情報諸外国において、治療に伴う重大な副作用の報告はありません。

ステラM22について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

ポテンツァ

ポテンツァはクレーター状のニキビ跡に使われる医療機器です。

そもそも、凹凸のあるクレーター状のニキビ跡ができる原因は、真皮層のコラーゲンが減るためです。ポテンツァはマイクロニードルと呼ばれる微細な針から高周波エネルギー(RF)を照射し、真皮層に直接熱を送ります。それにより、真皮のコラーゲン生成を促し、肌への熱損傷を最小限に抑えつつニキビ跡の治療が可能となります。

コラーゲン生成を促すポテンツァは、凹凸のあるクレーター状のニキビ跡をなめらかにする作用が期待できるでしょう。

治療期間・回数3回以上
費用(1回あたり)ポテンツァ(肝斑・酒さ・毛穴開大・リジュビネーション) :39,380円(税込)
ダイヤモンドチップ 300shot(タイトニング):48,400円(税込)
ドラッグデリバリー マックーム: 88,110円(税込)
ドラッグデリバリー ソサム ::93,280円(税込)
ドラッグデリバリー べネブ :77,500円(税込)
副作用・リスク内出血、赤み、むくみ、色素沈着など
国内の承認医薬品等の有無なし(保険適用外・自由診療)
入手経路ジェイシス社から入手しています
諸外国における安全性等に係る情報米国FDA、韓国MFDS(韓国食品医薬品安全省)、欧州CEマークを取得しています。

ポテンツァについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

ダーマペン4

ダーマペン4は、クレーター状のニキビ跡によく使用される医療機器です。髪の毛よりも細い極細の針で肌に穴をあけることにより、真皮のコラーゲンやエラスチンの生成を促します。クレーターの原因であるコラーゲン減少を改善し、新陳代謝を促して肌が元に戻ろうとする治癒力を利用しています。

治療後のダーマペンの傷跡が目立つことはほとんどありません。針の太さが髪の毛よりも細いため、治療後、数分から数時間で穴がふさがり、回復が早いと言われています。通常、内出血は7日前後続きます。

治療期間・回数5回以上
費用(1回あたり)全顔:27,280円(税込)
副作用・リスク赤み、内出血、腫れやヒリつき、炎症性色素沈着など
国内の承認医薬品等の有無なし(保険適用外・自由診療)
入手経路PRSS社から入手しています。
諸外国における安全性等に係る情報なし

ダーマペンについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

トライフィルプロ

トライフィルプロは、クレーター状のニキビ跡に使用する医療機器です。特に深いニキビ跡や大きなニキビ跡に向いているでしょう。韓国のMCURE社が開発し、韓国MFDS(韓国食品医薬品安全省)の認証を受けてます。 

トライフィルプロは、炭酸ガスによるサブシジョン(皮膚の下にある固く癒着した組織を針で切り陥没した部分を持ち上げる施術)と薬剤の注入を同時に行える機器です。

まず、ニキビ跡の悪化で硬くなってしまった組織を炭酸ガス注入により剥がし、陥没した部分を持ち上げ空間を作ります。 そこへ薬剤を注入することで治療効果を高められます。組織の癒着をはがしてコラーゲン生成を促すことにより、クレーター状のニキビ跡の改善が期待できます。

治療期間・回数月1回程度で約3回
費用(1回あたり)50ショット(ジュベルック1CC)
1~3パーツに分けて照射可能
※トータル手のひら半分が目安になります41,800円(税込)
100ショット(ジュベルック2CC)1~5パーツに分けて照射可能
※トータル手のひら1枚分が目安になります74,800円(税込)
副作用・リスク赤み、腫れ、内出血、出血、色素沈着など
国内の承認医薬品等の有無なし(保険適用外・自由診療)
入手経路メトラス社から入手しています。
諸外国における安全性等に係る情報韓国MFDS(韓国食品医薬品安全省)の認証を受けてます。

トライフィルプロについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

ニキビ跡にレーザー治療を検討中の方はおおしま皮膚科へ

レーザー治療の種類はたくさんありますが、ニキビ跡の種類や深さなど肌の状態によって適しているレーザー治療が違います。理想とする肌へ早く近づけたい場合は、自分に合ったレーザー治療を選んで受けることが大切です。

しかし、自分に合うレーザー治療を判断することは難しいため、専門の医師と相談して決めましょう。

また、レーザー治療はニキビ跡に効果が期待できるものの、注意点もあります。リスクや副作用について気になることがあれば、医師と相談して不安を払拭してから治療を受けましょう。ニキビ跡の治療にレーザーを検討している方は、ぜひ一度おおしま皮膚科へ相談してくださいね。

参考

[1]皮膚良性血管病変治療用レーザー装置 VbeamPrima

[2]尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023

[3]Acne Scarring—Pathogenesis, Evaluation, and Treatment Options

[4]PicoWay(ピコウェイ) | シネロン・キャンデラ | 医療用レーザー装置

[5]Pulsed dye laser treatment of rosacea using a novel 15 mm diameter treatment beam

[6]ピコセカンド KTP / Nd:YAG レーザー PicoWay