顔のほくろが増えた?ほくろの増える原因と消す方法とは

顔のほくろは、その人の印象や見た目に影響を与えることがあります。
もともとほくろがよくできる方もいれば、年齢を重ねるにつれてほくろが目立つようになってきたと悩む方もいることでしょう。

ここでは顔のほくろが増える原因や治療方法、病気に関係する悪いほくろの見分け方を紹介します。
顔に気になるほくろがある方は、ぜひ参考にしてください。

ほくろとは

医学用語では、「色素性母斑」や「母斑細胞母斑」などと呼ばれる良性のできものです。
メラニンを作る細胞の母斑細胞から作られており、一般的な俗称としてほくろと呼ばれています。
代表的な色としては褐色、茶色、黒色などです。

形としては盛り上がったものや平らなものなどさまざまです。
顔だけでなく、腕や足、胸やお腹など全身にできる可能性があります。

顔にほくろが増える原因

ほくろができる原因は遺伝の影響が大きく、どのぐらいできやすいのかについては体質によるものだと考えられています。
ただし「顔以外にも腕や足など服から出ている部分にほくろができやすい」ことや、「ドイツ人とオーストラリア人を対象にした研究では、紫外線を浴びた皮膚にほくろができやすい」ことがわかっています。

肌の特徴に人種差はありますが、このような理由から、日本人である私たちも紫外線の影響でほくろが増えるのではないかと言われています。

急にできたほくろや大きくなるほくろは病気?

ほくろは子どものうちにできるものもあれば、年齢を重ねるにつれてできるものもあります。
体が成長するにつれて母斑細胞の数が増えることで、子どものときにできたほくろが、大人になってから大きくなったり盛り上がったりすることもあります。

ほくろの「数が増える」、「大きくなる」、「盛り上がる」のは、体の自然な反応なので問題はありません。
ただし、ほくろに見えても別の病気が隠れていることもあるため、注意しましょう。

悪性のほくろの見分け方

一般的なほくろの場合は、良性のため心配はいりません。
ただし、悪性腫瘍(いわゆる癌)の中には、ほくろに似た見た目をしているものもあります。
ここではとくに注意すべきほくろに似ている悪性腫瘍についての見分け方を紹介します。

基底細胞癌

40歳をすぎると起こりやすく、とくに高齢者に多いタイプの皮膚癌です。
初期には黒い色をしているためほくろと間違われることがあります。
ほくろに比べると、表面がツヤツヤとしているのが特徴です。
紫外線があたりやすい顔によく作られますが、他の部位にできることもあります。

治療をせずに放置していると、少しずつ大きくなっていき、形が変化して中央部にへこみやくずれがみられたり、破れて出血したりするかもしれません。
一般的には全身に転移することは珍しいと考えられています。
しかし皮膚の深い部分にまで癌が広がってしまうと、骨や筋肉に悪い影響を与えるかもしれません。

悪性黒色腫(メラノーマ)

手足や爪などにできることが多く、お腹や胸など他の部位にもできる可能性がある癌です。

メラノサイトと呼ばれる色素細胞が癌となったため、メラノーマとも呼ばれています。

「形が左右対称ではない」、「輪郭がぼやけていてはっきりしない」、「さまざまな色が混ざっている」、「6mm以上のサイズである」、「表面が盛り上がっている」という特徴があります。

治療をせずに放置していると、全身に転移して命の危険もある癌です。
できたばかりの時期は、ほくろと見た目が似ているため、区別が非常に難しいといえるでしょう。

当院では、ダーモスコピー検査や病理検査によって、このような皮膚がんの早期発見に努めています。
悪性腫瘍は、早期発見・早期治療が大切です。

ほくろに似たできもので「サイズが大きくなっているもの」、「いびつな形のもの」を見つけたときには、お気軽に当院までご相談ください。

ほくろ除去の方法

当院では、ほくろの大きさや形、深さやできた部位などにあわせて、複数の方法から一人ひとりに合わせた施術を提案しています。

ここでは当院で対応している代表的なほくろ除去の方法について紹介します。

炭酸ガスレーザー

ほくろがある部位に、炭酸ガスレーザーを照射すると、蒸散作用によってほくろの細胞を除去できます。
患部にあたったレーザーは、熱エネルギーによって細胞を蒸散させながら、周囲の血管を熱で凝固させます。
そのためほとんどの場合で施術時の出血はありません。

ラジオ波メス

高周波エネルギーのラジオ波を照射できるタイプのメスを使った治療方法です。
通常のメスに比べて切れ味が鋭く、周囲の細胞へのダメージを減少できるため傷の治りが早くなります。
また止血作用も期待できるためほとんどの場合で施術時の出血はありません。

メス

ほくろの周囲にある皮膚を切開してから縫合する方法です。
縫合しているため、手術後に抜糸が必要です。主に大きなサイズのほくろや悪性腫瘍が疑われるほくろなどに使います。

トレパン

パンチに似たトレパンと呼ばれる機械を使ってほくろをくり抜く方法です。
表面のほくろだけではなく、深い部分のほくろの細胞まで除去できます。
メスを使った手術に比べると縫合が不要なため、傷跡が小さくなりダウンタイムも短くなります。

巾着縫合

顔にできた5mm以上のほくろを切除したいときに向いています。
巾着袋の口を閉めるようにして皮膚を縫ってから糸を絞る方法です。
通常の縫合よりも傷口が小さくなるため、治りも早くなります。

当院では実際の症状や患部の状況、ダーモスコピー検査でわかったことなどから、病気の原因を考えて、できるかぎり傷跡が残らないような治療を目指しています。

たとえば炭酸ガスレーザーやラジオ波メスによる施術では、傷口が大きくなりすぎないように適切な角度に調整しながら施術をすることで、病気の原因となっている部分を取り除けるよう努めています。

また大きなサイズのほくろがある方で、他院にて皮膚の移植(植皮、皮弁など)が必要だと言われた方も、巾着縫合などの傷口を小さくしやすい方法により対応できる場合があります。

具体的な治療の流れなどについては「当院の治療ページ」をご覧ください。

ほくろ除去後の経過

ほくろ除去治療には、さまざまなリスクや副作用があります。
ここでは当院の治療方法ごとの経過について紹介します。

「炭酸ガスレーザー」

痛み、赤み

痛みの感じ方に個人差はありますが、ほとんどの場合で強い痛みを感じることはありません。
治療部位によっては赤みがあらわれるかもしれません。
数日間でおさまることがほとんどです。

かゆみ

皮膚が再生しはじめると、患部にかゆみがあらわれることもあります。
かきむしったりすることは避けましょう。

強いかゆみがあるときには、患部にクーリングをしてください。
当院では外用薬や内服薬の処方も可能なため、お気軽にご相談ください。

カサブタ

カサブタがはがれた後の肌は敏感になっているため、赤みがあらわれるかもしれません。

赤みが消えるまでの数か月間は日焼け止めクリームを使うなど紫外線対策をしてください。

再発リスク

当院では再発しにくいようにほくろの細胞をレーザーで除去しています。
またダーモスコピー検査によってほくろの細胞が残っていないかを確認しながら術後の経過を観察し、再発のリスクを減らせるように心がけています。

もし施術後にほくろの再発や細胞の取り残しなどが判明したときには、再度治療をいたしますのでご相談ください。

「ラジオ波メス」

赤み、色素沈着

患部の赤みは時間の経過にあわせて少しずつおさまります。
赤みの後に色素沈着が起こるかもしれません。

色素沈着は3~6か月かけて少しずつおさまります。
色素沈着を予防したい方は、ビタミンCやトラネキサム酸の内服薬も処方しているのでご相談ください。

痛み

痛みの感じ方に個人差はありますが、ほとんどの場合、強い痛みを感じることはありません。

カサブタ

カサブタがはがれた後の肌は敏感になっているため、赤みがあらわれるかもしれません。

赤みが消えるまでの数か月間は日焼け止めクリームを使うなど紫外線対策をしてください。

再発

当院ではダーモスコピー検査によってほくろの細胞が残っていないかを確認しながら術後の経過を観察し、再発のリスクを減らせるように心がけています。

もし施術後にほくろの再発や細胞の取り残しなどが判明したときには、再度治療をいたしますのでご相談ください。

「メス」

痛み

麻酔が切れた後は、痛みを感じるかもしれません。
痛みは数日ほどで落ち着くことがほとんどです。

赤み、色素沈着

患部の赤みは約1か月でおさまります。
赤みの後に色素沈着が起こるかもしれません。

色素沈着は3~6か月かけて少しずつおさまります。
色素沈着を予防したい方は、ビタミンCやトラネキサム酸の内服薬も処方しているのでご相談ください。

内出血

肌状態によっては、施術後に内出血が起こることもあります。
症状は一時的なもので、少しずつもともとの肌の色へと戻っていきます。

「トレパン」

赤み、へこみ

施術後に赤みやへこみがあらわれるかもしれません。
時間がすぎるにつれて少しずつ症状はおちつきます。

腫れ、痛み、熱感

感染症などの影響で腫れ、痛み、熱感などの症状が起こる可能性もあります。
当院では傷口を確認してから各種治療に対応しています。
まずはお早めに当院までご相談ください。

内出血

肌状態によっては、施術後に内出血が起こることもあります。
症状は一時的なもので、少しずつもともとの肌の色へと戻っていきます。

ニキビ、毛嚢炎

ほくろを切除した後に皮膚がふさがり1か月ほどすると、ブツブツ(ニキビ、毛嚢炎など)が患部にあらわれることがまれに起こります。

炎症の原因となっている細菌や汚れを取り除く「面ぽう圧出術」という方法で対応できるため、このような症状がある方は当院までご相談ください。

「巾着縫合」

腫れ、痛み、熱感

感染症などの影響で腫れ、痛み、熱感などの症状が起こる可能性もあります。
当院では傷口を確認してから各種治療に対応しています。
まずはお早めに当院までご相談ください。

かゆみ

皮膚が再生しはじめると、患部にかゆみがあらわれることもあります。
かきむしったりすることは避けましょう。

強いかゆみがあるときには、患部にクーリングをしてください。
当院では外用薬や内服薬の処方も可能なため、お気軽にご相談ください。

上記の経過はあくまで一例のためすべての方にあらわれるわけではありません。
各治療に関するさらに詳しい注意事項などについては「当院の治療ページ」をご覧ください。

料金

<保険診療>

非露出部(半袖、半ズボンで隠れる位置)

径3cm未満  3,840円
径3~6cm未満9,690円
径6cm以上12,480円


露出部(半袖、半ズボンでも外にでる位置)

径2cm未満 4,980円
径2~4cm未満11,010円
径4cm以上  13,080円

※上記以外にも、手術時に使用した局所麻酔薬や軟膏の料金として500~600円、病理検査料金として約3,000円がかかります。

※保険適用内の手術では、病理検査が必要です。

<自由診療>

炭酸ガスレーザー

切除したほくろの直径によって費用が異なります。

以下は一か所ごとの料金です。

3mm未満11,000円(税込)
3mm~5mm未満16,500円(税込)
5mm以上 22,000円(税込)

※医師の診察を受けた結果、保険適用内で施術が受けられる場合もあります。
※顔のほくろをすべて除去したいなど、美容目的の場合は保険適用外の自由診療です。

ほくろのご相談は、渋谷駅前おおしま皮膚科へ

当院では実際の症状や患部の状況、検査でわかったことなどから、病気の原因を考えて、できるかぎり傷跡が残らないような治療を目指しています。

ほくろに関してのお悩みがある方は、どのようなことでもまずはお気軽にご相談ください