メトホルミンで痩せない場合にチェックしておきたいこと

メトホルミンは、ビグアナイド薬に分類される2型糖尿病の治療薬です。
60年以上使用され続けている歴史の長い薬のひとつで、血糖値を下げることを目的としています。

今回は、ダイエットで使用する際のメトホルミンの効果や、痩せない理由、副作用などをご説明します。

メトホルミンが効果を発揮する仕組み

メトホルミンは糖尿病の治療薬として、血糖値を下げる作用があります。
メトホルミンは、インスリン分泌を増加させないため、低血糖を起こしにくいことが特徴です。

メトホルミンは、2型糖尿病の方で食事療法や運動療法を行っても、十分に血糖値が下がらない場合に使用する薬です。
主に以下のようなはたらきによって、急激な血糖値上昇を抑え、体重減少に効果が期待できます。

食べ過ぎを予防し、満腹感を得られる

メトホルミンは、GLP-1ホルモンの分泌量を増加させます。GLP-1ホルモンは、脳の視床下部にある満腹中枢を刺激し、食欲を低下させます。
また胃のはたらきを緩やかにし、食べ物が長く胃の中に残るように調整します。
そのため、より長く満腹感を得られ、間食の予防にもつながります。

肝臓で新しく糖が作られるのを抑える

肝臓では、低血糖時などにアミノ酸や乳酸などから新たに糖を生成しています。
メトホルミンの服用により、肝臓での糖新生を抑制し、血糖値が上がることを防ぐはたらきがあります。

また余分な糖を便に排出させることで、血糖値を下げています。
体内に不要な糖分を除去することにより、体重減少につながると考えられます。

筋肉や脂肪に糖を取り込むように促す

肥満者や2型糖尿病の方の場合、血管内皮細胞のインスリン受容体の発現が低下し、食後にインスリンが分泌されたときも血中から筋肉へのインスリン移行が低下することがわかっています。
メトホルミンの服用により、筋肉や脂肪へのインスリンによる糖の取り込みを促進し、血糖値を下げるはたらきがあります。

筋肉量を増加させる

メトホルミンには、AMPKという酵素を活性させる作用があります。
AMPKは体のエネルギー量をコントロールするはたらきがあるため、メトホルミンの服用によりエネルギーが効率よく使われ、筋肉量の維持や増加、脂肪燃焼を促す効果が期待できます。

メトホルミンについては「メトホルミンで痩せる?ダイエット効果が期待できる4つの理由」も参照ください。

メトホルミンで痩せない理由

服用からの期間が短い

メトホルミンは1日2~3錠の服用から開始し、最大1日9錠まで増量可能です。
服用量に応じて、血糖値低下作用が強まります。

また日本人を対象にした2相試験では、体重の多い糖尿病の方に投与して26週間後から有意な体重減少がみられ、54週間後で約1kgの減量効果が認められています。

メトホルミンを服用してすぐは服用量が少なく、期待した効果が得られない可能性があるため、一定期間は服用し続けることが必要です。

食べ過ぎている

メトホルミンを服用することによって、過食を防ぎ、満腹感を持続させやすくします。

しかしメトホルミンを服用していることに安心して、必要以上にカロリーを摂取している場合は、服用中でも痩せない可能性があります。

運動不足

メトホルミンは、食事の摂取カロリーを抑え、体重減少につながる薬剤です。
服用するだけで体重が落ちるのではなく、食事療法や運動療法を行ったうえで体重減少をサポートすることを目的としています。

運動によって筋肉量が増えて代謝が上がり、痩せやすい体質に近づきます。

効果を高めるための方法

食事の改善と適度な運動を継続する

メトホルミンは、食事療法や運動療法を行い、体重減少を助ける薬剤です。
メトホルミンの服用を続けながら、食べ過ぎないように意識する、適度な運動を取り入れるなど、薬剤の力だけに頼らない心がけが大切です。

栄養バランスのよい食事や、運動習慣がない方はまずはストレッチから始めてみるなど、できることから取り組んでみましょう。

他の薬と併用する

メトホルミンは、GLP-1ホルモンの分泌を促進します。
また他のGLP-1受動態作動薬と異なり、インスリン分泌を促進するはたらきはありません。

そのため、GLP-1受動態作動薬など他の薬剤との併用により、ダイエット効果が高まると考えられます。

メトホルミンの副作用と注意点

メトホルミンの効果や経過には個人差があります。
また、糖尿病ではない方、もともと痩せている方、平均体重の方が服用した場合の効果や副作用ははっきりしていません。

一般的なメトホルミンの主な副作用として、腹痛、嘔吐、下痢、食欲不振などが報告され、発汗、脱力感、極度の空腹感、腎機能障害や肝機能障害などを生じることもあります。

重大な副作用として、乳酸アシドーシスが報告されています。また腎機能障害が乳酸アシドーシスのリスク因子になることがわかっています。


通常、肝臓では、低血糖時などに乳酸やアミノ酸から新たに糖を生成します。
メトホルミンは糖新生を抑えるはたらきがあるため、体内に乳酸が蓄積されやすくなり、腹痛や嘔吐などの胃腸症状、倦怠感や筋肉痛などがみられる場合があります。

さらに脱水や過呼吸、昏睡など重篤な症状へ進行する可能性があります。

メトホルミンを服用中に気になる症状が現れた場合には、必ず医師へ相談しましょう。

当院では、以下に該当する方へのメトホルミンの処方を行っておりません。
また該当しない場合も、不安な点がありましたら事前にご相談ください。

  • 妊娠中、授乳中の方
  • 高齢の方
  • 糖尿病の方
  • 心不全、心筋梗塞などを患っている方
  • 乳酸アシドーシスの既往がある方
  • ビグアナイド系薬剤に対してアレルギーがある方
  • 嘔吐、下痢などの激しい胃腸症状がある方
  • 低酸素血症を伴いやすい状態にある方
  • 脱水症、または脱水状態が懸念される方
  • アルコール依存症の方
  • 腎臓や肝臓の機能が著しく低下している方
  • 利尿作用を含む薬剤を飲んでいる方
  • 造影剤検査の前後の方

料金

メトホルミンの料金

250mg 60錠 (1日2錠内服した場合30日分)¥1,800(税込¥1,980)
500mg 60錠 (1日2錠内服した場合30日分) ¥2,800(税込¥3,080)

メコバラミンの料金

500μg 60錠 (1日2錠内服した場合30日)¥1,500(税込¥1,650)

オンライン診療でご購入の場合

郵送料¥1,000(税込¥1,100)
診察料¥1,000(税込¥1,100)

直接ご来院の場合

診察料¥1,000(税込¥1,100)

メトホルミンで痩せないとお悩みの方は、渋谷駅前おおしま皮膚科へ

メトホルミンは、食事療法や運動療法を行ったうえで、体重減少をサポートする薬剤です。

メトホルミンに興味がある、服用していても思ったような効果がみられないなどのお悩みをもつ方は、当院へお気軽にご相談ください。

渋谷駅前おおしま皮膚科院長|大島昇 監修

「メトホルミンについて」

未承認医薬品等(異なる目的での使用)

メトホルミンは医薬品医療機器等法において2型糖尿病の効能・効果で承認されていますが、肥満治療目的の使用については国内で承認されていません。

入手経路等

国内の医薬品卸業者より国内承認薬を仕入れています。

国内の承認医薬品等の有無

国内で肥満治療の効能・効果で承認されているビグアナイド系薬剤はありません。またメトホルミンを一般名とする医薬品は国内では2型糖尿病の効能・効果で承認されておりますが、承認されている効能・効果及び用法・用量と当院での使用目的・方法は異なります。

・諸外国における安全性などに係る情報

GLP-1受容体作動薬の注射製剤が米国FDAで肥満治療薬として承認されています。