メトホルミンで痩せる?ダイエット効果が期待できる4つの理由

自力でダイエットをしても、なかなか痩せないと感じたことはありませんか。
自己流のダイエットでは、つい過度の食事制限や激しい運動をしがちです。
厳しすぎるダイエットは挫折しやすく、すぐにリバウンドしてしまった経験がある方もいることでしょう。

当院では、2型糖尿病の治療薬であるGLP-1やメトホルミンによる減量治療をしています。

このページではメトホルミンの作用や副作用、期待できるダイエット効果などについて解説しているので、ぜひ参考にしてください。

メトホルミンとは

メトホルミンは2型糖尿病に使われるビグアナイド系という種類の飲み薬です。
筋肉ではブドウ糖の利用を増やし、肝臓ではブドウ糖の放出を抑制して血糖値を下げる働きがあります。

2型糖尿病になると膵臓からのインスリン分泌量が不足する「インスリン分泌の低下」と、インスリンの効き目が弱くなる「インスリン抵抗性」という仕組みによって高血糖が起こりやすくなります。

メトホルミンは、「インスリン抵抗性」を改善するタイプで、食事療法や運動療法をしても血糖値が改善されない場合に使われる薬です。

メトホルミンで期待できる4つのダイエット効果

メトホルミンは「食べ過ぎを防ぐ」「満腹感を持続させる」「糖分を排泄しやすくする」「筋肉量を増やして引き締まった体になる」という4つの働きによってダイエット効果が期待できます。

1.食べ過ぎを防ぐ

メトホルミンは痩せるホルモンとも呼ばれている「GLP-1ホルモン」の分泌量を増やします。「GLP-1ホルモン」は脳にある満腹中枢を働きやすくして食欲を低下させます。過剰な食欲を抑える働きによって食べ過ぎを防いでくれるのです。

2.満腹感を持続させる

食事をした後には、胃のぜん動運動が促進されることで分解された食べ物が小腸に送り出されます。
メトホルミンによって分泌が促進された「GLP-1ホルモン」は、ぜん動運動を抑制して食べ物が胃に残る時間を長くします。
食べ物の消化をゆっくりとすることで満腹感が持続しやすくなり、間食したい気持ちを抑えてくれるのです。

3.糖分を排泄しやすくする

余分な糖分が血液中にあると高血糖状態だけでなく体重も増加しやすくなります。
メトホルミンは余分な糖分を便に排出しやすくして血糖値を下げます。
メトホルミンを服用することで体に蓄積するはずの糖分も取り除けるため、減量しやすくなるのです。

4.筋肉量を増やして引き締まった体になる

メトホルミンはダイエット中に減りがちな筋肉量を維持して脂肪の燃焼を促進する働きもあります。
筋肉の収縮力をアップさせる働きによって筋肉量を増やしやすくなるため、実際には運動をしていないのに、まるで運動をした後のような引き締まった体型を目指せます。

このような理由によって、メトホルミンを服用するとダイエット効果が期待できるのです。

(※メトホルミンは日本において2型糖尿病の目的に使うときは保険適用ですが、肥満治療の目的で使うときには公的医療保険が適用されない自由診療です。)

メトホルミンの副作用

ここではメトホルミンの服用で起こりやすい代表的な副作用を紹介します。

胃腸障害(下痢、悪心嘔吐、食欲不振、腹痛など)

メトホルミンの代表的な副作用は一時的な軽い胃腸障害です。

とくに投与初期や投与量を増やしたときに起こりやすいとされており、1~2週間ほど服用を継続することで少しずつ症状がおさまります。

貧血、味覚異常

メトホルミンの長期服用によりビタミンB12が欠乏して、貧血や味覚異常が起こることもあります。
当院ではこれらの副作用を予防するため、メトホルミンとあわせてビタミンB12製剤であるメコバラミンも処方しています。

低血糖(脱力感、発汗、激しい空腹感など)

メトホルミンだけの服用では、低血糖症状は起こりにくいと考えられています。
もしこれらの低血糖症状があらわれた時には、糖分が入った飲食物を摂取して安静に過ごしてください。

車を運転している時に症状が起こったときは、すぐに車を止めて対応しましょう。
15分以上経過しても症状がおさまらないときは、再び飲食物を摂取してください。

乳酸アシドーシス(強い倦怠感、吐き気、下痢、筋肉痛、過呼吸など)

このような症状があらわれた時には、すぐにメトホルミンの服用を中止して医師までご相談ください。

上記以外にも気になる症状があらわれたときには、いつでも当院までご相談ください。

メトホルミンの飲み方

メトホルミンダイエットの飲む量や使い方について紹介します。

服用1日目~1か月目の使い方

1回1錠250mgを1日2回、朝夕の食直前または食後に服用してください。
副作用などの症状を確認しながら1か月目まではこの飲み方を続けてください。

1か月以降の使い方

服用を開始してから1か月を過ぎたころには、一人ひとりの症状にあわせてメトホルミンの飲む量を調整します。1回1錠500mgを1日2回、朝夕の食直前または食後に服用することがほとんどです。
ただし人によってはこれまで通りの1回1錠250mgで継続する方もいます。

メトホルミンの使い方についてさらに詳しい内容が知りたい方は「当院の治療ページ」をご覧ください。

メトホルミンの料金

お薬代

メトホルミン 250mg 60錠(朝夕1錠ずつ内服した場合30日分)¥1,800(税込¥1,980)
メトホルミン 500mg 60錠(朝夕1錠ずつ内服した場合30日分)¥2,800(税込¥3,080)
メコバラミン 500μg 60錠(朝夕1錠ずつ内服した場合30日) ¥1,500(税込¥1,650)

※当院では、メトホルミンの副作用であるビタミンB12の欠乏による貧血症状や味覚異常を予防するために、ビタミンB12製剤であるメコバラミン錠を一緒に処方しています。

オンライン診療でご購入の場合

診察料 ¥1,000(税込¥1,100)

郵送料 ¥1,000(税込¥1,100)

直接ご来院の場合

診察料 ¥1,000(税込¥1,100)

注意事項など

禁忌

  • 妊娠中、授乳中の方
  • 16歳未満75歳以上の方
  • 他に糖尿病の薬を服用している方
  • 過去に乳酸アシドーシスになったことがある、または乳酸アシドーシスの既住がある方
  • 経口摂取が困難な方、寝たきりの方など全身状態が悪い方
  • 肝臓・腎臓・心臓・肺機能障害のある方、脱水、大量飲酒、手術前後、インスリンについて絶対適応のある方、栄養不良、下垂体・副腎機能不全の方
  • 推算系球体濾過量(eGFR)が30mL/分1.73m2未満の場合

使用上の注意、副作用

  • 用法用量を守り、服用中は水分補給をしっかり行ってください。
  • 腎血流量を低下させる薬剤(レニン・アンジオテンシン系の阻害薬、利尿薬、NSIDs など)の使用などにより腎機能が急激に悪化する場合があります。メトホルミン使用中は頻回に検査を受けましょう。
  • ヨード造影剤検査の前あるいは造影時にメトホルミンを中止してください。ヨード造影剤投与後48時間はメトホルミンを再開せず、腎機能の悪化が懸念される場合には eGFR を測定し肝機能の検査後に再開してください。
  • 脱水症状を引き起こす場合があります。発熱・下痢などの症状により脱水のおそれがある場合は休薬をしてください。
  • 利尿作用を有する薬剤(利尿薬、SGLT2 阻害薬など)との併用時には、脱水症状に注意しましょう。
  • 強い倦怠感、吐き気、下痢、筋肉痛、過呼吸などの症状が起きたときには使用を中止して医師にご相談ください。

「メトホルミンについて」

未承認医薬品等(異なる目的での使用)

メトホルミンは医薬品医療機器等法において2型糖尿病の効能効果で承認されていますが、肥満治療目的の使用については国内で承認されていません。

入手経路等

国内の医薬品卸業者より国内承認薬を仕入れています。

国内の承認医薬品等の有無

国内で肥満治療の効能・効果で承認されているビグアナイド系薬剤はありません。


渋谷駅前おおしま皮膚科院長|大島昇 監修】