顔にできやすいイボの原因や種類は?できてしまったイボの治療方法

顔のイボは人の目に触れやすく、すぐに取り除きたいと思っている方も少なくないでしょう。
今回は、顔にできやすいイボの種類や原因、当院の治療法などをご紹介します。

顔にできやすいイボの種類と原因

イボは皮膚が盛り上がってできたもので、医学的には「疣贅(ゆうぜい)」といいます。
イボには、主にウイルスが原因のものと、加齢などが原因となるものの2種類があります。

ウイルス性

尋常性疣贅

尋常性疣贅は、小さな傷口からヒトパピローマウイルスが感染することにより生じる良性腫瘍です。
手指や足の裏などにできやすく、表面はザラザラしていて自覚症状はほとんどありません。
直径数mm~数cmくらいにまで達することがあります。

単発のこともありますが、多発して生じることが多く、集合して融合することがあります。
治療は液体窒素、炭酸ガスレーザーなどが有効とされています。

青年性扁平疣贅

青年性扁平疣贅は、小さな傷口からヒトパピローマウイルスが感染することにより生じます。
青年期の頬や額、手の甲に生じやすく、自覚症状はほとんどありません。

直径2mm~4mm程度の平らな丘疹が多発することがあります。
治療は炭酸ガスレーザー、液体窒素、ヨクイニン内服などが有効とされています。

伝染性軟属腫(水イボ)

いわゆる「水イボ」といわれ、伝染性軟属腫ウイルスにより生じます。
小児の四肢、体幹、下腹部や陰部などに生じやすく、表面には光沢があり、直径2~5mm程度のドーム状の盛り上がりが多発することがあります。

自覚症状はほとんどないか、軽度のかゆみを伴うことがあります。
治療はトラコーマなどによる除去が確実とされるほか、凍結療法が有効とされています。
また半年〜2年ほどで自然消退するため、自覚症状がほとんどない場合は経過観察する場合もあります。

加齢

脂漏性角化症(老人性疣贅)

中年以降の頭部や顔面、体幹などにみられる良性腫瘍で、老人性疣贅とも呼ばれています。
20歳代から生じ、80歳以上ではほとんどの人にみられます。
加齢によって生じるイボで、シミから発生することが多いです。

直径1~2cm程度まで達し、褐色~黒褐色までさまざまですが、手のひらと足の裏にはみられません。
必ず治療が必要というわけではありませんが、自然消退することはなく、加齢とともに増加します。治療は凍結療法、炭酸ガスレーザー、手術療法が有効とされています。

軟性線維腫(アクロコルドン、スキンタッグ)

女性や肥満の人の首や脇の下、足の付け根などに生じやすく、表面にはしわが多いです。
生じる部位や大きさなどにより、以下のようにわけられます。

  • アクロコルドン、スキンタッグ…首や脇の下などに2~3mm程度の小腫瘍が多発したイボ
  • 軟性線維腫…体幹に直径1cmほどの単発したイボ
  • 懸垂性線維腫…軟性線維腫がさらに大きくなり、皮膚から垂れ下がった状態のイボ

治療は、凍結療法、手術療法、炭酸ガスレーザー、ラジオ波メスが有効とされています。

老人性血管腫(サクランボ状血管腫)(赤イボ))

老人性血管腫は、体幹に光沢のある点状の丘疹が多発することがあります。
20歳代からみられ、加齢とともに増加します。
血管増殖が原因とされています。

顔イボの治療

スキャナー付き炭酸ガスレーザー

当院では従来の炭酸ガスレーザー以外に、スキャナ付き炭酸ガスレーザーAcuPulseを導入しています。
イボのほか、ほくろや盛り上がりのあるシミなどに有効とされています。

スキャナ付き炭酸ガスレーザーは10,600nmの波長で赤外線領域にあるため、水の吸収率が高く、皮膚内の水分が反応して熱エネルギーが発生します。
水分が蒸散することによって皮膚が削り取られ、イボやほくろが除去されます。

また、従来の炭酸ガスレーザーはフリーハンドでイボやほくろを削り取るため、部分的に重なる箇所やすき間が空くなど、医師の技量によっては均一に照射することが困難でした。

スキャナ付き炭酸ガスレーザーは、事前に設定した形状や大きさで照射して組織を蒸散できます。
0.1mm単位で調整可能です。
従来の炭酸ガスレーザーと比較して再発や色素沈着のリスクが低く、よりきれいで正確に、短時間で完了します。

ラジオ波メス(サージトロン)

ラジオ波メスは、高周波のエネルギーを細胞の水分子に集中させ、イボやほくろを削って除去する治療です。
周囲の組織へのダメージを抑え、出血が少ないことが特徴です。
短時間で施術でき、比較的傷跡が残りづらく、脂漏性角化症やほくろ、軟性線維腫などの除去に適しています。

手術療法

局所麻酔後にメスやハサミを使ってイボを切除する方法です。
施術中の痛みはありませんが、術後は痛みが生じる場合があります。
他の治療と比較して、再発率が低く、保険適用となります。

液体窒素凍結療法

イボに-196℃の液体窒素を当て、凍傷を起こすことによってイボを取り除きます。
ウイルス性イボや軟性線維腫などに有効とされていますが、炎症後色素沈着を起こすリスクがあるため、軽めに数回行います。

その他のイボの治療法は、以下のリンクからご覧ください。

イボの治療

顔イボの治療のリスク

顔イボの治療の経過や効果には個人差があります。
気になる症状が続く場合は、医師へ相談しましょう。

スキャナー付き炭酸ガスレーザー

  • 治療後は十分な紫外線対策をしてください。
  • 術後の合併症として、色素沈着、病変の取り残し、瘢痕などが考えられます。

ラジオ波メス

  • 術後に赤みが出ることがありますが、少しずつ落ち着きます。
  • 凹みや盛り上がりなどの傷跡、ケロイド、色素沈着を起こすことがあります。
  • 再発する場合があります。

手術療法

  • 術後に赤みが出ることがありますが、少しずつ落ち着きます。
  • 傷が治るまでに、1~2週間程度かかります。
  • 傷跡が残ります。

液体窒素凍結療法

  •  治療には痛みを伴います。
  • 低温やけどを起こす治療のため、水疱ができることがあります。
  • 色素沈着を起こすことがあります。
  • 水疱は1~2週間で吸収されるため、潰さないようにしてください。

料金

スキャナー付き炭酸ガスレーザー

~3㎜11,000円
3~5㎜16,500円
5㎜~22,000円

※症状によっては保険適応となる場合があります。医師による診察時の判断となります。

ラジオ波メス

~3㎜11,000円
3~5㎜16,500円
5㎜~22,000円

※症状によっては保険適応となる場合があります。医師による診察時の判断となります。

手術療法

イボ 約9,000~18,000円

※範囲・部位により異なります(病理検査代等含む)。

液体窒素凍結療法(月4回まで)

イボ約600~800円

※個数により料金が異なります。

伝染性軟属腫圧出

水いぼ400~1,000円

※個数により料金が異なります。

水イボクリーム 3A M-BF CREAM 15g2,200円

顔のイボが気になる方は、渋谷駅前おおしま皮膚科へ

イボには尋常性疣贅や青年性扁平疣贅などウイルスが原因とされるもの、脂漏性角化症など加齢が原因とされるものがあります。

当院では症状やイボの状態を考慮し、その時の状況に応じた治療法をご提案しています。
顔に気になるイボがある方は、当院へお気軽にご相談ください

渋谷駅前おおしま皮膚科院長|大島昇 監修