30代ころから発症しはじめ、加齢とともに増える皮膚の良性腫瘍です。
もともとは毛穴を模倣した皮膚良性腫瘍と言われ、手のひら、足の裏以外の皮膚であれば、全身どこにでも発生します。
色は多くは褐色調ですが、正常の皮膚色から黒色調のものまでさまざまな濃さのものがあります。
色が黒色調のため、皮膚癌を疑ってくる患者様もいらっしゃいます。
大きさは数mmから2~3cmくらいで、わずかに盛り上がるものから突出したり形状は様々です。
よくみると表面がザラザラしているのが特徴です。
脂漏性角化症の症状例
遺伝的要因や日光による露出部の皮膚の老化が、誘因と考えられます。
9割以上の患者様は、その特徴的な所見から見ただけでほとんどの場合は診断ができます。
典型例ではなかったり、診断が不確かな場合には、ダーモスコピー検査を行うとほぼ診断はつきます。
それでも診断が出来ない場合は、組織の一部をとらせていただき病理検査を行う必要があります。
ただし電気焼灼、冷凍療法やレーザー照射で治療した後は修飾が加わり正しい病理検査はできません。
脂漏性角化症とにているもので、皮膚癌であることがあります。
前癌病変である日光角化症(老人性角化症)は脂漏性角化症より周囲にわずかに赤みがかっていることなどが特徴ですが、鑑別が難しいです。
日光角化症の症状例
その他 結節型基底細胞癌、悪性黒色腫との鑑別も重要です。
悪性黒色腫の症状例
疑った場合は病理検査をお勧めします。皮膚の一部もしくは、全部取って組織検査に出します。
簡易な液体窒素凍結療法、傷をきれいにしたいかたは炭酸ガスレーザー治療、電気外科的治療、手術療法などがあります。
それぞれ一長一短であり、患者様にとってベストな方法をとらせていただきます。
液体窒素療法は、他の治療法と違って麻酔を必要とせず、簡便なためによく行われます。
液体窒素療法は保健適応のため1回につき数百円の治療(3割負担)となります。
1回でポロっと取れることもありますが、サイズが大きいものだと長くかかることもあります。
治療は1~3週間に一度程度で強く液体窒素を当てすぎると色素沈着を起こすことがあるため、注意が必要です。
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