【皮膚科専門医監修】レーザー治療の種類と特徴|ニキビ跡・イボ取り・シミ取りなど

レーザー治療とは、特定の波長であるレーザーを照射して、さまざまな肌の悩みに対応するという施術です。
レーザー治療ができる機種にはさまざまな種類があり、あそれぞれで特徴が異なります。

ここでは当院で受けられるレーザー治療の特徴について、それぞれの種類ごとに紹介します。
それぞれのレーザー治療で対応できる症状や、目安となる施術間隔・回数についても紹介しているので、参考にしてください。
(※施術間隔や回数については目安のため、実際には一人ひとりの肌状態によって異なります。)

皮膚科で受けられるレーザー治療とは

レーザー治療とは、機械を使って患部にレーザーを照射することで、さまざまな肌悩みにアプローチする施術です。
たとえば黒色メラニン色素や血管内のヘモグロビンに反応するような波長のレーザーを照射することで、ターゲットを破壊して気になる症状にアプローチします。

当院で対応しているレーザー施術は「Qスイッチルビーレーザー」、「ピコレーザー」、「炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)」、「Vビーム」などです。

当院ではこれらのレーザー治療により、さまざまな種類の波長(532nm、595nm、694nm、730nm、1064nm、10,600nmなど)を使い分けています。
一人ひとりの肌状態やお悩みにあわせた波長のレーザーを照射することにより、きめ細やかな施術ができるように努めています。

レーザー治療の種類と特徴|Qスイッチルビーレーザーとは

<Qスイッチルビーレーザーの特徴>

黒色に反応する波長694nmのレーザーを照射して、症状の原因になっているメラニン色素を破壊します。
青アザや茶アザ、シミやそばかすなどの肌悩みにアプローチする施術です。

Qスイッチルビーレーザー

<Qスイッチルビーレーザーの波長とは>

694nmの波長は、黒色メラニン色素のみに反応しやすい特徴があります。
そのためメラニン色素の周囲にある正常な細胞や血管に与えるダメージが少なくなるため、傷跡が残りにくくなり、ダウンタイムの短い施術です。

<Qスイッチルビーレーザーで期待できる効果>

メラニン色素のみをターゲットとしており、シミやそばかすなどの肌悩みにも対応できます。
またメラニン色素以外の正常な皮膚へのダメージは少なくなります。

ただし肌が褐色のとき(日焼け、肝斑などがあるとき)に施術をすると、白抜けや色素沈着のリスクは高くなるため注意が必要です。

<Qスイッチルビーレーザーで対応できる症状と治療回数>

ここでは症状別の治療回数について紹介します。

(※ここで記載している治療回数は目安です。実際には一人ひとりの肌状態や体質などによって異なります。)

保険診療

※保険診療の場合は、3か月ごとに施術をします。

太田母斑5回以上
青アザ(異所性蒙古斑)5回以上
茶アザ(扁平母斑)保険適応は2回まで
外傷性のイレズミ2~3回

自由診療

※自由診療の場合は、3か月ごとに施術をします。

老人性色素斑1~2回
雀卵斑(そばかす)1~2回
イレズミ5回以上

レーザー治療の種類と特徴|ピコレーザーとは

<ピコレーザーの特徴>

ピコ秒単位(1兆分の1秒)という短時間でレーザーを照射できる施術です。
3種類の波長(532nm、730nm、1064nm)と3つの照射モード(ピコショット、ピコトーニング、ピコフラクショナル)により、幅広い肌悩みにアプローチします。

当院では「ピコウェイ」という機種を使用しています。

<ピコレーザーの波長とは>

当院では532nm、730nm、1064nmという波長のレーザーを症状やお悩みにあわせて使い分けています。
ここではそれぞれの波長の違いについて、詳しく紹介します。

532nmの波長とは

黒色や赤色に反応する波長です。
メラニン色素に対する反応がよく、肌の表面に届きやすいため、肌の表面で起こっているような色素沈着やシミ・そばかすなどに効果が期待できます。

また血液中の赤い色であるヘモグロビンにも反応するため、赤ら顔やニキビ跡の赤みにもアプローチできます。

730nmの波長とは

黒色に反応しやすく、赤色への反応が少ない波長です。
また青色や緑色、紫色にも反応します。
532nmと比べてパルス幅が短く、照射の影響で熱が発生しにくいという特徴があります。

そのためダウンタイムの少ないマイルドな施術が特徴的です。
肌が浅黒い方や肝斑などのシミがある方、カラフルなイレズミがある方に向いています。

1064nmの波長とは

黒色や褐色に反応する波長です。肌の奥へ届きやすいため、肌の奥深くにとどまっている黒色メラニン色素にも反応します。
そのため色素沈着や青アザやイレズミなどの肌悩みに対応できます。

またコラーゲンを作られやすくする働きも期待できるため、毛穴の開きや肌のキメなどの肌悩みにも対応しやすい施術です。

<ピコレーザーで期待できる効果>

レーザーを患部に照射すると、衝撃波によってメラニン色素が破壊されます。
破壊されたメラニン色素はターンオーバーによって排出されやすくなります。

そのためメラニン色素が原因で起こっている青アザやシミ、肝斑などに効果が期待できるのです。
またレーザーにより肌の再生を促すことで、ニキビ跡や毛穴の開きなどの症状にもアプローチします。

<ピコレーザーで対応できる症状と治療回数>

ここでは症状別の治療回数について紹介します。

(※ここで記載している治療回数は目安です。実際には一人ひとりの肌状態や体質などによって異なります。)

保険診療

目安となる施術間隔は、「ピコショットは3~6か月に1回」、「ピコトーニングは2週間~1か月に1回」、「ピコフラクショナルは1か月に1回」です。

太田母斑(青アザ)5回以上
異所性蒙古斑(青アザ)5回以上
外傷性のイレズミ
(※外傷性のイレズミは、ピコレーザーよりもQスイッチルビーレーザーの施術が向いています。)
5回以上
自由診療

目安となる施術間隔は、「ピコショットは3~6か月に1回」、「ピコトーニングは2週間~1か月に1回」、「ピコフラクショナルは1か月に1回」です。

ピコショット(シミ、そばかす)1~2回
ピコトーニング(肝斑、美白、くすみ、トーンアップ)4~8回以上
ピコフラクショナル(小ジワ、ニキビ跡、毛穴のお悩み)3~4回以上

レーザー治療の種類と特徴|炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)とは

<炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)の特徴>

波長10,600nmの炭酸ガスレーザーを照射して、皮膚の表面に集中的なエネルギーを与える施術です。
炭酸ガスが皮膚細胞の水分と反応するため、患部に熱を発生させて細胞を蒸散させます。

<炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)の波長とは>

10,600nmの波長には、細胞にある水分に反応する特徴があります。
患部にレーザーを照射すると、細胞内の水分を沸点まで一気に上昇させて細胞を蒸散させて除去します。

このとき周辺組織にも熱が加わるため、施術によってできた傷は止血されやすくなるのです。
さらには熱で患部が刺激されることでコラーゲンの分泌を促進する働きも期待できます。

<炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)で期待できる効果>

皮膚の表面にあるようなホクロやイボ、シミなどに効果が期待できます。
熱の影響で出血が固まりやすいため、施術の影響で出血するリスクが少なくなり、傷跡が残りにくい施術です。

<炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)で対応できる症状と治療回数>

ここでは症状別の治療回数について紹介します。

(※ここで記載している治療回数は目安です。実際には一人ひとりの肌状態や体質などによって異なります。)

自由診療

基本的に1回の治療で完了することを目標としています。

脂漏性角化症(老人性イボ)1~2回
ホクロ(小型の母斑細胞母斑)1~2回
扁平疣贅(イボ)1~2回
脂腺増殖症1~2回
眼瞼黄色腫1~2回以上

など

レーザー治療の種類と特徴|Vビームとは

<Vビームの特徴>

波長595nmのレーザーを照射して、肌の赤みや赤アザなどにアプローチする施術です。
当院では「Vビームプリマ」という機種を使用しています。

<VビームⅡとVビームプリマの違い>

当院では、従来使用していたVビームⅡからVビームプリマへ切り替えて施術しています。
Vビームと比べるとVビームプリマは、照射時間が短く、照射径が大きくなり、深い場所にレーザーが届きやすくなっています。
そのため「さまざまな範囲に照射しやすい」、「期待した効果を実感しやすい」というメリットがあります。

VビームⅡとVビームプリマの違いについて、詳しくは「Vビームの治療ページ」をご覧ください。

<Vビームの波長とは>

595nmの波長は、血液中のヘモグロビンに反応しやすい特徴があります。
反応したレーザーは熱エネルギーに変換されるため、周囲にある血管は破壊されます。

とくに肌の内部にある真皮層まで届くレーザーのため、真皮層に原因があるような単純性血管腫、いちご状血管腫、毛細血管拡張症の治療に向いている施術です。

<Vビームで期待できる効果>

レーザーを患部に照射すると、血液中のヘモグロビンへ選択的に吸収されて熱エネルギーに変換されることにより、症状の原因となっている血管が破壊されます。

また線維芽細胞を活性化させてコラーゲンを作られやすくする働きも期待できるため、肌の弾力やハリ・ツヤといった肌悩みにもアプローチします。

<対応できる症状と治療回数>

ここでは症状別の治療回数について紹介します。

(※ここで記載している治療回数は目安です。実際には一人ひとりの肌状態や体質などによって異なります。)

保険診療

保険診療の場合は、3か月ごとに施術をします。

単純性血管腫(赤アザ)5回以上
いちご状血管腫(赤アザ)5回以上
毛細血管拡張症(赤ら顔)2~5回

自由診療

自由診療の場合は、1か月ごとに施術をします。

尋常性疣贅2~5回
赤ニキビ、ニキビ跡の赤み5回以上
傷跡の赤み、ケロイドの赤み5回以上
老人性血管腫(チェリースポット)1~2回
肌質のお悩み(小ジワ、しみ、くすみ)5回以上

副作用・注意事項等

禁忌

「Qスイッチルビーレーザー」

  • 妊娠中の方
  • てんかん発作の既往歴がある方
  • 日光過敏症の方
  • 患部に強い日焼けをしている方

「ピコレーザー」

  • 妊娠中の方、妊娠している可能性のある方
  • 日焼けをしている方
  • 日光過敏症の方

「炭酸ガスレーザー」

  • 妊娠中の方
  • 授乳中の方
  • 日焼けをしている方
  • 皮膚炎などの商用がある方

「Vビーム」

  • 妊娠中の方
  • 強い日焼けをしている方
  • 日光過敏症の方
  • てんかん発作の既往歴がある方

副作用

「Qスイッチルビーレーザー」

色素沈着、ヤケド、白抜け、傷跡など

「ピコレーザー」

赤み、水ぶくれ、内出血、色素沈着など

「炭酸ガスレーザー」

カサブタ、色素沈着、患部のへこみ、傷跡など

「Vビーム」

腫れ、赤み、痛み、内出血(紫斑)、カサブタ、水疱、色素沈着など

注意事項

「Qスイッチルビーレーザー」

  • メイクは患部に貼ったテープの上からにしてください。1週間後にはテープをはがしてメイクができます。
  • 入浴は当日から可能です。ただし患部のテープははがさないように注意しましょう。
  • メイクや入浴などで患部に触れるときには、強い力でこすらないように注意しましょう。
  • 施術後は日焼け止めを塗布してください。患部のテープをはがした後も、日焼け止めは継続してください。
  • 施術後にカサブタができるかもしれません。自然にはがれおちるため、ムリにはがさないでください。
  • カサブタがはがれた後の肌は桃色をしています。元の肌状態に戻るまで3か月ほどかかります。

「ピコレーザー」

  • 一時的に肌に赤みが出るかもしれません。ほとんどの場合、1週間以内におさまります。
  • 一時的に内出血や水ぶくれが出るかもしれません。ほとんどの場合、1~2週間でおさまります。
  • まれに色素沈着が起こることもあります。早い人では数週間、長い人では数か月でおさまります。
  • 洗顔やメイクは当日から可能です。
  • シャワー、入浴、運動、飲酒も当日からできます。
  • 施術前後の2週間は日焼けをしないように注意してください。

「炭酸ガスレーザー」

  • 一時的にカサブタができるかもしれません。自然にはがれおちるため、ムリにはがさないでください。
  • 施術後は紫外線の影響を受けやすくなるため、日常的に日焼け止め対策をしましょう。
  • 色素沈着が出るかもしれません。
  • 患部にへこみや傷跡が残ることもあります。

「Vビーム」

  • メイクや洗顔、入浴は当日から可能です。
  • 腫れが出るかもしれません。ほとんどの場合は数日~1週間でおさまります。
  • 患部にヒリヒリとした痛みや赤みが出ることもあります。ほとんどの場合は数時間~2日でおさまります。保冷剤を使ってクーリングをすると症状がやわらぎます。症状によっては炎症を抑えるために外用薬を処方します。
  • 強いパワーで照射したときや、血をサラサラにする薬(抗血小板薬・抗凝固薬)、目のまわりに照射したときなどは、打ち身をしたときのような内出血(紫斑)ができることもあります。ほとんどの場合は1~2週間でおさまります。
  • 強いパワーで照射したときや、肌の赤みがもともと強い方には、まれにカサブタや水疱が出ることもあります。症状にあわせて軟膏を処方します。
  • 体質によっては色素沈着が出ることもあります。

料金

<保険適用>

初診料約850円
再診料約220円

「Qスイッチルビーレーザー」

(※照射範囲により料金が異なります。)

・青アザ、茶アザ:約6,000~12,000円

「Vビーム」

(※照射範囲により料金が異なります。)

・赤アザ、毛細血管拡張症:約6,500~32,000円

<自由診療>

以下の施術は公的医療保険が適用されない自由診療です。

「Qスイッチルビーレーザー」

(※照射範囲により料金が異なります。)

1cm未満12,000円(税込13,200円)
1~1.5cm未満18,000円(税込19,800円)
1.5~2cm未満 24,000円(税込26,400円)
2~3cm未満36,000円(税込39,600円)
3~4cm未満48,000円(税込52,800円)

※4cm以上は1cmごとに追加料金12,000円(税込13,200円)が必要です。

「ピコレーザー」

ピコウェイレーザー
ピコトーニング 1,200shot12,000円(税込13,200円)
※200ショット追加するごとに 1,500円(税込1,650円)
ピコショット1cm 12,000円(税込13,200円)
ピコフラクショナル
全顔19,800円(税込21,780円)
19,800円(税込21,780円)
12,800円(税込14,080円)
9,800円(税込10,780円)
アゴ6,800円(税込7,480円)
4,200円(税込4,620円)

「炭酸ガスレーザー」

(※照射範囲により料金が異なります。)

3mm未満10,000円(税込11,000円)
3~5mm未満 15,000円(税込16,500円)
5mm以上20,000円(税込22,000円)

「Vビーム」

Vビームフェイシャル250ショット 顔全体(看護師による施術)9,000円(税込9,900円)
Vビームフェイシャル250ショット 頬部のみ(看護師による施術)9,000円(税込9,900円)
全顔(医師による施術)30,000円(税込33,000円)
前額部(医師による施術)10,500円(税込11,550円)
頬(医師による施術)12,000円(税込13,200円)
鼻(医師による施術) 9,000円(税込9,900円)
アゴ(医師による施術)10,500円(税込11,550円)
Vビームレーザー3ショット3,000円(税込3,300円)
※1ショット追加するごとに 1,000円(税込1,100円)
老人性血管腫(チェリースポット)1か所3,000円(税込3,300円)
老人性血管腫(チェリースポット)2か所以上1か所につき2,000円(税込2,200円)

レーザー治療なら渋谷駅前おおしま皮膚科へ

当院ではさまざまな種類のレーザー機器を取りそろえており、一人ひとりの肌状態にあわせた治療をしています。
気になる肌悩みがあるときには、日本皮膚科学会認定の皮膚科専門医が在籍している当院までいつでもお気軽にご相談ください。

【渋谷駅前おおしま皮膚科院長|大島 昇 監修】

Qスイッチルビーレーザーについて

・未承認医薬品等

 Qスイッチルビーレーザーは、医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医療機器等です。

・入手経路等

 エムエムアンドニーク社より入手しています。

・国内の承認医薬品等の有無

 国内で同程度の効能・効果で承認されている承認医薬品等はありません。

・諸外国における安全性等に係る情報

 米国FDAにて承認されています。


ピコウェイについて

・未承認医薬品等(異なる目的での使用)

 ピコウェイは医薬品医療機器等法において、体表面の深在性及び浅在性色素性病変の治療や刺青の除去を目的とした治療について承認されていますが、その他の目的については国内で承認されていません。

・入手経路等

 シネロン・キャンデラ社より入手しています。

・国内の承認医薬品の有無

 国内で同程度の効能・効果で承認されている承認医薬品等はありません。

・諸外国における安全性などに係る情報

 米国FDAにおいて、色素性病変、ニキビ跡、しわ等に関する承認を受けています。


スキャナー付き炭酸ガスレーザー(AcuPulse)について

・未承認医薬品等

AcuPulseは医薬品医療機器等法上、未承認医療機器です。

・入手経路等

当院医師の判断のもとルミナス社より購入しています。

・国内の承認医薬品等の有無

同程度の効能・効果で承認されている国内承認機器等はありません。

・諸外国における安全性等に係る情報

諸外国において、治療に伴う重大な副作用の報告はありません。

Vビームプリマ(Vbeam Prima)について

・未承認医薬品等(異なる目的での使用)

Vbeam Primaは、皮膚良性血管病変治療について国内で承認されています。
その他の治療については承認されていません。

・入手経路等

シネロン・キャンデラ社より入手しています。

・国内の承認医薬品等の有無

同一の成分・性能を有する、他の国内承認医薬品等はありません。

・諸外国における安全性等に係る情報

米国FDAにて承認されています。
個人輸入した薬品等の使用によるリスクの情報は「こちらのページ」をご覧ください。