炭酸ガスレーザーは、体の水に吸収されることでレーザー照射された組織を高温で蒸散します。
熱で凝固するため断面からの出血も少なく皮膚の浅い病変を直視下に確認しながら除去するのに有用なレーザーです。
デメリットとして治療組織が蒸散され病理組織学的検査に出すことができないので、術前の正確な診断が必須です。
取り残し、瘢痕化、色素沈着などの合併症を予防するためには、術前の正確な診断にてレーザーでとる病変の立体的構築を理解し、角度、強さを考慮し適切に蒸散する必要があります。
炭酸ガスレーザーは波長10,600nm のレーザーであり、体の水に吸収され高熱を発するため、照射された組織はすぐに蒸散されます。
周囲組織は熱により凝固するので、断面からの出血が少ない点も便利です。
治療後の病変部は表皮と真皮の一部が欠損した状態となります。
瘢痕化や色素沈着などの合併症を予防するために、皮膚の皮がはるまでに傷を乾燥させないように軟膏療法の徹底もしくは、創傷被覆材で傷を密封する必要があります。
当院では、レーザー後の瘢痕を防ぐために、患部に少量のボトックスの注入・内服薬のリザベンや紫苓湯を処方しております。
また炎症後色素沈着予防の内服、外用も併用し、徹底した術後の管理をしております。
Q | 注意する点は? |
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A |
炭酸ガスレーザー治療の注意点は、対象病変をできるだけ完全に除去することと、術後の瘢痕を予防することです。 そのためには、まず医師が各疾患の立体的組織学的構築について十分な知識を持ちどのくらいの深さを削るか説明いたします。 少なくとも病理の勉強をしっかりとしている皮膚科専門医のもとでレーザー治療を受けることをお勧めします。 例えば脂漏性角化症(老人性イボ)は皮膚表面から大きく隆起した病変であっても底部は真皮網状層まで浸潤していることは少ないので、比較的浅く削ります。 それに対して、脂腺増殖症やMiescher型母斑細胞性母斑(顔面のホクロのほとんど)は、病変の底部が真皮のかなり深いところまで達しているために、完全除去した場合に真皮の欠損はある程度深くなります。 治療部位は真皮の部分欠損となり、創は残存する付属器からの上皮化と周囲からの上皮化によって自然治癒しますが、その過程が円滑に進むよう努め、瘢痕化や色素沈着などの合併症を予防するようにする必要があります。 |
Q | 合併症はありますか? |
A |
炭酸ガスレーザー治療の予想される合併症としては、病変の取り残し、術後の瘢痕、色素沈着などが考えられますが、これら合併症の回避のために当院では事前に確実に診断をつけて病変部の立体的病理学的構築を予想し、角度、強さを考慮し一人一人正確にレーザーを照射させていただいております。 術後の傷の処置に関しましても患者様のライフスタイルに併せて密封閉鎖療法を指導させていただいております。 |
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