アビクリアの効果はいつから?治療回数・期間の目安や注意点を解説
近年名前を聞くようになったニキビ治療レーザー「アビクリア」。最近SNSなどでも見かけるようになり、気になっている方も多いのではないでしょうか。
一方で「名前は聞いたことがあるけれど、結局どんな効果があるのか、何回くらいで効くのかよくわからない」という理由で、一歩踏み出せずにいる方も少なくありません。
アビクリアは皮脂腺に直接作用する世界初のニキビ専用レーザー、皮脂分泌を抑えることで、繰り返すニキビの改善を目指せる治療です。しかし正しい効果の出方や治療期間を知らないまま「1回で治らない」「すぐには変わらない」と誤解してしまい、せっかくの効果を実感できずに治療をやめてしまう可能性もあります。
この記事ではアビクリアの効果がいつから出るのか、治療回数や期間の目安、治療前に知っておきたい注意点までわかりやすく解説します。
ニキビ治療を検討している方、アビクリアについて正しく知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
アビクリアの効果はいつから?ニキビができにくくなるまでの期間
繰り返すニキビに対して効果が期待できるアビクリア。効果がいつから出るのか、またニキビができにくくなるまでの期間について詳しく解説します。
アビクリアの効果はいつから出る?
個人差はありますが、アビクリアは治療開始から約4〜12週間(約1〜3ヶ月)で効果が現れはじめると報告されています。
ある試験では、アビクリア治療後の炎症性ニキビの数が平均で52〜56%減少しました。特に3回目の治療後(約3ヶ月経過時)に大きな変化を感じる方が多いとされています。
さらに治療を受けた患者のアンケートでは、約3ヶ月後の時点で71%の方がアビクリアでの治療に「満足している」と回答しています。早い方では、1ヶ月ほどで改善を実感するケースもあるため、比較的短期間で効果を期待できる治療法といえるでしょう。[1]
新しいニキビができにくくなるまでの期間
ある試験のデータによると、治療開始から12週(約3ヶ月)で新たなニキビの発生頻度は25%減少し、52週(約1年)後には57.6%の減少が確認されました。
さらに最終治療から1年後の時点で91.5%の方が「治療成功」の状態が続いていると報告されています。試験をみると、徐々に新しいニキビができにくい肌へ変化していくことがわかります。[2]
アビクリアは皮脂腺に直接アプローチするため効果が現れるのは緩やかですが、その分、持続的な改善が期待できる治療です。
アビクリアの治療回数と期間の目安
アビクリアの基本的な治療スケジュールは、1ヶ月おきに全3回の照射を行う「1クール3回」が目安です。
1回の治療でも効果を実感される方はいますが、複数回継続することでより高い効果が期待できるでしょう。
治療の際は、看護師が照射部位や痛みの有無を確認しながら進めるため、初めての方でも安心して受けられる体制を整えています。
アビクリアとは?ニキビや毛穴に効く仕組み
アビクリアは皮脂腺に直接アプローチできるニキビ専用レーザーです。
皮脂腺に直接作用するため、繰り返すニキビや毛穴トラブルの改善が期待できます。ここでは、アビクリアの仕組みや効果について詳しく解説します。
ニキビ用レーザー治療「アビクリア」とは
アビクリア(AviClear)は、アメリカのCutera社が開発したニキビ専用のレーザー治療機器です。
1726nmの波長をもつダイオードレーザーが皮脂腺を選択的に加熱し、過剰な皮脂分泌を抑制します。2022年には米国FDA(食品医薬品局)によって承認され、軽度から重度の炎症性ニキビに使用されています。[2][3]
欧米ではニキビ治療の新しい選択肢として注目されていますが、2025年5月現在、日本国内では未承認です。
また機器本体に冷却装置が内蔵されており、周囲の皮膚へのダメージを抑えながら施術が可能です。治療時に麻酔は必要なく、ダウンタイムもほとんどありません。[4]
皮脂が減ることでアクネ菌の栄養源が減少し、新しいニキビができにくくなります。
繰り返すニキビへの効果
アビクリアは皮脂腺へのアプローチによって新しいニキビの発生を抑えるため、治ってもすぐ新しいニキビができる方にも効果が期待されています。
アビクリアを用いたある試験の結果は以下のようになりました。
- 12週間後:被験者の91.5%が50%以上のニキビ改善を実感
- 52週間後(約1年):非炎症性ニキビ数57.6%減少。IGAスコア*「クリア〜ほぼクリア」達成率66.2%
また70%以上の患者が「再度治療を受けたい」と回答しており、治療を受けた方の満足度も高い治療と言えるでしょう。[2]
IGAスコア*:クリア(IGA 0):ニキビの重症度を0から4の5段階で評価する指標。「クリア」はニキビが完全にない状態。「ほぼクリア」ニキビがほとんど消えている状態を指す。
開いた毛穴への効果
アビクリアは皮脂の過剰分泌を抑えて、毛穴の詰まりや開きにもアプローチが可能です。皮脂が減ると毛穴の出口にある角質のつまりが解消され、毛穴が引き締まりやすくなります。
これにより開いた毛穴や黒ずみ、白ニキビ(コメド:ニキビのもと)の予防にも効果が期待できます。アビクリアによって皮脂バランスが整うと、肌のテカリも軽減されて肌質改善につながるでしょう。
他のニキビ治療用レーザーとの違い
アビクリアと他のレーザーとの違いを以下の表にまとめました。
種類 | ターゲット | 得意な症状 | 特徴 | |
アビクリア | 1726nmダイオードレーザー | 皮脂腺 | 繰り返す赤ニキビオイリー肌の改善 | 皮脂腺をターゲットにしてニキビの根本原因を治療ニキビの再発予防に優れる |
ジェネシス | 1064nmNd:YAG(近赤外線) | 真皮層(コラーゲン) | 肌質改善(キメ・ハリ)ニキビ跡の赤み毛穴 | 肌全体のトーンアップマイルドな効果で継続しやすい |
フラクショナルレーザー | 2940nm Er:YAGあるいはCO₂ | 表皮から真皮 | クレーターや凹凸状のニキビ跡 | 表皮を再構築してニキビ跡をなめらかにする赤み・腫れなどダウンタイムがある |
アビクリアは唯一、皮脂腺そのものに働きかけることで新たなニキビの発生を予防できるレーザーです。
ジェネシスは肌のキメや赤みをマイルドに整える「美肌目的のメンテナンス治療」にも向いています。
フラクショナルレーザーは表皮の入れ替えを行うため、ニキビ跡による肌の凹凸を改善したい方に適しているでしょう。[5]
アビクリアのダウンタイム
アビクリアはダウンタイムがほとんどなく、治療後もすぐに日常生活を送ることができます。
治療中はレーザー照射と同時に冷却機能が作動し、肌の温度を調整し、熱さや痛みを感じにくいよう設計されています。痛みは「軽いパチッとした感覚(スナッピング感)」を感じる程度です。
臨床試験では、ほとんどの方が痛み止めを使わずに治療を完了しており、治療を中断した例もありませんでした。[3]
治療後は、一時的な赤みや軽度のむくみがほとんどの方で報告されていますが、いずれも2〜3日以内に自然に回復するとされています。[2]
当院のアビクリア治療の流れと特徴
当院におけるアビクリア治療の流れと特徴を紹介します。
治療の流れ
【事前準備】
- 事前準備:カウンセリング・医師の診察
カウンセリングは予約不要です。時間内に受付までお越しください。診察にて二キビの状態や肌質をチェックします。
- 同意書の取得・治療予約
治療をご希望の場合は、同意書をご記入いただいたうえで照射日のご予約をお取りいただきます。予約状況によっては、カウンセリング当日にそのまま施術を受けていただくことも可能です。ただし、当日の混雑状況によっては後日の施術となる場合もあります。あらかじめご了承ください。
【治療当日】
- 治療前の準備・洗顔
洗顔(メイク落とし):施術前に洗顔をしてメイクを落としていただきます。金属製のアクセサリーはすべて外してください。
- アビクリア照射
1ヶ月おきに3回の照射が基本的な治療プラン(1クール)です。看護師が照射部位や痛みを確認しながら行います。
- アフターケア
治療後のスキンケアについてもアドバイスいたします。ご希望の方には当院おすすめのスキンケア製品をご案内しています。
当院のアビクリア治療の特徴
当院では、国内でもいち早くアビクリア(AviClear)を導入し、2025年2月より治療を開始。皮膚科専門医による診察と、一人ひとりに合わせた丁寧な対応を大切にし、安心して治療を受けていただける環境を整えています。
皮膚科専門医がニキビの状態や肌質を丁寧に確認したうえで、患者さまに合った治療プランをご提案。治療前後のスキンケア指導やアフターケアも充実しており、治療に満足いただけるよう努めています。
また当院ではこれまで多くのニキビ治療に取り組んできた実績があり、その経験を活かして症状やライフスタイルに合わせた柔軟で個別性の高い治療を行っています。
アビクリアの料金について
アビクリアの料金は以下のとおりです。アビクリアは、公的保険が適用されない自由診療です。
全顔 | 88,000円(税込96,800円) |
前額 | 62,000円(税込68,200円) |
鼻 | 28,000円(税込30,800円) |
頬 | 48,000円(税込52,800円) |
顎 | 40,000円(税込44,800円) |
鼻+頬or顎+頬or鼻+前額 | 62,000円(税込)68,200円 |
鼻+頬+顎 | 78,000円(税込85,800円) |
4cm四方(鼻以外・16㎠以内) | 22,000円(税込24,200円) |
アビクリアに関するよくある質問(FAQ)
アビクリアに関するよくある質問にお答えします。
アビクリアは毛穴に効くの?
アビクリアには、毛穴への効果があります。
アビクリアは皮脂腺に直接作用するレーザー治療です。皮脂の分泌が抑えられるため毛穴の詰まりが改善され、開いた毛穴が目立ちにくくなる効果が期待できます。
アビクリアのダウンタイムは?
アビクリアには、ダウンタイムがほとんどありません。
治療中は冷却機能が働くため痛みも軽く、治療後にみられる赤みやむくみも数日で自然におさまります。日常生活に支障をきたすことはほとんどなく、治療当日からメイクや洗顔も可能です。
繰り返すニキビにお悩みなら渋谷駅前おおしま皮膚科まで相談を
繰り返すニキビでお悩みの方にとって、アビクリアは根本的な治療が目指せる新しい選択肢の一つです。皮脂腺に直接アプローチするため、ポツポツとできる赤ニキビだけでなく、開いた毛穴やオイリー肌の改善にも期待できます。ダウンタイムがなく、治療後すぐ日常生活を送れることもアビクリアの特徴です。
アビクリアは1ヶ月ごとの照射を基本に、3回の治療が1クール。効果は治療後1〜3ヶ月頃からあらわれ始め、6ヶ月から1年にわたって改善が続くというデータもあります。
「早くニキビを治したい」「何度も繰り返すニキビにうんざりしている」そんな方こそ、早めの治療がおすすめです。治療を始めるタイミングによっては、今あるニキビだけでなく、将来的な予防にもつながります。
「アビクリアって本当に効果があるのか不安な方やダウンタイムや副作用が心配な方も、まずはお気軽にご相談ください。渋谷駅前おおしま皮膚科では皮膚科専門医が丁寧に診察し、あなたの肌に合った治療法をご提案いたします。
アビクリアの副作用と注意事項
アビクリアの副作用と注意点について解説します。
副作用
アビクリア治療後に生じる可能性のある副作用には以下のようなものがあります。
- 赤み
- 腫れ
- むくみ
- 熱傷
- 乾燥・かゆみ
- 炎症性ニキビの再燃
- 色素沈着
熱傷や色素沈着はまれです。乾燥やかゆみは、治療後4週間まで感じる方もいます。
またアビクリアでは、改善する前に一時的にニキビの症状が悪化する可能性があります。これは、多くの方にみられる症状です。治療後1週間以上経過してから発生することが多く、数週間続く場合もあります。
注意事項
治療前の注意点
- 直近6カ月以内にイソトレチノインを使用したことがある場合は必ず事前に医師に相談してください。
- 治療前の1週間程度は以下のような皮膚刺激となる製品を避けてください:
- トレチノイン、過酸化ベンゾイル、グリコール酸、サリチル酸、ビタミンC、アスコルビン酸、収れん剤などを含有する製品
- 治療前の4週間はセルフタナー(セルフタンニング、日焼けしたように見せる化粧品)の使用や日やけをしないでください。
- 前回の予約時から健康状態や服用している薬に変更があった場合は医師に相談してください。
- ヘルペスの既往がある場合、治療前に抗ウイルス薬の処方を要する可能性があります。
- 特に男性は、治療部位の余分な毛髪を事前に綺麗に剃る必要があります。
- アセトンアレルギーがある方はアビクリア治療を行えません。自分がアレルギーかどうかわからない場合は、必ず事前に医師に相談してください。
治療後の注意点
- 治療の翌日から毎日日焼け止めを塗り、こまめに塗り直してください。
- 治療期間中は、直射日光への露出を最小限にしてください。
- ほとんどの患者さまは、治療後に1日程度治療部位に軽い赤みが生じます。
- 治療後、1時間から2日程度、治療部位が腫れる場合があります。
- 約半数の方は、1回目または治療全体を通して一時的にニキビが悪化するケースが見られますが、その後徐々に治まります。
- 治療後1〜2日間は熱い浴槽やサウナを避けてください。
- 治療後1〜2日間は発汗の可能性がある運動や活動は控えてください。
- 治療後1週間程度は以下のような皮膚刺激を避けてください:
- トレチノイン、レチノール、過酸化ベンゾイル、グリコール酸、サリチル酸、ビタミンC・アスコルビン酸、収れん剤等を含む製品
- 治療後1〜2週間は、ワックスや脱毛など肌に刺激を与えるような施術は避けてください。
未承認機器等の表示
未承認医薬品であることの明示 | アビクリアは医薬品医療機器等法上、未承認医療機器です。 |
入手経路の明示 | 当院では米国キュテラ社製品を導入予定です。 |
国内承認医薬品等の有無の明示 | 国内において承認されている医薬品はありません。 |
諸外国における安全性等に係る情報の明示 | 米国FDA(食品衛生医薬品局)にてニキビ・ニキビ跡治療に使用される医療機器として承認されています。 |
参考文献