黄砂で皮膚炎は起こる?かゆみ・赤み・ぶつぶつの原因と対策・受診目安を医師が解説

「顔がかゆい」「首にぶつぶつが出る」「肌がヒリヒリする」といった症状に悩まされていませんか?

その肌荒れは、実は黄砂による刺激が関係している可能性があります。

黄砂は鼻水や目のかゆみなどのアレルギー症状だけでなく、皮膚にも影響を与えることがあり、「黄砂皮膚炎」「黄砂アレルギー」などと呼ばれることもあります。

一方で、実際には花粉やPM2.5、アトピー性皮膚炎など、ほかの原因が関係しているケースも多いのです。

この記事では、黄砂による皮膚炎でみられやすい症状や原因、自宅でできる対策、皮膚科を受診した方がよい症状について、皮膚科の視点からわかりやすく解説します。

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黄砂でも皮膚炎は起こる

黄砂は鼻や喉だけでなく、皮膚にも影響を与えることがあります。

春先になると「顔がかゆい」「赤みやぶつぶつが出る」「肌がヒリヒリする」といった症状が悪化する方もいるのではないでしょうか。このような症状は、黄砂の飛来と関係している可能性があります。

黄砂とは、中国大陸の砂漠地帯などから風によって運ばれてくる微細な砂じんのことです。日本ではとくに3〜5月頃に飛来量が増える傾向がありますが、近年では年間を通して観測されることもあります。[1]

黄砂の影響というと、咳や鼻水、目のかゆみなどをイメージする方が多いかもしれません。しかし実際には、皮膚にも刺激となり、かゆみ・赤み・湿疹などの皮膚症状を引き起こすことがあります。[1]

こうした症状は「黄砂皮膚炎」「黄砂アレルギー」などと呼ばれることもあります。ただし、原因が必ずしも黄砂単独とは限らない点には注意が必要です。黄砂にはPM2.5や花粉、微生物成分などが付着していることがあり、複数の要因が重なって炎症やアレルギー反応を引き起こしている可能性も考えられます。[1][2]

黄砂による皮膚炎の主な症状

黄砂による皮膚炎では、肌のかゆみや赤みだけでなく、目や鼻などにアレルギー症状を伴うこともあります。

とくに黄砂が多く飛来する季節は、花粉やPM2.5などの影響も重なりやすく、「毎年この時期になると肌荒れする」という方もめずらしくありません。

まずは、黄砂による皮膚症状でみられやすい特徴を確認していきましょう。

よくみられる皮膚症状の特徴

黄砂による皮膚症状では、顔や首、まぶたなど、外気に触れやすい部位を中心に症状があらわれやすい傾向があります。

具体的には、以下のような症状です。[1]

  • かゆみ
  • 赤み
  • ぶつぶつ(湿疹)
  • ヒリヒリ感
  • 肌の乾燥

また、黄砂の飛来量が多い日は、肌への刺激によって症状が悪化しやすくなることがあります。外出後に症状が強くなる場合は、黄砂や花粉など外的刺激の影響も考えられるでしょう。

悪化しやすい方・皮膚以外の症状

黄砂による刺激は、もともと肌のバリア機能が低下している方ほど影響を受けやすいと考えられています。とくに、以下のような方では症状が悪化しやすい傾向があるとされています。[1]

  • アトピー性皮膚炎がある方
  • 敏感肌の方
  • 花粉症などアレルギー体質の方

また、黄砂による影響は皮膚だけとは限りません。以下のような症状を同時に伴うこともあります。[1]

  • 目のかゆみ
  • 鼻水・くしゃみ
  • 喉の違和感

環境省でも、黄砂の飛来と眼・鼻・皮膚などのアレルギー症状との関連が報告されています。[1]

「肌荒れだけだと思っていたら鼻や目の症状も出ていた」というケースもあるため、肌だけでなく全身の症状もあわせて確認することが大切です。

黄砂で肌荒れが起こる原因

黄砂による肌荒れは、単純に砂が飛んでくるからだけではありません。黄砂そのものの刺激に加えて、PM2.5や花粉などの影響、肌のバリア機能低下など、複数の要因が重なって症状が悪化している可能性があります。

ここでは、黄砂によって皮膚炎や肌荒れが起こる主な原因について解説します。

粒子の付着による刺激

黄砂による肌荒れは黄砂の微細な粒子が皮膚へ付着し、刺激となることで引き起こされます。

黄砂は非常に小さな粒子で、顔や首など外気に触れやすい部位へ付着しやすいのが特徴です。[1]

このような小さい粒子が肌へ繰り返し触れることで刺激になり、かゆみや赤み、ヒリヒリ感などの炎症症状につながることがあります。

とくに肌のバリア機能が低下している場合は刺激を受けやすく、症状が悪化しやすくなるため注意が必要です。

花粉・PM2.5との複合影響

黄砂による皮膚症状は、黄砂単独ではなく、花粉やPM2.5などの影響が重なっている場合もあります。

黄砂には微生物成分や大気汚染物質などが付着していることがあり、こうした物質が炎症やアレルギー反応を強める可能性も指摘されています。[2]

また、黄砂の飛来時期は花粉シーズンとも重なりやすいため「黄砂だと思っていたら花粉の影響も重なっていた」というケースも考えられるでしょう。

バリア機能低下との関係

肌のバリア機能が低下していると、黄砂や花粉などの刺激物質が皮膚内部へ入り込みやすくなります。

とくにアトピー性皮膚炎では、もともと皮膚のバリア機能が低下しているため、黄砂などの刺激によって症状が悪化しやすいのです。さらに黄砂やPM2.5による刺激が加わることで、炎症やアレルギー症状が悪化しやすくなる可能性があります。[3]

春は花粉の飛来時期とも重なるため、さまざまな刺激が重なって肌トラブルにつながりやすい時期です。[1]

また、乾燥や洗いすぎなどによって肌のバリア機能が低下すると、さらに刺激を受けやすくなる悪循環につながることもあります。

黄砂シーズンは刺激を避けるだけでなく、保湿によって肌の状態を整えることも大切です。

黄砂皮膚炎と間違えやすい皮膚トラブル

黄砂による肌荒れだと思っていても、実際には別の皮膚疾患が関係していることもあります。とくに春は花粉や乾燥など肌への刺激が重なりやすく、症状だけで原因を判断するのは簡単ではありません。

代表的な皮膚トラブルには、以下のようなものがあります。

黄砂皮膚炎と間違えやすい皮膚トラブル[3][4][5]

疾患主な特徴
アトピー性皮膚炎皮膚のバリア機能が低下しており、黄砂や花粉などの外的刺激で悪化しやすい
接触皮膚炎化粧品・植物・金属など特定の物質による炎症原因特定のためには必要に応じてパッチテストを行う
ニキビ・酒さ顔の赤みやぶつぶつが中心酒さではほてり感を伴うこともある
脂漏性皮膚炎赤み・かゆみ・フケのような症状が特徴
花粉皮膚炎目や鼻の症状以外にも皮膚症状が出ることがある赤み・かゆみなど

このような症状は、自己判断で放置すると症状が長引くこともあるため、早めに皮膚科へ相談しましょう。

今すぐできる黄砂皮膚炎の対策・スキンケア

黄砂による肌荒れを防ぐためには、そもそも肌へ黄砂を付着させないことが重要です。[1]

黄砂は非常に小さな粒子のため、顔や首など露出している部位へ付着しやすく、刺激によってかゆみや赤みにつながることがあります。

とくに黄砂の飛来量が多い日は、できるだけ肌への付着を減らすことを意識しましょう。

以下の表は、黄砂による肌荒れを防ぐためにできる対策・スキンケアです。取り入れやすいものから試してみてください。

黄砂皮膚炎の対策・スキンケア例

対策
外出時マスク・メガネ・帽子などを活用し、肌へ直接黄砂が触れにくい状態を作る
外出時間黄砂の飛来量が多い日は、長時間の外出をできるだけ避ける
帰宅後肌へ付着した黄砂を早めに洗い流す
洗顔時強くこすらず、低刺激の洗顔料でやさしく洗う
スキンケアスクラブ・ピーリングなど刺激の強いケアは控える
保湿洗顔後はしっかり保湿し、肌のバリア機能を保つ

黄砂による刺激を減らすためには「付着させない」「早めに洗い流す」「肌のバリア機能を保つ」の3点が重要です。

ただし、汚れを落とそうとして強くこすりすぎると、かえって刺激になることがあります。洗顔やスキンケアはできるだけやさしく行いましょう。

市販薬では改善しない?皮膚科を受診した方がよい症状とは

黄砂による肌荒れは、軽症であればセルフケアで落ち着くこともあるでしょう。しかし、症状の原因が黄砂だけとは限らない、あるいはそもそも黄砂皮膚炎ではない可能性もあるため、市販薬では改善しないケースも少なくありません。

とくにかゆみや赤みが長引く場合は、ほかの皮膚疾患が関係している可能性もあるため注意が必要です。症状が続く場合は自己判断せず皮膚科を受診し、診察を受けましょう。

黄砂での肌荒れが市販薬で改善しない理由

黄砂による肌荒れが改善しない理由のひとつとして、症状の原因が黄砂以外にあるケースが挙げられます。

たとえば、花粉皮膚炎や接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎の悪化などでは、原因や炎症の程度に応じた治療が必要です。そのため、市販薬を使用していたとしても十分な改善につながりません。

また、市販薬は使用できる成分や強さに限りがあるため、炎症が強い場合には効果が不十分なこともあります。

さらに、見た目だけで原因を判断できないこともあり、「黄砂だと思っていたら別の皮膚疾患だった」というケースも考えられます。

症状が続く場合は、自己判断で放置せず、皮膚科で原因に応じた治療を受けることが大切です。

皮膚科を受診した方がよい症状とは

以下のような症状がある場合は、早めに皮膚科へ相談しましょう。

  • 数日経っても改善しない
  • 症状が悪化している
  • 赤みや腫れが強い
  • ジュクジュクしている
  • アトピー性皮膚炎などの既往がある

とくにかゆみが強く掻き壊してしまう場合や、まぶた・顔など目立つ部位に症状が出ている場合は、早めの治療が大切です。

適切な治療を行うことで、症状の悪化や長期化を防ぎやすくなります。

医療機関での主な検査・治療

皮膚科では、まず症状の原因を見極めたうえで治療を行います。

診察では症状が出始めた時期や悪化するタイミング、生活習慣、普段の環境などを確認しながら、黄砂以外の皮膚疾患の可能性も含めて診断されます。

治療で使用される薬は、主に炎症を抑える外用薬(ステロイドなど)や、かゆみを抑える抗アレルギー薬などです。

また、必要に応じて、アレルギー検査やパッチテストなどを行い、原因を詳しく確認する場合もあります。

「毎年同じ時期に肌荒れを繰り返す」「原因がよくわからない」という場合は、一度皮膚科で相談してみましょう。

黄砂による皮膚炎に関するよくある質問

黄砂による皮膚炎に関するよくある質問にお答えします。

黄砂で皮膚が痒くなるのはなぜですか?

黄砂の微細な粒子が皮膚へ付着し、刺激となることで、かゆみや赤みなどの症状につながることがあります。

また、黄砂にはPM2.5や微生物成分などが付着していることもあり、炎症やアレルギー反応を強める可能性も指摘されています。[1][2]

とくに、アトピー性皮膚炎や敏感肌など、肌のバリア機能が低下している方では症状が悪化しやすい傾向があるため注意が必要です。

黄砂による皮膚炎の対策は?

黄砂による肌荒れを防ぐためには、できるだけ肌へ黄砂を付着させないことが大切です。

外出時はマスク・メガネ・帽子などを活用し、帰宅後は肌へ付着した黄砂をやさしく洗い流しましょう。

また、洗顔後はしっかり保湿を行い、肌のバリア機能を保つことも重要です。スクラブやピーリングなど刺激の強いスキンケアは、症状が落ち着くまで控えるようにしましょう。

黄砂とアトピーの関係は?

アトピー性皮膚炎では、もともと肌のバリア機能が低下しているため、黄砂などの外的刺激によって症状が悪化しやすいと考えられています。[3]

春は花粉やPM2.5などの刺激も重なりやすく、かゆみや赤みが強くなることもあります。

「毎年春になると悪化する」「薬を塗っても繰り返す」という場合は、黄砂など季節的な刺激が関係している可能性もあるため、一度皮膚科で相談するとよいでしょう。

黄砂がひどいときの症状は?

黄砂が多く飛来している時期は、かゆみ・赤み・ぶつぶつ・ヒリヒリ感などの皮膚症状が悪化することがあります。

また、皮膚症状だけでなく、今のような症状を伴う場合もあります。[1]

  • 目のかゆみ
  • 鼻水・くしゃみ
  • 喉の違和感

とくに外出後に症状が強くなる場合や、毎年同じ時期に悪化を繰り返す場合は、黄砂や花粉など外的刺激の影響も考えられるでしょう。

黄砂による皮膚炎・肌荒れでお悩みの方は渋谷駅前おおしま皮膚科へ

黄砂は鼻や喉だけでなく、皮膚にも影響を与えることがあり、かゆみ・赤み・ぶつぶつ・ヒリヒリ感などの症状につながる場合があります。

とくに春は、黄砂に加えて花粉やPM2.5などの刺激も重なりやすく、アトピー性皮膚炎や敏感肌の方では症状が悪化しやすくなるため注意が必要です。

黄砂シーズンは「肌へ付着させない」「帰宅後は早めに洗い流す」「保湿でバリア機能を保つ」といった対策を意識しましょう。

ただし、実際には花粉皮膚炎や接触皮膚炎など、ほかの皮膚疾患が関係していることもあり、見た目だけで原因を判断することはできません。症状が長引く場合や悪化している場合は、自己判断で放置せず、早めに皮膚科へ相談することが大切です。

当院では、症状の経過や生活習慣などを確認しながら、原因を見極めたうえで治療を行っています。「毎年春になると肌荒れを繰り返す」「かゆみや赤みが続いてつらい」「原因が黄砂かどうかわからないけど肌荒れがつらい」など、肌荒れにお悩みであれば、ぜひ渋谷駅前おおしま皮膚科までお気軽にご相談ください。

渋谷駅前おおしま皮膚科が選ばれる3つの理由
①保険診療主体で医療連携機関が多数あり安心

最新の医療を学び、最善の医療を提供できるよう、努めています。また、疾患によっては、大学病院・総合病院と連携して治療します(東大病院をはじめ多数の大学病院の医療連携機関に登録されています)。

②平日は11時~19時30分、土日は9時~17時30分まで診療

渋谷駅前にあるため、アクセスがとても便利。お仕事や学校帰りに受診できるよう、夕方や土日も診察しています。

③年間23万人以上の来院実績

2024年度来院者数は、23万7,764人でした(注:2024年1月4日~2024年12月28日まで)。

参考

[1]黄砂とその健康影響について|環境省

[2]黄砂とPM2.5による複合大気汚染の肺炎・ アレルギー疾患増悪作用とメカニズム解明

[3]アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024|日本皮膚科学会

[4]接触皮膚炎診療ガイドライン 2020|日本皮膚科学会

[5]尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023|日本皮膚科学会