炭酸ガスレーザー - 渋谷駅前おおしま皮膚科

炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)

炭酸ガスレーザーは、体の水に吸収されることでレーザー照射された組織を高温で蒸散します。
熱で凝固するため断面からの出血も少なく皮膚の浅い病変を直視下に確認しながら除去するのに有用なレーザーです。
デメリットとして治療組織が蒸散され病理組織学的検査に出すことができないので、術前の正確な診断が必須です。
取り残し、瘢痕化、色素沈着などの合併症を予防するためには、術前の正確な診断にてレーザーでとる病変の立体的構築を理解し、角度、強さを考慮し適切に蒸散する必要があります。

炭酸ガスレーザー治療の適応疾患

  • 脂漏性角化症(老人性イボ)・老人性色素斑
  • ホクロ(小型の母斑細胞母斑)
  • 眼瞼に多発する汗管腫
  • 小血管腫
  • 稗粒腫(ミリウム)
  • 血管拡張性肉芽腫
  • 扁平疣贅(イボ)
  • 脂腺増殖症
  • 眼瞼黄色腫など

治療の概要

炭酸ガスレーザーは波長10,600nm のレーザーであり、体の水に吸収され高熱を発するため、照射された組織はすぐに蒸散されます。
周囲組織は熱により凝固するので、断面からの出血が少ない点も便利です。
治療後の病変部は表皮と真皮の一部が欠損した状態となります。
瘢痕化や色素沈着などの合併症を予防するために、皮膚の皮がはるまでに傷を乾燥させないように軟膏療法の徹底もしくは、創傷被覆材で傷を密封する必要があります。
当院では、レーザー後の瘢痕を防ぐために皮膚科学会のガイドラインにて創傷、熱傷でもっとも推奨されているbFGFを噴霧(これはサービスです)し、さらにプロスタンディン軟膏をポイントで外用した上で創傷被覆剤を用いることを推奨しております。
また炎症後色素沈着予防の内服、外用も併用し、徹底した術後の管理をしております。

当院での治療の流れ

  1. 説明
    まず治療についての説明を行い、同意書をいただきます。
  2. 麻酔
    原則的には局所浸潤麻酔下に治療を行います。
    塗る麻酔、貼る麻酔、局所の冷却を併用し、局所麻酔の注射を併用する場合は極細の針を用いゆっくり麻酔を注入する等できるだけ痛みのない治療をこころがけています。
  3. レーザー照射
    レーザーを照射し、病変を蒸散していきます。
    一点に照射を続けていると、そこが穴状に深くなるので、常にハンドピースの尖端を動かす工夫が必要です。
    当院では病変の立体的構築、瘢痕が出来づらいように角度まで考慮しレーザー照射をしております。
    5~10秒間程度レーザーを照射したら、治療部位を生理食塩水で濡らした綿棒でぬぐいとります。
    これにより、焼けた組織を除去すると同時に、過熱された周囲組織を冷却する効果もあります。
    ガーゼで水分を拭き取り、さらに照射を進め、肉眼的に病変組織が完全に消失するまで照射を行うのが原則ですが、欠損が深くなると陥凹性瘢痕が残るリスクが出てくるので、ほどほどにとどめる場合もあります。
    真皮に深い欠損が生じた場合には、周囲の正常皮膚も浅く削って広い滑らかな創に仕上げることもあります。
  4. 術後の傷の処置
    炭酸ガスレーザー治療後の創は真皮が露出した状態になっています。
    創を乾燥させると乾燥壊死が進行して傷が深くなる可能性があります。
    それを防ぐために、創部は乾燥させないように軟膏を塗布してフィルムつきパッドで閉鎖療法を行うことが重要です。
    真皮の部分欠損創は部位にもよりますが、7~14日で上皮化が完了します。
    当院では、レーザー後の瘢痕を防ぐために皮膚科学会のガイドラインにて創傷、熱傷でもっとも推奨されているbFGFを噴霧(これはサービスです。)し、さらにプロスタンディン軟膏をポイントで外用した上で創傷被覆剤を用いることを推奨しております。
  5. その後の経過
    上皮化完了後の創部は若干の赤みを呈しますが、数か月以内に消退するので特に対策必要ありません。
    治療後1か月頃をピークに、一過性の色素沈着をきたす場合があり、場合によっては色素沈着予防目的に内服、外用を併用することもあります。
    トレチノインやハイドロキノンの外用、ビタミンC、トラネキサム酸内服を患者様の肌質に併せて併用し万全の対策を取らせていただきます。
    万が一病変の取り残しや再発が見つかった場合には再治療を行わせていただきますが、ただし、創の炎症症状が治まるまで、3~6か月程度待ってから行います。

炭酸ガスレーザー治療のQ&A

Q 注意する点は?
A 炭酸ガスレーザー治療の注意点は、対象病変をできるだけ完全に除去することと、術後の瘢痕を予防することです。
そのためには、まず医師が各疾患の立体的組織学的構築について十分な知識を持ちどのくらいの深さを削るか説明いたします。
少なくとも病理の勉強をしっかりとしている皮膚科専門医のもとでレーザー治療を受けることをお勧めします。
例えば脂漏性角化症(老人性イボ)は皮膚表面から大きく隆起した病変であっても底部は真皮網状層まで浸潤していることは少ないので、比較的浅く削ります。
それに対して、脂腺増殖症やMiescher型母斑細胞性母斑(顔面のホクロのほとんど)は、病変の底部が真皮のかなり深いところまで達しているために、完全除去した場合に真皮の欠損はある程度深くなります。
治療部位は真皮の部分欠損となり、創は残存する付属器からの上皮化と周囲からの上皮化によって自然治癒しますが、その過程が円滑に進むよう努め、瘢痕化や色素沈着などの合併症を予防するようにする必要があります。
Q 合併症はありますか?
A 炭酸ガスレーザー治療の予想される合併症としては、病変の取り残し、術後の瘢痕、色素沈着などが考えられますが、これら合併症の回避のために当院では事前に確実に診断をつけて病変部の立体的病理学的構築を予想し、角度、強さを考慮し一人一人正確にレーザーを照射させていただいております。
術後の傷の処置に関しましても患者様のライフスタイルに併せて密封閉鎖療法を指導させていただいております。
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