一般的に、シワや咬筋・脇汗の改善などを目的とした治療のイメージが強いボトックスですが、実はボトックスの効能は幅広く、米国ではすでにその他の皮膚科疾患にも応用されています。
近年、ケロイドや瘢痕に対してボトックス注射をすると高い治療効果が得られることがわかってきています。
当院ではボトックスを使用したケロイド・瘢痕治療を行っております。肥厚性瘢痕などの赤く盛り上がった傷あとに対し、平坦にして赤みを抑える効果を発揮します。
ケロイドに対する治療は、副腎皮質ステロイド局所注射が一般的に行われています。(当院ではステロイド治療としてケナコルト局所注射を採用しています。)
ステロイドの他に、ボトックスによるケロイド治療が近年大きな注目を集めており、そのことは海外の論文でも発表されています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25810045
この論文は、ケロイドの治療を24週間(6ヶ月)行なったもので、「ボトックス注射による治療を行なったグループ」と「ステロイド注射による治療を行なったグループ」を比較した結果が報告されています。
論文には、ボトックスによる治療を行ったグループはケロイドの体積が87.2%縮小、ステロイドによる治療を行なったグループはケロイドの体積が79.2%縮小したと記載があります。
つまり、ボトックスによる治療を行なったグループは、ステロイド治療を行なったグループと比べて、治療を続けた結果ケロイドの大きさが小さくなったということです。
ボトックスによる治療と、ステロイドによる治療では治療回数の頻度も異なります。上記の論文では、ステロイド注射が4週に1回・合計6回治療しているのに対し、ボトックス注射は8週に1回・合計3回の治療で比較しています。つまり、ボトックスで治療を行った場合、ステロイドでの治療に比べて通院頻度が半分で済みます。
また、ステロイド治療を行なったグループには皮膚萎縮・毛細血管拡張などの副作用がみられたのに対し、ボトックス治療を行なったグループには同様の副作用は見られなかった、とあります。
つまり、ボトックス治療はステロイド治療に比べて、ケロイドの体積縮小効果が高い、治療回数が少なくて済む、副作用が少ないなどの利点があることが分かります。
また、ボトックス治療を行なったグループの方が、ケロイド治療を行なったグループに比べ、患者さんのケロイドに対する辛さ(自覚症状)がより改善した、という記載もあります。
●ボトックスによるケロイド治療 | |
アラガン社ボトックスビスタ 10単位あたり |
¥4,500(税込¥4,950) |
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ゼオミン 10単位あたり |
¥4,500(税込¥4,950) |
韓国製(ボツラックス) 10単位あたり |
¥2,000(税込¥2,200) |
※上記は、2平方センチあたり10単位注射の料金です。例えば、10平方センチの患部に注射を行う場合ですと、上記の5倍の料金がかかります。
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