日光角化症 Bowen病の症状 治療方法について - 渋谷駅前おおしま皮膚科 形成外科

日光角化症、Bowen病

日光角化症、Bowen病とは?

【 日光角化症 】

名前のとおり、日光を浴び続けてきたことにより発症する皮膚疾患です。

60歳をすぎてから発症することが多いので、別名「老人性角化腫」とも呼ばれます。

日本での日光角化症罹患率は、1年間に1000人に1~1.2人発症していると言われ外来では非常に多くみかける皮膚の前がん病変です。

日光角化症の発生数は年々増加傾向にあります。高齢化社会の進行にともない、今後さらに増加することが予測されます。

【 Bowen病 】

有棘細胞癌の表皮内癌で比較的境界明瞭な鱗屑(カサカサ)、痂皮(カサブタ)を伴う不整形の紅褐色斑を呈します。

高齢者の体幹や四肢に好発します。

特徴

【 日光角化症 】

好発部位:日光を浴びる顔や頭部への発生が多く、手の甲などにも発症します。

見た目:やや紅くまだら状のシミ、黄色味がかった「かさぶた」がついたシミで表面がザラザラ、形が不規則、サイズは1~2cmほど。

日光角化症

日光角化症の症状例

種類:数多くの種類がありますが、下記の3つが重要です。

  • 紅斑(こうはん)型:もっとも多くみられる症例が「紅斑型」と呼ばれるタイプです。
    紅色の平らな病変で、表面にはカサカサしたウロコ状のものやかさぶたが見られます。
  • 色素沈着(しきそちんちゃく)型
    淡い褐色?濃い褐色のまだら状のことが多く、ほぼ平らな病変ですが、やや盛り上がることもあります。
  • 疣状(ゆうじょう)型
    皮膚の表面が角化し、イボのような皮疹が見られます。角化した皮膚のまわりは、紅色になっていることが多いです。
    脂漏性角化症との鑑別が重要です。

【 Bowen病 】

見た目:湿疹、乾癬などとの鑑別が必要ですが, それらと比べてBowen病は場所がずっと変わらず、形が非対称であることが多いです。

境界のはっきりした数cmの褐紅色斑で、一部盛り上がったりかさぶた(痂皮(かひ))がついています。

また、多発例も10~20%程度あります。褐色調が強くて過角化(表面のざらざら)を伴っている場合は良性のできものの脂漏性角化症との鑑別があがりますが、その場合も一部には紅色局面が混在することが多いです。

原因

【 日光角化症 】

紫外線が一因ですので、日常生活で日焼けをしやすい人に発生しやすく、60歳以上になると発生する頻度が増加しています。

オーストラリアの研究では20歳までに浴びた紫外線量と日光角化症の発症に密接な因果関係があったとの報告があります。

また色白の人に生じやすく、特に白人で若い頃から日焼けをしている方はほぼ必発です。

日本赤十字社医療センターでは土地柄、白人の患者様が多く、顔面に50個異常多発している白人のかたもいました(近医で湿疹としてフォローされていました)。

【 Bowen病 】

日光紫外線、ヒトパピローマウイルス、放射線や砒素などが原因になります。特に多発している方は砒素に曝露された既往の確認も必要です。

砒素による場合は、手のひらと足の裏の角化、体の色素沈着と点状白斑、爪の線状色素沈着などの皮膚症状がみられ、皮膚以外にも肝がん、肺がん、膀胱がんなどの内臓悪性腫瘍を合併するため、全身精査が必要になります。

治療方法

【 日光角化症 】

① 外用薬

日光角化症の治療薬として2004年に米国、2006年にEUで承認された塗り薬(ベセルナ軟膏・イミキモド)が、2011年11月、日本でも健康保険が適用される薬として承認されました。

② 外科的な治療法

【 凍結療法(とうけつりょうほう) 】

生検で診断確定後に行います。
局所麻酔は行わず、液体窒素をひたした綿棒などを患部に押し付けて凍結、壊死させて除去する治療法です。
治療後に紅斑(赤み)、痂皮(かさぶた)、疼痛、水疱ができることがあります。

【 外科切除(げかせつじょ) 】

局所麻酔を行い、患部をメスで切除する治療法です。有刺細胞癌に伸展している可能性がある場合は必須の治療です。

【 炭酸ガスレーザー 】

傷をきれいにしたい方、数が多いかたは生検で診断確定後に炭酸ガスレーザーでの焼灼も効果があります。

【 Bowen病 】

① 外科的な治療法

【 外科切除(げかせつじょ) 】

外科的な治療法 外科切除(げかせつじょ)が第一選択です。 局所麻酔を行い、患部をメスで切除する治療法です。有刺細胞癌に伸展している可能性がある場合は必須の治療です。

【 凍結療法(とうけつりょうほう) 】

生検で診断確定後に行います。
局所麻酔は行わず、液体窒素をひたした綿棒などを患部に押し付けて凍結、壊死させて除去する治療法です。
治療後に紅斑(赤み)、痂皮(かさぶた)、疼痛、水疱ができることがあります。

上記2治療が一般的です。他の治療法として

【 炭酸ガスレーザー 】

傷をきれいにしたい方、数が多いかたは生検で診断確定後に炭酸ガスレーザーでの焼灼も効果があります。

② 外用薬

日光角化症の治療薬として使用されているイミキモド(ベセルナクリーム)も最近効果があるとの報告が多数あります。

ただし、現時点ではBowen病に対しては保険適応ではありません。
1日1回 週3回、自分で患部に直接塗って治療することができます。夜患部に直接塗って朝洗い落とします。
※塗布後、塗った部位に紅斑(赤み)、痂皮(かさぶた)、落屑(皮膚の一部がフケ様にはがれる)などを伴うことがあります。

Q&A

Q1 治療しないとどうなりますか
A1 日光角化症とBowen病を治療をせずに放置すると一部の人は有刺細胞癌へと変化します。
このように変化するものを「前がん病変」呼びます。早い段階で適切な治療をしておくことが大切です。
日光角化症は脂漏性角化症、Bowen病は長期続く慢性湿疹、尋常性乾癬、脂漏性角化症として放置されている患者様も多くみかけます。
心配な方はぜひ早いうちに当クリニックを受診してください。

日光角化症チェックシート

信州大学名誉教授 斎田俊明先生が作られた日光角化症チェックシートです。

A:次のいずれかに当てはまりますか?

  1. 60歳以上である。
  2. 仕事や趣味などで長時間、屋外で過ごすことが多かった。
  3. 肌が日焼けで赤くなりやすくて、あまり黒くならない。

 

B:顔や手の甲などに次のようなものがみられますか?

  1. 紅みを帯びたシミ
  2. 表面が少しザラザラしていて、境界がわかりにくいシミ。
  3. 繰り返しジクジクしたり出血して、カサブタが付着している。
  4. カサブタのようなもので覆われイボ状になっている。
  5. 表面がカサカサしていて、少し盛り上がり紅みを帯びている。

 

※Aに当てはまる人に B のいずれかの状態がみられたら、日光角化症の疑いがあります。

早い段階で適切な治療が必要です。
心配な方は早めに受診しましょう。

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