脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎は、皮膚の脂分の多い部位に起きる慢性の炎症です。
皮膚の常在菌であるマラセチアに対するアレルギー反応であることがわかっています。
3ヶ月未満の乳児と、30歳以上の成人に多く発症します。また、女性より、若干男性に多く見られます。
発症すると、皮膚が赤く、かゆみをともなう炎症を起こし、赤く、かさかさします。
皮膚のターンオーバーが正常より速くなり、過剰な角質が蓄積してフケのような状態になるのです。
症状がよく現れるのは、頭、鼻や眉毛のあたり、耳のまわり、胸、股、わきの下などです。
脂漏性皮膚炎の原因
脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が多い部分に起こる慢性的な皮膚の炎症です。
原因は1つではなく、次のようなさまざまな要因が関わっていると考えられています。
- 皮膚に常在するマラセチア菌(カビの一種)が増えることによる炎症
- 皮脂のたまりすぎや、洗顔・洗髪不足
- 生活リズムの乱れ(睡眠不足や疲れ)
- 偏った食生活(脂っこい食事、ビタミン不足)
- ストレスやホルモンバランスの乱れ
脂漏性皮膚炎の症状
脂漏性皮膚炎は、以下のような症状が見られます。
- 痛みはなく、赤みやかゆみを伴うことが多いです
- 鼻まわり・眉・耳のまわり・頭皮・わき・胸・背中など、皮脂の多い部分に赤くカサついた発疹
- 頭皮からフケのような白い皮膚片が落ちる
- 一度治っても、季節の変わり目や体調の変化で再発することがあります
- 掻きむしることで、かさぶたや色素沈着(黒ずみ)が残ることもあります
脂漏性皮膚炎の治療
外用薬(塗り薬)
- 抗真菌薬(マラセチア菌を抑える薬)
- ステロイド外用薬(炎症や赤みを抑える薬)
- 症状が強い場合はステロイドを短期間使用し、症状が落ち着いてきたら抗真菌薬のみで継続します
内服薬(飲み薬)
- かゆみが強いときは、抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)を使うこともあります
- 漢方薬やビタミン剤(B2,B6等)が効果があることもあります
スキンケア・生活習慣の見直し
- 洗顔・洗髪をしっかり行い、皮脂や汚れをためこまない
- 脂っこい食事を控え、ビタミンB群を意識的にとる
- 十分な睡眠・ストレスの軽減なども大切です
脂漏性皮膚炎の悪化因子
- ストレス、疲労、寝不足
- 洗浄不足による皮脂の貯留
- ビタミン不足、喫煙(タバコ)
- ホルモンバランスの乱れ
- 便秘
よくあるご質問(FAQ)
- フケや赤みがずっと続いています。これって脂漏性皮膚炎?
- 頭皮や顔の赤み・フケ・かゆみがなかなか良くならない場合、脂漏性皮膚炎の可能性があります。早めにご相談ください。
- シャンプーだけで治せますか?
- 抗真菌成分入りのシャンプーで改善する方もいますが、症状が続く場合はお薬と併用するほうが効果的です。
- 脂漏性皮膚炎はうつりますか?
- いいえ、人にうつることはありません。マラセチア菌は誰の皮膚にも存在する常在菌です。
- 治りますか?
- 乳児は自然に治ることも多いですが、大人は再発しやすい慢性の病気です。症状が出ないようコントロールしていく治療が大切です。
- 放っておくとどうなりますか?
- かゆみで掻いてしまうと、皮膚が傷ついたり、黒ずんだりすることがあります。早めの治療とスキンケアで、快適な肌を保つことができます。