脂漏性皮膚炎 - 渋谷駅前おおしま皮膚科

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎は、皮膚の脂分の多い部位に起きる慢性の炎症です。
皮膚の常在菌であるマラセチアに対するアレルギー反応であることがわかっています。
3ヶ月未満の乳児と、30歳以上の成人に多く発症します。また、女性より、若干男性に多く見られます。
発症すると、皮膚が赤く、かゆみをともなう炎症を起こし、赤く、かさかさします。
皮膚のターンオーバーが正常より速くなり、過剰な角質が蓄積してフケのような状態になるのです。
症状がよく現れるのは、頭、鼻や眉毛のあたり、耳のまわり、胸、股、わきの下などです。

脂漏性皮膚炎の原因

脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が多い部分に起こる慢性的な皮膚の炎症です。
主に皮膚に常在するマラセチア菌(カビの一種)の増殖が関与しており、これに加えて以下のような要因が症状の発症・悪化に影響すると考えられています。

  • 皮脂のたまりすぎや、洗顔・洗髪不足
  • 生活リズムの乱れ(睡眠不足や疲れ)
  • 偏った食生活(脂っこい食事、ビタミン不足)
  • ストレスやホルモンバランスの乱れ

これらの要因が重なることで、皮膚のバリア機能が低下し、炎症やかゆみが起こりやすくなります。

マラセチアとは

マラセチアは、人や動物の皮膚にふつうに存在する常在菌(真菌=カビの一種)です。
皮脂をエサにして生きており、顔や頭皮、胸など皮脂の多い部位に多く見られます。
普段は無害ですが、皮脂や汗が増えたときに急激に増殖し、皮膚の炎症を引き起こすことがあります。 特に、高温多湿の環境や皮脂・汗がたまりやすい状況では増えやすく、再発の原因にもなります。

マラセチアアレルギーと脂漏性皮膚炎

マラセチアアレルギーとは、皮膚に常在するマラセチア菌に対して、免疫が過剰に反応してしまう状態を指します。
このアレルギー反応により、赤み・かゆみ・湿疹などの症状が強く現れることがあります。
特にアトピー性皮膚炎を持つ方では、マラセチアに対する過敏な反応によって症状が強くでることがあります。

アレルギーの診断と治療のポイント

  • 抗真菌薬によって症状が改善すれば、マラセチアアレルギーが関係している可能性が高いと判断されます。
  • 再発を防ぐには、スキンケアや生活習慣の見直しも重要です。
  • 高温多湿や皮脂・汗がたまりやすい環境を避けることで、マラセチアの増殖を防げます。

脂漏性皮膚炎の症状

脂漏性皮膚炎は、以下のような症状が見られます。


  • 痛みはなく、赤みやかゆみを伴うことが多いです
  • 鼻まわり・眉・耳のまわり・頭皮・わき・胸・背中など、皮脂の多い部分に赤くカサついた発疹
  • 頭皮からフケのような白い皮膚片が落ちる
  • 一度治っても、季節の変わり目や体調の変化で再発することがあります
  • 掻きむしることで、かさぶたや色素沈着(黒ずみ)が残ることもあります

脂漏性皮膚炎の治療

外用薬(塗り薬)

  • 抗真菌薬
  • マラセチア菌が増えないようにする薬です。 副作用が少ないため、毎日使っても問題なく、症状が落ち着いた後も予防として塗り続けることができます。

  • ステロイド外用薬
  • 赤みや炎症が強い場合には、ステロイドの塗り薬を使います。 特に症状がひどいときは短期間使用して症状が落ち着いてきたら、他の薬に切り替えることで皮膚への負担を減らせます。

  • プロトピック軟膏(タクロリムス)
  • ステロイドでも顔の赤みが繰り返し再発するような場合には、プロトピックという薬が有効なこともあります。 ステロイドと異なり、長期使用による皮膚の薄化や赤みなどの副作用が起こりにくいため、顔に使いやすい薬です。

内服薬(飲み薬)

  • かゆみが強いときは、抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)を使うこともあります
  • 漢方薬やビタミン剤(B2,B6等)が効果があることもあります

スキンケア・生活習慣の見直し

  • 洗顔・洗髪をしっかり行い、皮脂や汚れをためこまない
  • 脂っこい食事を控え、ビタミンB群を意識的にとる
  • 十分な睡眠・ストレスの軽減なども大切です

脂漏性皮膚炎の悪化因子

  • ストレス、疲労、寝不足
  • 洗浄不足による皮脂の貯留
  • ビタミン不足、喫煙(タバコ)
  • ホルモンバランスの乱れ
  • 便秘

よくあるご質問(FAQ)

フケや赤みがずっと続いています。これって脂漏性皮膚炎?
頭皮や顔の赤み・フケ・かゆみがなかなか良くならない場合、脂漏性皮膚炎の可能性があります。早めにご相談ください。
シャンプーだけで治せますか?
抗真菌成分入りのシャンプーで改善する方もいますが、症状が続く場合はお薬と併用するほうが効果的です。
脂漏性皮膚炎はうつりますか?
いいえ、人にうつることはありません。マラセチア菌は誰の皮膚にも存在する常在菌です。
治りますか?
乳児は自然に治ることも多いですが、大人は再発しやすい慢性の病気です。症状が出ないようコントロールしていく治療が大切です。
放っておくとどうなりますか?
かゆみで掻いてしまうと、皮膚が傷ついたり、黒ずんだりすることがあります。早めの治療とスキンケアで、快適な肌を保つことができます。
マラセチアアレルギーとはなんですか?
マラセチアアレルギーとは、皮膚にいるマラセチア菌(カビの一種)に対して、免疫が過剰に反応してしまう状態をいいます。
このアレルギー反応によって、かゆみや湿疹が悪化することがあります。特にアトピー性皮膚炎のある方では、症状が強く出る傾向があります。


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