伝染性膿痂疹はその感染性の素早さから俗にとびひ(火事の火の粉が
飛び散って燃え広がるようにうつることから)といわれています。
こどもに多く原因菌のおもなものはブドウ球菌と溶血性連鎖球菌です。
膿痂疹性湿疹の症状例
Q | 水疱性膿痂疹はどのように発症するの? |
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A |
水疱性膿痂疹の場合は乳幼児・小児に好発し、特に高温多湿の初夏から真夏に多く発症します。 虫刺されやアセモを掻きこわして細菌感染を合併し、へと進行します。 掻破したびらん・湿潤局面の周囲に小水疱が形成され、さらにその周囲に赤みがみられます。 水ぶくれは簡単にやぶけ、びらん面を形成し、水ぶくれの内溶液が周囲の皮膚につくとまた新たな水ぶくれが新生します。 乾燥すると感染力は衰えます。 |
Q | 痂皮性膿痂疹はどのように発症するの? |
A |
痂皮性膿痂疹はアトピー性皮膚炎に合併しやすく、比較的急速に発症し、季節にはあまり関係ありません。 小児より成人に出現しやすいのも特徴です。 発赤・腫脹が顕著で、痛みも伴います。 重症になると菌産生毒素の発赤毒で全身が潮紅する場合もあります。 発熱、リンパ節腫脹、時に咽頭痛などの全身症状を呈する例が多いです。 採血で白血球の上昇、CRP上昇、ASOが上昇することがあります。 まれながら腎障害を併発することもあり経過に注意が必要です。 よって溶血性連鎖球菌が原因菌の膿痂疹では治ってからも数週間は尿蛋白を調べる必要があります。 |
Q | 水疱性膿痂疹の治療は? |
A |
症状が軽い場合はフシジン酸ナトリウム、テトラサイクリン系またはニューキノロン系など抗菌薬の軟膏を塗って全体をガーゼで覆います。 1日に3-4回とりかえてください。 水ぶくれは小さなものは潰さないで、大きなものはその内容液が周囲に付着しないように注意しつつ排出してください。 広範囲に多発している場合は抗菌薬の内服を併用します。通常はセフェム系抗菌薬が有効です。 最近では、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による膿痂疹が多くなっていますが、市中感染MRSAともいわれ、セフェム系、ホスホマイシンなど有効な抗菌薬を適切に使う必要があります。 治りづらそうな場合は初診時に細菌培養をして原因菌と感受性検査をしておきます。 とびひは痒みが強いため、しばしば掻きむしって病変が広がってしまいます。 この場合は抗ヒスタミン薬の内服も併用します。 入浴の際は、シャワーで、局所を泡立てた石鹸でそっと洗います。 水ぶくれがある場合は患児を最後にする。 爪は短く切っておくなど日常生活の指導も必要です。 |
Q | 痂皮性膿痂疹の治療は? |
A |
溶血性連鎖球菌に感受性があるペニシリン系またはセフェム系の抗菌薬を使用します。 内服、または症状が重症な場合は点滴注射で投与をする必要もあります。 外用はエリスロマイシン軟膏など感受性のある抗菌薬を用います。 溶血性連鎖球菌はアミノグリコシド系抗菌薬外用薬にはほとんど感受性がありません。 |
Q | 学校・保育園へ出席させてもよいですか? |
A |
病変部のみならず滲出液・痂皮などの接触によって感染・拡大するため、病変部位に触らないようにさせる必要があります。 治療処置がしっかりとされ、病変部がきちんと覆ってあれば出席させてかまいません。 非常に広範囲な場合は病変部が乾燥化するまで、また数日、発熱など全身症状を伴っている場合は抗菌薬の全身的投与で症状が消失するまで出席停止としています。 |
Q | プールへ入れていいですか? |
A |
接触感染による疾患の性質から、病変部を被覆しておく必要があります。 プールへ行って裸で皮膚が互いに接触することで感染を起こすため、病変の滲出液が乾燥・痂皮が脱落するまではプールへ入るのは注意するべきです。 |
Q | そのほかに気をつけることは? |
A |
水ぶくれやびらんからの滲出液を触ったり、引っ掻いたりすると、 中の細菌で次々にうつるので触らないようにしましょう。 特に鼻の入り口には原因の細菌が沢山いるので鼻をいじらないようにしましょう。 重要なのはこまめな石鹸洗浄で患部の菌をしっかりと洗い流してあげることです。 |
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