当院では青あざ(異所性蒙古斑、後天性真皮メラノサイトーシス、太田母斑)、茶あざ(扁平母斑)、外傷性刺青(鉛筆の芯や転んで砂が入ったことなどによってできた入れ墨)は保険適応でレーザー治療が可能です。
Qスイッチルビーレーザー(MM&ニーク社製)を用いて治療を行いますが、他の機種(QスイッチYAG、Qスイッチアレックス)と比較し、メリットとして保険適応の幅が広い点、黒色に対して最も高い選択性があり、メラニン色素を一瞬のうちに破壊、蒸発させて治療する医療器具です。
なお、青あざ、外傷性刺青はほぼ全例に効果がありますが、茶あざは効果がやや乏しく、まれに悪化する症例もあるため3発試し打ちをして効果を確認してから照射するのが一般的です。
また青あざに関しましてはゼロ歳児から治療を開始しております。(私自身の子供の足背部の異所性蒙古斑に対しても施行しましたが、現在1才半ですが、3回の照射で消えております。親バカかもしれませんが、これは自分自身がレーザーをもっている皮膚科医冥利に本当につきました。)
まず各種あざの説明をさせていただいた後にレーザー治療のQ&Aを記載させていただきます。レーザー治療希望のかたは一読いただけますと幸いです。
生後まもなく出現する早発型と,思春期前後に出現する遅発型があります。三叉神経第1・2枝領域に診られる褐色ないし青色 斑で,遅発型は雀卵斑に似ているが,鼻背部には存在しない色素斑です。
皮膚のみでなく,眼・鼓膜・鼻粘膜・咽頭後壁・口 蓋などにも診られる.通常は片側性.両側性のものでは遺伝傾向がある.治療はQスイッチレーザーによるものが一般的で, まだ皮膚が薄く,紫外線による暴露の少ない乳幼児期から治療を始めたほうがより効果的です。
蒙古斑自身は黄色人種ではほぼ100%の乳児の仙骨・腰轡部にみ られる青色斑で,その大部分が10歳前後で自然消退する.皮膚の限局した範囲においてメラノサイトの存在する状態です。
ただし、腎部以外に存在する場合があり,異所性蒙古斑といい,小豆大程度の結節状になるものを青色母斑といいます。
異所性蒙古斑は残存することが多く,太田母斑同様,早期からのレーザー治療が効果的でです。
青あざの症状例
両頬部に思春期頃より発症する米粒大から小豆大までの暗紫色の散在する局面です。 保険適応でレーザー治療が可能となります。 まれに診断に苦慮することがあり、その場合は試し打ちをし効果の判定をみてからの治療となります。
出生時より存在する爪甲大~手掌大の不正形,淡褐 色扁平色素斑で,小児期に入り褐色小色素点をその面上に生じます。
思春期前後の男性の肩甲部・前胸部に生じ,片側性で有毛性の場合はとくに,ベッカー母斑と呼ばれます。
小児期より,体幹に多発する境界明瞭な類円形の淡褐色斑(扁平母斑と同様)で,色素斑内での色調の濃淡は認めません。
レーザー治療に効果が乏しいことが多い色素斑です。小児期にカフェオレ斑が6個以上存在すること,思 春期以降は多発神経線維腫を認めることがあり、その場合はVon Recklinghausen病の診断となります。
Q | 組織検査は必要ですか? |
---|---|
A |
あざ治療は、仕上がりをきれいにというのが基本です。できれば傷はつけたくありません。視診で診断が付くものについては基本的には行いませんが、希望する方はお申し出下さい。また、悪性を少しでも疑う場合はかならずダーモスコピー検査を施行し、レーザー照射前に生検を行います。 なお診断に苦慮する場合も試験照射(自費3,000円(税込3,300円))をして、治療的診断(効果があるか判定)してから行います。 |
Q | 麻酔はしますか? |
A |
基本的にはサイズが小さい場合は麻酔は不要で、冷却のみで行うことが多いです。輪ゴムでぱちぱちはじかれるような痛みとなります。 ただし、痛みによわいかたや、範囲が広いかたは当院では麻酔テープ(ペンレス)を照射一時間前に貼ってきていただいております。 |
Q | 広範囲の照射も可能ですか? |
A |
当院で使用しているレーザーは1秒間に1発照射で径4mmの照射となります。 広範囲ですと外来レーザー枠の関係で難しく、基本1回で照射できる範囲はサイズが大きくとも9cm四方に入る範囲とさせていただいております。 |
Q | 茶アザは効果がないといわれ他院で断られたのですが、治療は可能ですか? |
A |
茶アザ(扁平母斑)の場合は、薄くなる場合とかえって濃くなる場合、あまり変わらない場合など多様な結果となります。 また、再発しやすいことでも知られています。 扁平母斑の場合もためし打ちをして効果判定をしてから照射を行うほうが無難です。 |
Q | レーザー後はどのような経過をたどりますか? |
A | しみの種類によっても異なりますが、術後は密封療法を励行しております。当院で術後テープを貼付します。1週間後レーザー治療後のチェック時までテープを貼り付けていただくか、ワセリン外用等で湿潤療法を維持していただきます。 レーザー後も日焼け止めの塗布だけは継続してください。 |
Q | 副作用、合併症当のリスクはありますか? |
A |
Qスイッチルビーレーザーは、皮膚のメラニン色素を破壊するレーザーです。 このとき黒い色に反応して熱を生じ、軽いやけど状態になります。 このやけど反応が肌にどのように影響するかで、経過は異なってきます。 ルビーレーザーは他のYAGレーザー、アレキサンドライトレーザーと比較し最も黒色に対して効果を発揮するメリットが強い反面、個人差はありますが、炎症後色素沈着が数か月続くかたもいます。ただしほぼ半年たてば炎症後色素沈着は消褪します。 なお、、顔の治療で肝斑が混在している場合や、アフターケアが不適切な場合、ほんのわずかなやけど反応でも色素沈着を生ずることがありますので、十分に気をつけなければいけません。 やけど状態がゆき過ぎると色素沈着や色素脱失、瘢痕などの副作用が生じます。色素沈着のみの場合は、殆どの場合、元に戻りますが、色素脱失、瘢痕は元に戻りません。逆に弱い出力で照射すれば瘢痕は残りませんが、あまり弱く照射しすぎるとメラニン色素が全く破壊されず、シミは取れません。 このような副作用を起こさず、また効果がしっかりでるように皮膚科専門医・指導医が患者様の肌質にあわせて十分に気をつけて出力を調節し照射を行います。 |
Q | どのくらいの頻度で照射をしますか? |
A | 色素沈着が生じなければ、照射間隔は保険適応疾患の患者様は3ヶ月間隔でレーザー照射を行っております。 |
Q | 太田母斑、異所性蒙古斑は早いうちに治療をしたほうがよいですか? |
A |
太田母斑はもちろん、異所性蒙古斑は当院では早いうちに治療を開始しております。なお、異所性蒙古斑で淡い色のものはほぼ自然消褪するので、そのようなものは治療をしないでよいのですが、最初から暗紫色のものは残ることが多く、0歳児のうちに治療を開始することを当院は推奨しております。 (なお余談ですが、私自身の子供も足背部に濃い異所性蒙古斑がありましたが、0歳児で治療を開始し、3回の照射でほぼ消えております。) |
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