梅毒の症状 治療方法について - 渋谷駅前おおしま皮膚科

梅毒とは

梅毒とは、性感染症の一種です。梅毒トレポネーマという細菌が粘膜から感染することによって起こる病気です。
近年梅毒感染者数の報告は増加しており、2022年には1万人を突破し、社会問題にもなっています。

梅毒の症状

梅毒の症状は進行具合により1〜4期に分けられます。感染してもすぐに症状があらわれるわけではなく潜伏期間があり、感染から3週間ほど経つと梅毒の症状があらわれてきます。

  • 第1期(感染から3週間〜3ヶ月)
    この時期は第一潜伏期ともいい梅毒の症状自体が出にくく、まったくの無症状の人もいます。症状が出たとしても軽いものが多く、菌が侵入した部分が硬くなったり膿が出る程度です。場所は陰部、口腔内が多いです。
    リンパ節が腫れてくることもありますが、どちらも痛みがありません。
  • 第2期(感染から約3ヶ月)
    わかりやすい梅毒の症状が出てくる時期で、この時期に感染に気づき医療機関を受診される方がほとんどです。
    発熱や関節痛、全身のリンパ節腫脹とともに皮膚や粘膜に第2期梅毒疹が次々と生じてきます。典型的なのは梅毒性ばら疹(赤いバラの花びらのような発疹が手足の裏から全身に広がる症状)です。
    梅毒性乾癬、膿疱性梅毒、梅毒性白斑など多彩な症状が出現します。
  • 第3期(感染から3〜10年)
    結節性梅毒(顔面、体幹、四肢の豌豆大から鶏卵大の浸潤性結節で潰瘍化する)やゴム腫(前額、前胸部、前脛骨部などに生じる皮下結節で自潰し噴火口状潰瘍となる)を生じ、治療しても瘢痕を残します。
    病巣中の梅毒トレポネーマは減少するため感染の危険性は減ります。
  • 第4期(感染から10年以上)
    脳や脊髄、心臓、血管などに病気が進行していきます。
    この時期になると、普通に生活することさえ難しくなっていき最終的には死に至ります。

必ずしも第1期潜伏、第1期顕症、第2期潜伏、第2期顕症というような経過はとらず、症例によっては第1期梅毒疹のみを生じたり、第1期梅毒を経ずに第2期梅毒疹を生じたりします。

当院の梅毒治療法について

当院では、「ステルイズ水性懸濁筋注240万単位」による梅毒治療を行っています。
本剤は、梅毒の治療薬として開発された持続性ペニシリン製剤で、薬剤を筋肉内に注射する治療法です。
治療は成人の第2期梅毒までの適応となり、1回の注射(18G)を臀部に注射します。
症状が進行した第3期以上の場合当院では診療ができませんので、その場合は連携病院への紹介状をお書きします。

梅毒のQ&A

Q どのように診断するの?
A STS(梅毒血清検査)やTPHA(TP血球凝集反応。FTA-ABS:トレポネーマ蛍光抗体吸収検査とともに代表的なTP抗原法)で検査をします。
STSの一法(多くはガラス板法)とTPHAの定量法で、梅毒(早期、晩期)と陳旧性梅毒を鑑別します。
また、感染初期が疑われる場合などでは2~3週間後に再度検査します(感染後、約1週間でFTA-ABS、約2週間でSTS、約1ヵ月でTPHAが陽性になります。また、治療後はSTSが最も早く陰性化するが、TPHAとFTA-ABSの陰性化はともに遅いです)
梅毒でもないのにSTSが陽性を示す生物学的偽陽性では、原因となり得る基礎疾患(膠原病や妊娠など)や感染症(結核など)の有無を検索します。
Q 健康診断で毎回梅毒がひっかかってしまうのですが…
A 早期に治療を開始しても、STSが陰性化するには1~4年かかり、TPHAは抗体価が低下しても陽性が長く続きます。
また、感染後1年以上経過した症例や再感染症例では、十分な治療を行っても抗体価の陰性化は期待できないので、抗体価がある程度下がったところで固定すれば心配はいりません。
Q 治療はどうするの?
A 通常はステルイズ水性懸濁筋注240万単位(ペニシリン系抗菌薬)を第一選択とし、ペニシリンアレルギー患者には、テトラサイクリン系あるいはマクロライド系抗菌薬を選択します。
Q どのくらい治療期間が必要?
A ステルイズ水性懸濁筋注240万単位による治療の場合、通常は1回注射をするのみです。
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