梅毒とは、性感染症の一種です。梅毒トレポネーマという細菌が粘膜から感染することによって起こる病気です。
近年梅毒感染者数の報告は増加しており、2022年には1万人を突破し、社会問題にもなっています。
梅毒の症状は進行具合により1〜4期に分けられます。感染してもすぐに症状があらわれるわけではなく潜伏期間があり、感染から3週間ほど経つと梅毒の症状があらわれてきます。
必ずしも第1期潜伏、第1期顕症、第2期潜伏、第2期顕症というような経過はとらず、症例によっては第1期梅毒疹のみを生じたり、第1期梅毒を経ずに第2期梅毒疹を生じたりします。
当院では、「ステルイズ水性懸濁筋注240万単位」による梅毒治療を行っています。
本剤は、梅毒の治療薬として開発された持続性ペニシリン製剤で、薬剤を筋肉内に注射する治療法です。
治療は成人の第2期梅毒までの適応となり、1回の注射(18G)を臀部に注射します。
症状が進行した第3期以上の場合当院では診療ができませんので、その場合は連携病院への紹介状をお書きします。
Q | どのように診断するの? |
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A |
STS(梅毒血清検査)やTPHA(TP血球凝集反応。FTA-ABS:トレポネーマ蛍光抗体吸収検査とともに代表的なTP抗原法)で検査をします。 STSの一法(多くはガラス板法)とTPHAの定量法で、梅毒(早期、晩期)と陳旧性梅毒を鑑別します。 また、感染初期が疑われる場合などでは2~3週間後に再度検査します(感染後、約1週間でFTA-ABS、約2週間でSTS、約1ヵ月でTPHAが陽性になります。また、治療後はSTSが最も早く陰性化するが、TPHAとFTA-ABSの陰性化はともに遅いです) 梅毒でもないのにSTSが陽性を示す生物学的偽陽性では、原因となり得る基礎疾患(膠原病や妊娠など)や感染症(結核など)の有無を検索します。 |
Q | 健康診断で毎回梅毒がひっかかってしまうのですが… |
A |
早期に治療を開始しても、STSが陰性化するには1~4年かかり、TPHAは抗体価が低下しても陽性が長く続きます。 また、感染後1年以上経過した症例や再感染症例では、十分な治療を行っても抗体価の陰性化は期待できないので、抗体価がある程度下がったところで固定すれば心配はいりません。 |
Q | 治療はどうするの? |
A | 通常はステルイズ水性懸濁筋注240万単位(ペニシリン系抗菌薬)を第一選択とし、ペニシリンアレルギー患者には、テトラサイクリン系あるいはマクロライド系抗菌薬を選択します。 |
Q | どのくらい治療期間が必要? |
A | ステルイズ水性懸濁筋注240万単位による治療の場合、通常は1回注射をするのみです。 |
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