メトホルミン - 渋谷駅前おおしま皮膚科

メトホルミンについて

メトホルミンとは

2型糖尿病の治療薬として広く使用されている経口血糖降下薬です。血糖値を下げる効果に加え体重減量効果も期待できることから、近年では医療ダイエットの分野でも注目されています。

メトホルミンは過度な食欲の防止、脂肪燃焼の促進、体脂肪の蓄積を抑制する効果が期待されています。1950年代にフランスで開発され、長年にわたり世界中で使用されてきました。副作用も比較的少ないことから、糖尿病治療の第一選択薬として位置づけられています。[1]

メトホルミンの作用機序

主に肝臓や筋肉、腸管に作用し、血糖値を低下させる作用があります。

  • 肝臓での糖新生の抑制:肝臓でのグルコース産生を抑制し血糖値の低下を促進、AMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)を活性化することで糖の産生が抑えられる
  • 筋肉細胞への糖の取り込みを促進:筋肉細胞のインスリン感受性を改善し、GLUT4(グルコース輸送体)の発現を増加させることで細胞内への糖の取り込みを促進し、血糖値を下げる
  • 腸管での糖吸収の抑制:腸管でのグルコース吸収を抑えることで、食後の血糖値の急上昇を抑える

また、研究によるとメトホルミンは腸内細菌のバランスを調整し、インスリン感受性を向上させる可能性があると示唆されています。[1]

メトホルミンでのダイエットが向いている方

  • 食事や運動だけでは効果が出にくい方
  • インスリン抵抗性がある方
  • 腸管での糖吸収の抑制:腸管でのグルコース吸収を抑えることで、食後の血糖値の急上昇を抑える体への負担が少ないダイエット薬を選びたい方
  • 治療後のリバウンドを防ぎたい方
  • 低血糖が不安な方
  • 食欲を抑えたい方

メトホルミンに期待できるダイエット効果

1.過度な食欲を防ぐ

ある研究によると、メトホルミンは食欲を抑えるGLP-1などのホルモンを活性化させることで、食欲を抑制する可能性があるとされています。[2]とくに、食後の血糖値の急上昇を抑えることで、インスリンの過剰分泌を防ぎ、急激な空腹感を抑える効果が期待できます。

間食の回数が自然に減り、カロリー摂取をコントロールしやすくなるでしょう。血糖値が安定することで過食を防ぎ、バランスの取れた食生活を維持しやすくなると考えられています。

2.脂肪の燃焼を促進する

メトホルミンはエネルギー代謝を改善し、糖の消費を促進することで脂肪の燃焼をサポートします。研究によると、メトホルミンの服用と運動を組み合わせた場合、運動時の脂肪燃焼効果が向上し、より効果的に体脂肪を減少させることが報告されました。[3]

また、筋肉細胞での糖の取り込みを増やし、エネルギー代謝を活性化させることで、脂肪の燃焼が促される可能性が示唆されています。

3.体脂肪の蓄積を抑制する

メトホルミンは肝臓での糖の新生を抑え、血糖値の急上昇を防ぐことで、余分な糖が脂肪に変換されるのを防ぐ働きがあります。インスリン分泌を適正に保ち、インスリンの過剰分泌による脂肪蓄積を防ぐことで、内臓脂肪の蓄積を抑える効果が期待されています。

メトホルミンが脂肪肝(肝脂肪蓄積)に及ぼす影響を調査した研究によると、AMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)を活性化し、脂肪の合成を抑えると同時に、脂肪分解を促進することで肝臓の脂肪蓄積を抑える可能性があることが報告されました。[4]

メトホルミンの効果が現れる時期

メトホルミンの効果発現時期には個人差はあるものの、一般的に服用開始後2〜4週間程度で血糖降下作用が現れ始めることが確認されています。体重減少効果については、一定期間の服用によって徐々に現れるとされています。

研究によると、メトホルミンを6カ月以上服用した場合、約1.0~3.0Kgの体重減少が報告されました。[5]ただし、効果には個人差があり、食事や運動習慣によっても影響を受ける点には注意が必要です。

たとえば、高糖質・高脂肪の食生活を続けると、体重減少効果は限定的になります。毎日決まった時間に服用し、適切な生活習慣を維持することが大切です。

メトホルミンの主な副作用・注意点

メトホルミンは一般的に安全性が高いとされていますが、副作用が発生する場合や禁忌事項があります。副作用が見られた場合、自己判断で中止せず医師に相談してください。

消化器系の副作用

  • 症状:下痢、吐き気、腹痛、嘔吐など
  • 服用開始直後に現れやすい

研究によると、メトホルミンの副作用で最も多いのが消化器症状であり、とくに高用量や即効型で発生率が高いと報告されています。[6]服用を継続すると軽減することが多いですが、症状が強い場合は医師に相談してください。

ビタミンB12欠乏

ビタミンB12は赤血球を作ったり、神経の働きを正常に維持したりするために重要な栄養素です。

  • 症状:貧血、しびれ、神経障害(手足の感覚異常、認知機能低下)
  • 長期服用者においてリスクが高まる

研究によると、メトホルミンを5年以上使用すると血中のビタミンB12濃度が低下し、ビタミンB12欠乏と関連する末梢神経障害や貧血のリスクが高くなると報告されています。[6]定期的に血液検査を受け、必要に応じビタミンB12を補給することが推奨されています。

乳酸アシドーシス

乳酸アシドーシスとは、体内に乳酸が溜まりすぎることで起こる重篤な代謝異常です。

  • 症状:呼吸困難、筋肉のけいれん、極度の倦怠感、意識障害
  • 極めてまれだが、腎機能が低下している方や高齢の方、重度の肝疾患・心不全を持つ方はリスクが高まる[6]

腎機能が低下している方や肝疾患・心疾患をお持ちの方は、内服する前に該当する疾患の担当医に必ず相談してください。

また、下痢・嘔吐・発熱などで脱水が疑われる場合も、医師に相談しましょう。脱水を予防するために適度な水分摂取を心がけ、過度な飲酒は避けることが大切です。

禁忌

  • 重度の腎機能障害がある方(eGFR < 30mL/min/1.73m²未満)
  • 重度の肝機能障害がある方
  • ショック、心不全、心筋梗塞、肺塞栓など心血管系や肺機能に高度な障害がある方
  • 乳酸アシドーシスの既往がある方
  • 透析中または透析が必要な状態の方
  • 妊娠中または妊娠の可能性がある方
  • 授乳中の方
  • 脱水症、または脱水状態が懸念される方(下痢・嘔吐・経口摂取困難など)
  • 過度の飲酒習慣がある方
  • 栄養状態不良(飢餓状態・衰弱状態を含む)の方

当院におけるメトホルミン治療の特徴

症例経験豊富な医師による診察

渋谷駅前おおしま皮膚科では、患者さま一人ひとりの体質や生活習慣に配慮した治療を行っています。医療ダイエットの症例経験豊富な医師が、丁寧なカウンセリングを通して治療計画を立案します。

また、当院ではメトホルミンによる副作用を防ぐため、メコバラミン錠(ビタミンB12製剤)を処方している点も特徴です。

オンライン診療も可能

当院は、渋谷駅より徒歩1分でアクセスも便利な立地です。平日夜間や土日も診療を行っているため、お仕事で忙しい方でも通いやすいでしょう。

また、直接の来院が難しい方のために、当院ではオンライン診療でもメトホルミンの処方を行っています。詳しくは「渋谷駅前おおしま皮膚科 - メトホルミン オンライン診療申し込みフォーム」をご覧ください。

メトホルミン治療の流れ

渋谷駅前おおしま皮膚科におけるメトホルミン治療の流れは、次のとおりです。

1.問診、カウンセリング

現在の健康状態や生活習慣、ダイエットの目標などを伺う

2.治療開始

医師の指示に従ってメトホルミンを服用する

3.定期的な診察

定期的に診察を行い、体重の変化を確認しながら治療計画を調整する

メトホルミンの費用

メトホルミンは、2型糖尿病に対しては公的保険が適用されます。肥満治療の目的で使用する場合は、保険適用外(自由診療)です。

250mg 60錠(1日2錠内服した場合30日分) ¥1,800
(税込¥1,980)
500mg 60錠(1日2錠内服した場合30日分) ¥2,800
(税込¥3,080)

メトホルミンに関するよくある質問

メトホルミンで痩せない理由は何ですか?
メトホルミンは、適切な食事や運動と併用しないと、効果が十分に得られない可能性があります。とくに、短期間の服用では体重の変化が見られないことが多いです。6〜12カ月継続することで効果が現れるケースもあるため、長期的な服用が重要です。
また、既にインスリン感受性が良い方やもともと血糖値が安定している方は、メトホルミンによるエネルギー代謝の変化が少なく、体重減少効果が出にくいことがあります。[7]
メトホルミンは通販でも購入できますか?
メトホルミンは医療用医薬品であり、日本では医師の処方が必要です。厚生労働省によると、メトホルミンの個人輸入は不適正使用による健康被害につながる可能性があるため、極力避けるべきとされています。[8]
また、メトホルミンは血糖値に影響を与えるため、適切な服用量や副作用の管理が必要です。自己判断による服用は、低血糖になるリスクや肝機能・腎機能への影響があるため、避けてください。

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【渋谷駅前おおしま皮膚科院長|大島昇 監修】

参考

[1] Sanchez-Rangel, E., & Inzucchi, S. E. (2017). Metformin: Clinical Use in Type 2 Diabetes. *Diabetes care*, *40*(12), 1584–1595.

[2] Ouyang, J., et al. (2020). GDF-15 as a Weight Watcher for Diabetic and Non-Diabetic People Treated With Metformin. Frontiers in Endocrinology.

[3] Apolzan, J., et al. (2019). Long-Term Weight Loss With Metformin or Lifestyle Intervention in the Diabetes Prevention Program Outcomes Study. Annals of Internal Medicine.

[4] Cheng, Y., et al. (2018). Metformin might alleviate hepatic lipid accumulation in high-fat-diet-induced mice via adenosine monophosphate-activated protein kinase signaling pathway.

[5] Sciannimanico, S., et al. (2020). Metformin: Up to Date. Endocrine, Metabolic & Immune Disorders Drug Targets.

[6] Kumar, A., Varadan, B., et al. (2023). Prevalence of vitamin B12 deficiency and its associated neuropathy in patients taking long term metformin therapy in Type 2 diabetes mellitus.

[7] Chukir, T., et al. (2020). Metformin-Induced Weight Loss in Patients With or Without Type 2 Diabetes/Prediabetes: A Retrospective Cohort Study. Obesity Research & Clinical Practice.

[8] 厚生労働科学研究成果データベース「メトホルミンの個人輸入における保険健康上の問題に関する研究」



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