ビクトーザ - 渋谷駅前おおしま皮膚科

GLP-1受容体作動薬「ビクトーザ」

ビクトーザ

ビクトーザ(成分名:リラグルチド)は、2型糖尿病の治療薬として承認されているGLP-1受容体作動薬です。食欲を抑え、満腹感を長く保つ作用があるため、医療ダイエット薬としても使用されています。

日本では肥満に対する使用は保険適用外のため、自由診療となります。ビクトーザは1日1回の皮下注射で使用し、患者さま自身での自己注射が可能です。

同じ成分を含む薬に「サクセンダ」がありますが、ビクトーザは最大1.8mg/日まで、0.3mg単位で細かく用量を調整できるのが特徴です。医師の指導のもと、少量から始められる点も大きなメリットです。

ビクトーザの作用機序

ビクトーザ(リラグルチド)は、GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)というホルモンに似た働きをする注射薬です。GLP-1とは食事の後に小腸から分泌されるホルモンで、インスリンの分泌を促したり、血糖を上げるホルモン(グルカゴン)を抑えたりする働きがあります。これにより、余分な糖が脂肪として蓄積されることを防ぎます。

ビクトーザがダイエットに用いられる理由は、主に次の二つです。一つは脳の食欲中枢に作用し、自然に食欲をおさえる作用。もう一つは胃の動きをゆるやかにし、少ない食事量でも満足しやすくなる、満腹感の持続作用です。

その結果、無理な食事制限をせずとも食べすぎを防ぐことができ、体重のコントロールがしやすくなります。

またリラグルチドは特徴的な構造により、体内での半減期が延長され、1日1回の皮下注射で持続的な効果が得られるよう設計されています。[1]

ビクトーザのダイエット効果

ダイエット効果は下記のとおりです。

  • 体重減少
  • ウエスト周囲径(腹囲)の減少
  • 内臓脂肪の減少

またここでは、効果を実感できるまでの期間について解説します。

体重減少

ビクトーザの最大の特徴は食欲の抑制と、満腹感の持続です。これにより食事量が自然と減少し、摂取カロリーの低下によって体重が減少します。

ビクトーザ自体に消費カロリーを直接増やす作用はありませんが、運動療法や生活習慣の見直しと併用することで、より効果的な体重減少が期待できます。

ウエスト周囲径(腹囲)の減少

ビクトーザにはウエストサイズの改善効果も認められています。糖尿病患者を対象とした試験になりますが、8週間以上の治療によりウエスト周囲径が以下のように改善したと報告されています。[2]

  • リラグルチド 1.8mg/日:平均 -5.24cm減少
  • リラグルチド 1.2mg/日:平均 -4.73cm減少

ビクトーザは体重だけでなく、ウエストサイズが気になる方にも向いていると考えられます。

内臓脂肪の減少

リラグルチドの使用により内臓脂肪そのものの体積が有意に減少したという研究結果も報告されています。

糖尿病患者を対象とした研究ですが、26週間の投与により、リラグルチド1.8mg/日使用した場合、プラセボ(偽薬)と比較して内臓脂肪組織の体積を明確に減少させたと報告されています。[3]

効果を実感できるまでの期間

ビクトーザの効果は比較的早期からみられ始めます。ある研究の報告によると、ビクトーザ開始4〜8週間で体重減少効果がみられ、その後も継続的な体重減少が2年間にわたって認められたとされています。[4]

また別のある研究では、20週時点での平均体重減少は以下のとおりに報告されています。[5]

  • リラグルチド1.8mg/日:約5.5kg減少
  • リラグルチド1.2mg/日:約4.8kg減少

効果のあらわれ方には個人差がありますが、継続的な使用と生活習慣の改善をあわせて行うことで、より高いダイエット効果が期待できます。

ビクトーザの使い方と注意事項

ビクトーザの基本的な使い方と注意事項について解説します。

使い方

ビクトーザ(一般名:リラグルチド)は、毎日1回、皮下に自己注射で投与するGLP-1受容体作動薬です。期待できる効果を得るため、また安全に使用するために正しい使用方法を理解することが重要です。

ビクトーザはペン型注入器であり、特徴は以下のとおりです。

使用回数 開始用量 1回で打てる最大用量 特徴
ビクトーザ皮下注 毎日1回 0.3mg 1.8mg(個人差あり) 自分で針を取り付けて使用する自己注射剤

治療開始時は低用量から開始し、医師の指示に従って徐々に増量します。なお、使用する用量は個人の目標や元の体重、体調等によって異なります。

以下はビクトーザの基本的な使用方法です。[6]

準備

  1. 石鹸でよく手を洗い、清潔にする
  2. ペン型注射器のキャップをはずし、ゴム栓をアルコール綿で消毒する
  3. 新しい針を取り出し、針ケースと下についているシールをはがす
  4. 注射針をゴム栓に対してまっすぐ、止まるまでしっかり回して取り付ける

新しい針を使うことで、薬の汚染や感染、漏れを防げます。針が詰まると正しく投与できないため、曲がったり破損したりしている針は使わないでください。

当院ではビクトーザをご購入の際に、取り付け用の針と消毒綿をセットでお渡ししております。追加で購入する必要はありません。

空打ち

毎回注射する前に空打ちを行い、薬液が出ることを確認してください。

  1. 針先を上にして軽くはじき、カートリッジ内の気泡を上部に集める
  2. ダイヤルを「空打ち目盛」に合わせ、針先を上に向けたまま注入ボタンを押す
  3. 針先から薬液が出ることを確認する

薬液が出ない場合は、針が正しく装着されているか確認し、再度空打ちを行います。

投与量の設定

  1. 医師の指示された用量(例:0.3mg、0.6mg、0.9mgなど)にダイヤルを回して合わせる

誤った用量で投与しないよう、表示を必ず確認してください。

注射方法

  1. 注射部位(腹部、太もも、上腕のいずれか)をアルコール綿で消毒する
  2. 皮膚に対して垂直に、注射針を根元までしっかり刺す
  3. ダイヤル表示が「0.0mg」になるまで、注入ボタンを真上からしっかり押し込む
  4. 押したままの状態で6秒数え、ゆっくり針を抜く

同じ部位に連続して注射することは避け、前回の注射部位から2〜3cmずらして注射してください。

注射後の処理

  1. 注射針に最初に外した「針ケース」をまっすぐ装着し、針ケースごと回して外す
  2. ペン本体にキャップをつけて保管する

廃棄はクリニックの指示通りの方法で行い、家庭ゴミとして捨てないようにしてください。

使用時の注意事項

保管

  • 未使用品の保管は冷所(2〜8℃)
  • 使用中の保管は室温(1〜30℃)

使用中

  • 使用前に必ず空打ちを行う
  • 注射後はすぐに引き抜かずボタンを押しながら6秒待つ
  • 毎回違う部位に注射する

注射後

  • 針は家庭ゴミで捨てない
  • 針の使い回しは絶対に行わない(感染症のリスク)

その他

  • 他のGLP-1と併用しない(副作用が起きやすい)
  • 針の使い回しは絶対に行わない(感染症のリスク)

ビクトーザの副作用

ビクトーザの主な副作用には、以下の症状があります。

  • 胃腸障害:便秘、下痢、お腹のハリ、胃のムカつきなど
  • 膵炎:激しい腹痛、激しい背中の痛み、吐き気、嘔吐など
  • 低血糖症状:空腹感、冷や汗、ふるえ、動悸、だるさなど

吐き気や胃のムカつきといった消化器症状は、比較的よくみられる副作用です。多くの場合は一時的なものであり、数日から数週間程度で自然と軽快します。

また非常にまれではあるものの、突然の激しい腹部や背部の痛みを感じた場合や、痛みに加えて吐き気・嘔吐が続く場合は、直ちに使用を中止し、速やかに医療機関を受診してください。

食事制限中や運動量が多い日には、低血糖が起こる可能性があります。万が一、上記の症状があらわれた場合は、すぐに血糖値をあげる飲食物(ラムネや飴、糖分の多いジュースなど)を摂取してください。低血糖が起こりやすくなるため、食事制限や激しい運動は医師と相談しながら行ってください。

処方できない方・注意してほしい方

以下の項目に当てはまる方は、ビクトーザの処方ができません。

  • 膵炎の既往歴のある方
  • 糖尿病胃不全麻痺、炎症性腸疾患等の胃腸障害のある方
  • 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
  • 栄養不良、飢餓状態、不規則な食事、衰弱状態
  • 激しい筋肉運動を行う方
  • 過度のアルコール摂取をする方
  • 妊娠している方
  • 授乳中の方
  • 腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある方

当院のダイエット治療の特徴

当院では患者さま一人ひとりに合わせた丁寧な診療を行っています。治療の効果はもちろん、無理なく継続できるような体制を整えています。

個人にあわせた治療計画

体質や生活習慣、目標体重などは人によって異なります。当院では診察を通じて患者さまの目標やライフスタイルを伺い、一人ひとりに合った治療プランをご提案します。

当院では「終わりのあるダイエット」を目指しており、ただ漫然と薬を続けるのではなく、期間や減量目標を明確に設定し、無理のない範囲で効果を出せるようサポートいたします。

続けやすいシンプルな料金体系

当院では初月だけでなく、翌月以降も同一料金でご利用いただけます。サブスクリプション形式ではないため、解約手続きや最低契約期間のしばりも一切ありません。

また治療薬の本数にかかわらず、診察料や配送料などの追加費用は発生しません。必要なタイミングでいつでも終了できる、シンプルでわかりやすい料金設定となっています。

オンライン・オフラインどちらでも受診が可能

当院では来院による対面診療と、ご自宅から受けられるオンライン診療の両方に対応しています。

特に忙しい方や遠方にお住まいの方には、オンラインでの受診がおすすめです。初診からオンラインでの診察が可能なため、スムーズに治療を開始していただけます。

通院の手間を最小限に抑えつつ、医師のサポートをしっかり受けられる体制をご用意しています。

ダイエット治療の流れ

直接来院かオンライン診療にて診察を受けられます。初診でもオンラインでの診察が可能です。

  1. 来院またはオンラインにて診察
  2. 今の状態やダイエットの目的を確認し、一人ひとりに合う薬を患者さまと相談しながら決定します。終わりのあるダイエットを目指し、個別の治療計画を立てています。

  3. 薬剤の購入と受け取り
  4. 必要な薬剤を購入します。オンラインの場合、GLP-1などの注射製剤は品質保持のためクール便で配送します。

  5. フォローアップ
  6. 副作用の有無や体調変化を確認するため、定期的に診察を行います。無理なく治療が続けられるよう、継続的なフォローアップを行っています。

費用

ビクトーザダイエットでかかる費用はお薬代+診察料です。

お薬代

ビクトーザお薬代(針・消毒綿1ヶ月分付き)
1ヶ月分(1日0.6mg注射した場合):18mg1本 ¥15,800
(税込¥17,380)

ビクトーザの場合、注射本体1本につき注射に必要な針・消毒綿が1ヶ月分付いています。

診察料

お薬代にプラスで基本的な診察料がかかります。

オンラインでご購入の場合
診察料 ¥1,000(税込¥1,100)
クール便送料(品質保持のため) ¥2,000(税込¥2,200)
直接ご来院の場合
診察料 ¥1,000(税込¥1,100)

ビクトーザに関するよくある質問(FAQ)

ビクトーザとはどのような薬ですか?
ビクトーザはGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)受容体作動薬に分類される薬剤で、有効成分としてリラグルチドを含みます。本来は2型糖尿病の治療薬として開発・承認された薬であり、日本でも糖尿病に対して保険適用されています。
一方で食欲を抑え、満腹感を持続させる作用があることから、ダイエット目的の治療が自由診療(自費診療)で行われています。1日1回の自己注射によって使用する薬剤です。
ビクトーザはインスリンですか?
ビクトーザはインスリンではありません。ビクトーザは「GLP-1」という消化管ホルモンに似た働きを持つ薬であり、血糖値が高くなったときにだけインスリン分泌を促す「血糖依存性」の特徴を持ちます。
そのため、過剰なインスリン分泌や低血糖のリスクを抑えながらの治療が可能です。インスリンのように直接血糖を下げるのではなく「インスリンの分泌を助ける」「血糖上昇ホルモンを抑える」などの多面的な作用によって効果を発揮します。
ビクトーザのダイエット効果は?
ビクトーザは食欲の抑制や満腹感の持続といった作用により、自然と摂取カロリーを抑えて体重減少効果が期待できる薬です。加えてウエスト周囲径(腹囲)や内臓脂肪の減少も報告されています。
ビクトーザはカロリー消費を直接増やす薬ではありませんが、食事量のコントロールをしやすくすることから、無理なくダイエットが続けられます。生活習慣の見直しや運動療法とあわせることで、より効果が期待できる薬です。
ビクトーザで何キロ痩せますか?
効果には個人差がありますが、臨床試験においては約4〜8週間で体重減少がみられ始めたと報告されています。20週間の治療での平均体重減少は以下のとおりです。
  • リラグルチド 1.2mg/日:約4.8kg減少
  • リラグルチド 1.8mg/日:約5.5kg減少
さらに長期間継続した場合でも、持続的な体重減少が確認されています。[5]

参考

[1] Victoza® ビクトーザ皮下注18mg添付文書

[2] Effect of GLP-1 receptor agonists on waist circumference among type 2 diabetes patients: a systematic review and network meta-analysis - PubMed

[3] A double-blind, placebo-controlled, randomised trial to assess the effect of liraglutide on ectopic fat accumulation in South Asian type 2 diabetes patients - PubMed

[4] Safety, tolerability and sustained weight loss over 2 years with the once-daily human GLP-1 analog, liraglutide - PMC

[5] Effects of liraglutide in the treatment of obesity: a randomised, double-blind, placebo-controlled study - PubMed

[6] ビクトーザ皮下注18mg/取扱説明書

未承認機器等の表示

未承認医薬品等(異なる目的での使用)

ビクトーザは医薬品医療機器等法において、2型糖尿病の効能・効果で承認されています。 しかし当院で行っている肥満治療目的の使用については国内で承認されていません。

入手経路等の明示

国内の医薬品卸業者より仕入れています。

国内の承認医機器等の有無の明示

リラグルチドを一般名とする医薬品は、国内では2型糖尿病の効能・効果で承認されておりますが、承認されている効能・効果及び用法・用量と当院での使用目的・方法は異なります。

諸外国における安全性等に係る情報の明示

米国FDAやEMA (欧州医薬品庁)において肥満治療薬として承認されています。



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