当院では最小の傷跡で粉瘤の摘出ができる病院を目指しています。
また炎症性粉瘤もその場で治療をし、無駄な通院を省けるくり抜き法、へそ抜き法を施行しております。
現在当院では1日平均34件の手術を行っております。
直近1年間の手術実績は10,322件(2020年1月3日から2020年12月28日まで)開院2014年3月1日以来、2020年12月28日まで3万8,426件の手術実績
(保険診療のみの手術の件数で、かつ切開や生検は除いております。)
全例が低侵襲で傷が目立たない粉瘤のくり抜き法、くり抜き法変法です。
診療終了1時間前までに受診された粉瘤・炎症性粉瘤の当日手術希望者は、全例に当日手術を施行しています。
なお現在手術希望者でクリニック平均滞在時間は1時間半となっておりますが、お時間に余裕をもってお越しいただければと思います。
初診の患者様は予約不要となりますので、直接クリニックにお越し頂ければすぐに診察をさせていただきます。ただし予約をご希望の患者様はこちらのページより予約を頂くことが可能となります。(初診患者様のみ)。
(女性医師希望の患者様は相談にのりますが、粉瘤、炎症性粉瘤のくり抜き法、くり抜き法変法に関しましては代診医には任せず、必ず院長が施術しております。)
下記に従来からの手術方式に加え、くり抜き法、炎症中の粉瘤のくり抜き法等、各種当院で行っている粉瘤の手術方法を記載させていただきます。
当院での手術希望の患者様は受診前に一読していただければ幸いです。
また手術中の写真が苦手な患者様のご要望にお応えし、当院の粉瘤の解説サイトを作成しましたので、こちらもご参照下さい。
粉瘤は今まで紡錘形に切除するのが一般的でした。
当院ではできる限り傷跡が目立たないように治療するように心がけており、可能な限り『くり抜き法』、『くり抜き法変法』を用いた小切開による治療をしています。
私が勤務していた東京大学医学部附属病院形成外科および皮膚科、三井記念病院、国立病院機構相模原病院、日本赤十字社医療センター、いずれの病院でも粉瘤の患者様は数多く来院しています。
すべての手術に言えることですが、まずは安全第一に、その次に傷跡を可能な限り小さくすること、そして患者様の通院の負担を減らすことを目標に手術を実施しています。その結果、他県からも多くの患者様の紹介受診、手術の指名も増え大変喜ばしい限りでした。
大学病院、基幹病院でトータル執刀医として1500件の皮膚良性腫瘍、皮膚悪性腫瘍の手術を施行させていただきました。
私が所属している学会の1つである日本形成外科学会のホームページでも、粉瘤の治療の欄には『腫瘍の直径の1~2倍の長さで開口部を含めて紡錘形に皮膚切開をして内容物を袋ごと摘出する』との記載があります。
当院ではほぼ全て粉瘤はくり抜き法を行っていますが、紡錘形に切除する場合、炎症を起こしたことのない粉瘤は、腫瘍の直径の半分~8割を目標に切除をしております。
まずは通常の紡錘形に切除する術式を写真で説明いたします(私が執刀した症例です)。
当院の紡錘形に切除する粉瘤手術の流れ
粉瘤 腹部の手術写真です。黒い点線が粉瘤のサイズです。
粉瘤内側に径半分で紡錘形に切開線をデザインします。
局所麻酔後、切開線に沿って切開をします。
小さい切開線ですと、皮膚すぐ下に腫瘤があり、丁寧な剥離を必要です。
小さい切開線でも腫瘤は弾力性があり、充分摘出可能です。
摘出標本です。
小さい皮膚の切開線から大きな塊がとれているのがわかります。
摘出標本です。
小さい皮膚の切開線から大きな塊がとれているのがわかります。
内部が空洞になっているので、傷をきれいにするため、また血腫を作らないために真皮縫合を開始します。
綺麗な真皮縫合ですと、このように真皮縫合終了時点で、傷跡は一直線できれいです。
表皮縫合を終了しました。
あとは念のためにガーゼで圧迫して手術は終了となります。
この切除法でも十分きれいになることがお分かりいただけると思います。
また切開線も腫瘍径の半分程度です。
通常の摘出で傷が目立つ理由として、
- 粉瘤と皮膚の癒着部、菲薄化した皮膚を考慮し切除していないこと。
- 摘出後の死腔。
- それを縫合して寄せることによるdog earの形成が原因としてあります。
十二分に注意しても上記は起こりうる合併症であり、やはり、くり抜き法ができる症例には、くり抜き法を施行した方が患者様の満足度が高いと思われます(②はくり抜き法でも起こりえます)。
典型的な粉瘤でない症例、(嚢腫の袋を触知しない、急激な増大例等)ではしっかりと病理結果を確認する必要があり、この場合は安易にくり抜き法(へそ抜き法)を施行せず、通常の手術方法をおすすめしています(過去にくり抜き法を施行した症例でtrichoblastoma(皮膚悪性腫瘍)であった症例を相模原病院時代に経験しております。これは触診からのみでは絶対にわかりません)。
くり抜き法(へそ抜き法)
- 局所麻酔後嚢腫を皮膚からよく揉む。
- 嚢腫の中心にトレパン(穴を開ける器具)で嚢腫壁を貫通するまで切り込む。
- 小さいものなら、内容物を揉み出すことで壁も排出されます。
- 壁が圧出されない場合はトレパンによりできた丸い穴から壁を切除します。
- 丁寧に皮膚を縫合し手術を終了とします(縫合しないほうが綺麗な傷が予想されるときは、縫合しないこともあります)。6mmのトレパンを用いると上皮化に約10日と報告されています。
大きな粉瘤でもをごく小さい傷で摘出することを目標に当院ではなるべく1~4mmのトレパンを用いております。
10mm以下の表皮嚢腫、顔や首の前面等、触診上浅い部位にある粉瘤であれば、1~3mmのトレパンを用いて切除しています。
1mmのトレパンを用意しているクリニックはまだ少なく、表在性の大豆大までの臍がしっかりわかる小さい粉瘤や、粉瘤の仲間である脂腺嚢腫等が1mmのトレパンの良い適応です。(1mm~2mmの傷のくり抜きですと傷口がほぼわからなくなります。)
また皮下・真皮・皮膚を縫合した場合は、術後5日~7日で抜糸しております。この場合ですと傷跡はニキビ痕程度、部位によってはほぼわかりません。
当院のくり抜き法の粉瘤手術の流れ
粉瘤 お尻の手術写真です。中央部に黒いcomedoいわゆる臍が見えます。
粉瘤をマーキングし、周囲に麻酔を打ちます。
局所麻酔後に患者の状態により、生理食塩水を注入することにより、
皮膚と周囲組織の隔離をしています(hydrodissection)。
嚢腫の中心にトレパン(穴を開ける器具)で嚢腫壁を貫通するまで切り込みます。
今回は5㎜の筒を用いました。
4㎝の粉瘤で皮膚の分厚い臀部の粉瘤に対して5㎜の筒でくり抜きを施行するクリニックはまだ数少ないと思われます。
くり抜いた直後です。内部より粉瘤の中身がのぞいています。
マスカットの中身を押し出すような感覚?で強く圧迫をし、できる限り内部の垢を押し出します。
長年の発酵した独特なチーズのような香りがします。
圧迫しているときの手術風景です。
圧迫だけで壁もとれることもあり、その場合の手術は3分程度で終わります。
今回の患者様は炎症後であり、壁が癒着しておりここから剥離作業を開始します。
鑷子(ピンセット)と剥離剪刃(はさみ)を用いて丁寧に剥離をすすめます。
アテロームの袋が摘出できました。中身はすでに押し出しているので萎んだ風船のようです。
内部が空洞になり取り残しがないかをライトを用いて確認します。
最後に真皮縫合、表皮縫合をします。
術中出血はほぼありませんが、念のためにガーゼで圧迫して手術は終了となります。
最近は炎症中の粉瘤でも壁がほぼ取れること、また炎症中のくり抜き法変法にてほぼ全て?の粉瘤がくり抜き法の適応ではないかと考えている次第です。
局所麻酔についてのこだわり
市販のものは製剤の安定と溶解性を維持する為に、酸性塩に調整され、市販のE入りキシロカインには保存料も添加されています。
局麻薬のpHを生理的中性に近づけるほど、注入時の痛みが軽減されるため当院では、キシロカイン注射液0.5%10ml、7%メイロン注0.85ml、ボスミン液0.1mlを用いています。
この混合時のpHは7,30です(保存は1週間まで)。
炎症を起こしている粉瘤に対する当院のこだわり
粉瘤は小さいときは無症状のため、炎症を起こし痛みを伴ってから来院される患者様がほとんどです。
当院では波動を触れる(ぶよぶよしている)炎症性粉瘤に対して、全例へそ抜き法を施行しております。
おそらく9割以上の病院が炎症性粉瘤に対しては当日切開、排膿のみが行われ、その後連日の通院という治療を選択していると思います。
この場合ですと壁が取りきれず、その後炎症がおさまるまで無駄な通院(通院毎に粉瘤の内部の洗浄、ガーゼ注入等痛みを伴います)、その後残っている壁が再発したら、再度手術という方針をとってしまいます。
この場合ですと、患者様にとって、痛みが続く時間も長くなり、通院の時間や回数もかかり大変負担が大きい治療になると思われます。私が相模原病院にいたときに私の上司が論文で発表しておりますが、炎症性粉瘤こそ全例くり抜き法(へそ抜き法)の適応と私も考えます。
メリットは、
- 再発がほぼない
- 切開排膿より痛みの消退、傷の上皮化が早い
- 瘢痕が少ない
- 無駄な通院が省ける(当日麻酔の上くり抜き法施行、1~2週間後の傷のチェックのみ)
また痛みも翌日からほぼ改善します。
炎症性粉瘤におけるへそ抜き療法 実践編(解説)
Author:白井 明(国立病院機構相模原病院 皮膚科), 朝比奈 昭彦
Source:Visual Dermatology(2186-6589)10巻5号 Page508-512(2011.04)
炎症性粉瘤におけるへそ抜き療法 実践編(解説)
Author:白井 明(国立病院機構相模原病院 皮膚科), 朝比奈 昭彦
Source:Visual Dermatology(2186-6589)10巻5号 Page508-512(2011.04)
当院のくり抜き法の炎症性粉瘤手術の流れ
炎症性粉瘤 お尻の手術写真です。
5年前から自覚したしこりが3日前から突然腫れてきたとのこと当院を受診し、当日手術を施行しました。
粉瘤は赤く腫れあがり、炎症を起こしています。
患者様は痛みを強く訴えております。
粉瘤をマーキングします。重要なのは臍の位置です。
なぜならくり抜き法の場合は粉瘤の中央ではなく、臍をくり抜く必要があるからです。(中央部の赤く腫れあがった部位をくり抜くかたも多いのですが粉瘤の病態を考えると、臍の部位に取り残しが発生し、そこから必ず再発します。)この場合は写真下方に粉瘤の臍があります。
周囲に麻酔を打ちます。
炎症中の粉瘤は、通常より麻酔の効果が落ちるので、やや多めに麻酔を打ちます。
その際当院では麻酔をpH7と中性に近づけることで、注入時の痛みが軽減させ、組織に対しても愛護的に局所麻酔を行います。
嚢腫の臍の部位にトレパン(穴を開ける器具)で嚢腫壁を貫通するまで切り込みます。
今回は4㎜の筒を用いました。
くり抜いた直後です。
炎症を起こしていない粉瘤と違い大量の膿が内部より溢れてきます。
強く圧迫をし、できる限り排膿をします。
炎症中でも圧迫で壁の半分程度とれることもあります。
圧迫だけでも膿の内部に白色の壁がとれています。
また膿はガーゼに吸収され、組織は平坦となりました。
ここからは難易度があがりますが、炎症を起こしている壁を破かないように
周囲組織より丁寧に鑷子(ピンセット)と剥離剪刃(はさみ)を用いて剥離をすすめます。
アテロームの袋ができました。
炎症を起こしている時は通常の袋よりかなり壁が薄く、剥離にはコツが必要です。
壁を摘出した後は穴を反転させ、内部が正常組織だけになっているか、粉瘤の壁が残存していないか確認します。
残存している場合は全て摘出するように心掛けます。
この患者様は最後に表皮縫合(2点縫合)で手術を終了しました。
粉瘤の部位、場所によって巾着縫合や通常の真皮縫合、表皮縫合をすることもありますが、内部に炎症が強く起きている時は膿の貯留をさけ中央部がオープンの2点縫合、巾着縫合を当院では基本としております。
最後に軟膏塗布しガーゼで圧迫して手術は終了となります。
なおサイズが10㎝程度の炎症性粉瘤に対しても最近はくり抜き法変法にて効果的な治療が可能です。
手術の流れ
受診は、基本的に手術当日→翌日もしくは翌々日(可能であれば受診、難しい場合は処置方法を手術当日にお伝えします。)
→7日~14日後の約2~3回ほどです。
手術でとったものは、良性か悪性か何の疾患かを含め外部へ委託し病理検査に提出します。
経過もしくは抜糸の際に、病理結果が出ていればそこで終診となりますが、出ていない場合再度受診していただく場合もございますのでご了承下さい。
※ 遠方からお越しの方や、事情があり受診できない場合は医師にご相談下さい。
ご料金
保険適応で、部位、サイズによって値段が異なります。
保険が3割負担の患者様
非露出部(半袖、半ズボンで隠れる位置) |
径3cm未満 |
3,840円 |
径3~6cm未満 |
9,690円 |
径6cm以上 |
12,480円 |
露出部(半袖、半ズボンでも外にでる位置) |
径2cm未満 |
4,980円 |
径2~4cm未満 |
11,010円 |
径4cm以上 |
13,080円 |
この料金以外に手術時に使用した局所麻酔代、軟膏代等で500~600円程度、病理検査代金が3000円程度かかります。
保険が1割負担の患者様
非露出部(半袖、半ズボンで隠れる位置) |
径3cm未満 |
1,280円 |
径3~6cm未満 |
3,230円 |
径6cm以上 |
4,160円 |
露出部(半袖、半ズボンでも外にでる位置) |
径2cm未満 |
1,660円 |
径2~4cm未満 |
3,670円 |
径4cm以上 |
4,360円 |
この料金以外に手術時に使用した局所麻酔代、軟膏代等で100~200円程度、病理検査代金が1000円程度かかります。
~手術給付金について~
手術料金は保険適応です。
ですがご自身の加入している保険によっては、保険会社から手術代を給付される場合もございます。
給付金がおりるかどうかは、保険会社に確認していただき、適応であれば診断書が必要になります。
診断書は保険会社専用のものと、病院から必要事項のみ記載する診断書の2種類あります。
どちらかは、ご自身の保険会社に確認してください。
保険会社専用の診断書
|
お渡しできるのは治療が終診になってから約7~10日後
1通につき¥5,000
|
※注意事項 保険会社から診断書をご自身で取り寄せていただき、受付に提出してください。 |
コード:露出部K005、非露出部K006 |
郵送も可能です(1通レターパック¥500)ので、郵送希望の方は受付にお申し付けください。 |
病院で必要事項のみ記載する 簡単な診断書
|
お渡しできるのは終診の当日
1通につき¥3,000
|
※注意事項 保険会社から記載する項目を事前にご自身で確認してください。
医師が記載いたしますので、記載する項目も含め終診日にお申し付けください。
|
東京の粉瘤治療クリニック 安心のワン・ドクター制度
当院は、患者様の安心・よりよい医療の提供のために、粉瘤・炎症性粉瘤のくりぬき法を全例院長が施行するワンドクター制度で行っております。
現在東大病院、虎ノ門病院皮膚科医局の協力のもと当院には20人ほど医師が在籍し常時医師3~5診体制ではおりますが、くりぬき法は全例院長が責任をもち行っております。
最近、他院からいらっしゃる患者様で下記のような報告がございます。
- 手術当日に非常勤の医師が執刀する。
- 後日、手術した医師と違う医師が経過の診察をするため、再度の説明が必要になる、または方針が変わって不安になる。
- 毎回、別の医師に違うことを言われるので、何を信じて良いか分からない。
- 担当した医師の診察を希望する場合、予約が取りづらい。
症例数や売上をあげるためにコンビニクリニックが増え、医療もチェーン化が進んでおりますが、手術、術後のケアを別々の医師が担当されるクリニックで不安になり、当院にいらっしゃる患者様も少なくありません。
くりぬき法に関しては特に、医師の技量により治療効果に差が出ます。
誰がどういった手術をするのか、術後のケアは誰がどう行うか、事前に患者様がよく理解されることも大切です。
特に医師の勤務経歴に科の記載がなく曖昧であったり勤務年数を書いていない医師は事前にチェックをしてみてください。
またホームページに形成外科専門医や皮膚科専門医が手術と記載をしつつ、執刀する医師を指名できない病院は、非専門医やバイトの医師が手術をしていることもあるため注意が必要と思われます。
それぞれの学会が専門医を公表しておりますので下記サイトで簡単に確認をすることができます。
また、まれにではございますが緊急性のある術後のお問い合わせには、お問い合わせメール、お電話も含めて時間外、年末年始でも必ず速やかに対応してまいりました。
当院を選んでいただいた以上、責任をもって対応するのが私の使命と思っております。
ご自身の大切な体ですので安心して手術をお受けいただくために、当院ではなくとも、専門医資格をお持ちで症例数等も記載のあるお近くのワンドクター制度のあるクリニックで手術をお受けになることをお勧めいたします。
当院が選ばれる6つの理由
くり抜き法は安心のワン・ドクター制度
豊富な実績
初診予約不要
当日手術
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最小の傷跡を目指しての治療