渋谷駅前おおしま皮膚科・形成外科・小児皮膚科・アレルギー科【保険診療・日帰り手術等】
粉瘤(アテローム)は他のできものと間違われやすい嚢腫です。粉瘤は皮膚の下にできた袋の中に皮脂や角質などの垢がたまってできる嚢腫で、黒い開口部があることが多く、年齢や性別に関係なく体中どこにでもできてしまいます。これに対し石灰化上皮腫は皮膚の一部分がまるで石灰のように固くなるもので、20歳以下で60%、10歳以下で40%の発症率があるため、若い人に多いといわれており、男女比率では女性が男性の1.5倍の発症率が確認されています。
石灰化上皮腫は顔にできることが多く、その次に首、上肢となっており、その他の部位にできることは少なく、0.5cm~3cmくらいの大きさが多いです。粉瘤と異なりほとんどの場合は痛みやかゆみなどがないですが、押すと痛みを感じることがあります。石灰化上皮腫ができたところは通常と肌の色が変わらないか、皮膚が薄い部分では石灰化上皮腫の色が透けて黄色がかったり、または青白く見えたりすることがあり、開口部はありません。固く動かない腫瘍は悪性のものが多いですが、石灰化上皮腫は触ると皮下で動き比較的区別しやすいですが可動性が悪いものや、破裂しているような場合は臨床的には悪性腫瘍と見分けにくいこともありますが、多くは経過から診断が可能です。
粉瘤(アテローム)と間違われやすいものに「脂肪腫」があります。治療を受けに来る患者さんの多くは、粉瘤を脂肪腫と勘違いしていることが多いのです。粉瘤は皮膚の下にできた袋に垢などが溜まっている状態で開口部がありますが、脂肪腫は皮膚の下に脂肪の塊ができているもので、この脂肪の塊は「脂肪細胞」が増えて出来上がったもののことをいい、皮膚の深い場所にできることもあります。
脂肪腫は粉瘤と同じように身体中どこにでもできますが、背中や肩、首などにできることが多いです。40~50代にできることが多く、20歳以下にできることは少ないです。男性より女性に多い傾向があります。粉瘤同様自覚症状がないことが多いのですが、血管を多く含む血管脂肪腫等は痛みを伴うこともあります。また皮膚の浅い部位にある脂肪腫は、皮膚が半円状に盛り上がり、触れると柔らかいため診断は容易です。脂肪腫も多発するケースがありますが、経過が比較的早く成長しているものやサイズが大きいものは術前に脂肪肉腫を除外するためにMRI検査を依頼することもあります。また粉瘤同様、脂肪腫も手術で摘出したものを病理組織検査で調べることをすすめております。
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