渋谷駅前おおしま皮膚科・形成外科・小児皮膚科・アレルギー科【保険診療・日帰り手術等】
粉瘤(アテローム)は、命の危険がないできもので、できてしばらくは肌の色とほとんど変わりなく痛みやかゆみなどもないため放置しておく人もいます。
大きくなってくると気になり始めて自分で潰してしまう人もいますし、袋が自然につぶれてしまうことがあります。自分で粉瘤を無理やり潰した、あるいは自然につぶれてしまった後に、炎症を起こして化膿して赤くなり痛みやかゆみ、症状がひどいと発熱をともなって元の倍以上の大きさになってしまうことがあり、これを「炎症性粉瘤」と呼びます。
化膿してしまう原因ですが、以前は粉瘤の袋の中に雑菌や細菌が入ってしまい感染することで化膿し、膿がたまると思われていました。しかし研究が進むにつれ、雑菌や細菌感染での化膿は低く、袋が割れてしまったときに内容物が皮膚の下に流れ出ることで炎症反応が出ることがわかっています。
炎症性粉瘤の場合は袋が弱くなっている状態なので、一般的には抗生物質の服用や痛み止めの内服で様子を見ることもありますが、基本的には感染症ではなく、袋の中身の炎症反応であり、効果があることは少ないです。従来の治療法では一度切開をして内容物を出すことを推奨されておりましたが、それですと再度袋の摘出をする必要があり、当院では炎症中の粉瘤もくりぬき法もしくはくりぬき法変法で一期的に切除をすることをすすめております。
また過去に数回炎症を繰り返し、袋の所在がわからないような粉瘤や似た疾患で膿皮症というような疾患の場合は炎症をおこしているとき一度切開して膿をだし、炎症が落ち着いてきたころに再度切除をしております。 患者さんによっては、炎症が落ち着くと面倒になり治療を中断してしまう人もいますが、粉瘤は袋を除去しないかぎり再発する可能性が高いので、完治させたいのならきちんと袋を取り除く必要があるのです。
粉瘤(アテローム)は基本的には良性の腫瘍ですが、非常に経過が長いものや炎症を繰り返し続けているものの中にはごくまれに悪性腫瘍となってしまうものがあります。悪性の腫瘍とは「ガン」のことです。粉瘤が悪性化したもので一番多いのは「有棘細胞癌」で、「基底細胞癌」は悪性化したものの中では発生はごくまれです。
粉瘤が悪性化して有棘細胞癌になったケースの統計を見てみると、男性が7割近くを占めており、その半数は頭か首にできています。そして5年以上放置していることが多いためか大きさも5cm以上と大きなものが多いです。また基底細胞癌は高齢者に発生することが多く転移することは極めてまれな疾患です。
有棘細胞癌・基底細胞癌どちらも患部が急に大きくなる、潰瘍状態になるといった症状がみられることが多いですが、通常の粉瘤にも起こることなので臨床像のみでは判断が難しいことが多いです。そのため悪性腫瘍かどうかを判断するためには、取り除いた粉瘤の内容物の病理検査を行う必要があります。
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